
かつて黄金の国ジパングと呼ばれていた日本。
日本は昔から金に馴染み深い関係ではありますが、身の回りに金に投資をしている人って少ないと思いませんか?
金を持つことは良いって言われているけど、何で良いのかよくわかっていなかったり、そもそも金の相場について詳しく無かったり、金に対する知識が圧倒的に少ない方は多いかと思います。
そこで今回は金投資について、『なぜ金が良いのか』『どのような投資が良いのか』『金相場が変動する秘密』『売り時と買い時』の4点についてご説明させていただきます。
これから金投資を始めようと思っている方は参考にしてみてください。
1 金を持つメリットは有事の際に強く資産価値があるため
「金を持つ」と良いって言われた事はありませんか?
金投資をしている方や、金に詳しい方とお話をすると、金を持つことをよくオススメされます。
これは単純に金投資としてのメリットだけではなく、金独自の特性から『金を持つと良い』と言われているのです。
金を持つメリットは大きく分けて二つあります。
一つ目は、世界的な共通資産で有事の際に強い
二つ目は、資産価値がある
この章ではこの二つのメリットについてご説明させていただきます。
1-1 世界共通の価値があり、有事の際に強い
最近では金というとアクセサリーやジュエリーとしてのイメージが強く、貴金属という認識で「この金はいくらになるのか」分からない方は多いかと思います。
金は世界各国で買取や販売をしている貴金属で、世界で共通の認識を持っているため、例えば海外でお金が無くなったときに、金の買取をしているお店に持って行くことで現地のお金に換金することもできます。
日本だけでなく、海外でも買取販売しているのが金で、世界で共通の認識を持っているアイテムなのです。
また、海外の方で、特に情勢が落ち着いていない地域では貨幣よりも金にする人も多くいます。
日本では馴染みがないかと思いますが、海外ではハイパーインフレで貨幣価値が無くなったり、紙幣の価値がかなり変動するがあります。
貨幣の価値が無くなるとそのお金はタダの紙切れになってしまいます。
しかし、金は世界的な相場で決められており、資産として価値が一生残るアイテムですので、金で所持することにより紙幣価値が無くなった時のデメリットをなくすことが出来ます。
有事に強いといわれているのはこの貨幣価値だけでなく、相場の変動にもあります。
一般的には株やFX、プラチナなどの投資は好景気であればあるほど相場が上がり、不景気になると相場が落ちるという特徴を持っております。
金は不景気が訪れると相場が上がるアイテムなので、不景気に強いという金独自の特性を持っていることにより、有事に強いと言われている所以です。
日本では馴染みが薄いので有事の際に強いといわれてもピンと来ない方もいるかと思いますが、貨幣価値ではなく、経済の動きに反している相場変動から『有事の際に強い』ということを覚えておくと金投資において売り時と買い時が分かるので頭の片隅に入れておくと良いでしょう。
1-2 現物は資産価値がある
投資というと株券で取引したり、最近ではWEB上の数字で取引している人も多いのではないでしょうか。
2章で詳細はお伝えしますが、金の投資は3種類の現物取引とETF取引の二つがあります。
金は世界的な価値があるアイテムで、資産価値が落ちにくいという特徴もあります。
他の投資では会社がつぶれてしまえば株券はタダの紙切れになってしまいますし、FXにはそもそも資産価値がありません。
金は例えば日本が“ダメ”になってしまった場合でも、資産としての価値は残るアイテムですので、他の投資にはない特徴があります。
短期投資としてもそうですが、資産としてみても長い間価値を保ち続けているアイテムですので、長期運用にも向いている面白いアイテムが金なのです。
簡単に説明させていただきましたが、これが金を持つと良いといわれているメリットです。
そんな金にはどのような投資方法があるのでしょうか。次章でご紹介させていただきましょう。
2)4種類の金投資のメリットとデメリット
さて、ここからは投資についての本題に入っていきましょう。
金投資を始めるにあたり、投資方法は気になるかと思います。
金投資は4種類に分けることが出来ます。
- インゴット投資
- 金貨投資
- 純金積み立て
- ETF
それぞれのメリット・デメリットがありますので、詳しく掘り下げてご紹介させていただきます。
2-1【インゴット】基準を満たせば税金優遇される
出典:田中貴金属
“金投資”と聞いて真っ先に思い浮かぶ方が多いかと思います。
インゴットは金の象徴であり、現物投資している方のほとんどはインゴットを所持しております。
インゴットのメリットとデメリットをお伝えさせていただきます。
メリット:実物として投資の実感がある。基準を満たせば税金優遇出来る
デメリット:保管するのに手間とコストがかかる。
株やFXでは数字で取引している場合が多く、投資をしているという実感がわきにくいです。
インゴット投資の場合には確実に実物を手に入れることが出来るので「投資している!」という実感がわきやすいです。
しかしながらそのインゴットを補完するために手間がかかったり、金庫の購入や銀行の貸金庫の保管料でコストがかかってしまいます。
自宅に金庫がある場合にはそこで保管すればいいので、コストはかかりませんが、盗難されてしまうリスクがついてきます。
このリスクを背負いたくない人が多いため、一般的には貸金庫に預ける方が多いらしいです。
インゴットを販売している田中貴金属では5kgまで6カ月2,700円で保管してもらえるサービスも展開しているようなので、もしもインゴット投資で保管先に悩んでいる場合には田中貴金属の保管サービスを利用すると良いでしょう。
続いては税金についてです。
投資する方は一番気にするところではないでしょうか。
金地金と言うものは売却益の50万円までは特別控除されます。
また、もしも長期的(5年以上)に保有していたインゴットには譲渡所得金額が半分に優遇されます。
50万円の売却益というのは例えば500gのインゴットを1g6,000円で購入し、1g7,000円の時に売却した差額をイメージしてください。
この売却時に他の譲渡益が無ければ税金がかかることがありません。
また、インゴットの購入についてですが、一般的には100gから購入している人が多いです。
しかし、500g未満は手数料がかかりますので、個人的には500g以上から購入することがオススメです。
売却業者により500gを100g単位に直して買取してくれるところもあるので、大きい金額で購入した方が手数料分や、売るときの差額が大きくなるのでオススメです。
2-2【金貨】コレクション性があり、相場以外の要素もある
出典:田中貴金属
金投資と聞いて金貨が出てくる人は少ないかと思います。
収集趣味のある方や、投資を“楽しみたい”方にはオススメの方法です。
先ずはメリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリット:少額から投資が出来る。デザインが異なるので見てて楽しい。
デメリット:地金と比べて高い。保管に注意が必要
金貨の投資は個人的には最も好きで面白いです。
金貨はかなり種類が多く、コレクターが存在するくらい有名なアイテムです。
有名なアイテムで言うと、カナダのメープルリーフ、オーストラリアのカンガルー金貨、南アフリカのグルーガーランド金貨、アメリカのイーグル金貨などがあります。
金貨はインゴットなどの地金投資と比べると圧倒的に安く購入することが出来ます。
金が1g6,000円だった場合、インゴット投資では500gで3,000,000円かかりますが、金貨投資の場合、基本的なサイズは1oz(31.1g)なので、186,600円で購入することが出来ます。
地金投資と比べてかなり安く抑えることが出来ますので、投資金額を抑えたい場合にはオススメです。
また、デザインが異なるためコレクション性があるアイテムでもあります。
金貨に傷がついていた場合には買取価格が下がってしまう可能性が高いため、保管に注意が必要です。
集めている人はコインのコレクションケースを購入して保存している人が多いです。(Amazonで2,000円くらいで売っています。)
金貨投資の面白いところをお伝えすると、地金以外の評価額があるところです。
地金としての価値もあるため、最低保証の金額はありながら、プレミア価値がつくことで高い金額に跳ね上がったりします。
プレミアがつく金貨として有名なのはイギリスで発行しているソブリン金貨がいい例です。
これは1553年に発売された金貨があり、アンティーク性と希少性から金の価格を上回る金額で取引されております。
最近のアイテムで言うとカナダ野生動物金貨や中国十二支金貨は、毎年デザインが変わる特別な仕様になっているので、人気が高いデザインの場合には金の価格を大きく上回ることがあります。
入手難易度は高いですが、もしも金貨で投資を始める場合には挑戦してみると良いでしょう。
尚、金貨の詳細はコチラの記事に書いてありますので、ご興味があれば覗いてみてください。
2-3【純金積み立て】毎月定額支払いで投資が可能
「純金積み立てコツコツ♪」というCMを見たことある方もいるのではないでしょうか。
毎月一定額を入金することで少しづつ金を購入する方法です。
純金積み立てのメリット・デメリットについてお伝えさせていただきます。
メリット:一気に高額購入するわけではないので暴落のリスクを回避できる
デメリット:消費寄託の場合、業者倒産すると投資した金が戻らない可能性がある。手数料がかかる。
貯金のようなイメージで毎月1,000~3,000円くらいの投資をしていく純金積み立て。
一定額に到達すると小さなインゴットで現物を引き出すことが出来ます。
投資というイメージよりも貯金の延長線上のように運用している方が多いです。
一気に購入しないので暴落リスクを減らすこともできますが、その分収益を獲得できる量も少なく、投機という意味では全く意味をなさない方法です。
積み立てする会社にも寄りますが、購入金額の1.5~5%の手数料がかかり、個人的にはあまりオススメできません。例えば500g分購入した場合には一括であれば3,000,000円で購入できますが、積み立ての場合最大150,000円の手数料が掛かります。
手数料分の売却益を考えるのであれば、少額でインゴットを購入するか、金貨投資することをオススメします。
また、投資方法は会社が“保管”する『特定保管』と会社が地金の所有権を持つ『消費寄託』の二つがあるのですが、消費寄託の場合には会社がつぶれると金が戻ってくる可能性が圧倒的に低い特徴があります。
メリットとしては手数料が安いことですが、会社がつぶれては元も子もないので、どうしても積み立て投資したい場合には『特定保管』にすることをオススメします。
2-4【金ETF】信頼取引で買戻しが出来る
4つ目の投資方法は金ETFです。
金ETFとは金の価格に連動する上場投資信託のことを指します。
株式投資と同じようにリアルタイム取引することが出来ます。
それでは早速金ETFのメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット:少額から可能。リアルタイム取引ですぐに対応可能。買戻しが出来る
デメリット:信託報酬が高い。分配金が無い
ETFが分かりにくい人に簡単に説明すると、金ETFは株のようなイメージの投資方法です。
取引所が開いている時間ならリアルタイムで取引することが出来るので、デイトレードなど超短期取引を行うことが出来ます。
投資金額は1口あたり5,000円台のものもあるため、比較的安価に投資を始めることが出来ます。
インゴットのように一気に3,000,000円も使うことが出来ない方で、少額から投資を始めたい方にはオススメな取引方法となっております。
また、金ETFの最大の特徴で一番のメリットである“信頼取引における買戻し”をすることが出来ます。
信頼取引を利用することで、相場が落ちたタイミングでもしっかりと儲けることが可能です。
金相場の変動に詳しい方は金ETFで信頼取引をすることですぐに得することが出来るでしょう。
しかしながら、金ETFは株式や債券、不動産投資信託と比べて信託報酬が高いというデメリットがあります。
金以外の信託報酬は年率0.1~0.2%ですが、金ETFは0.4~0.5%と他の信託報酬よりも5倍も高いです。
そのため他のETFと比べて保有中の運用コストが高くなってしまいます。
また、金ETFは株などと違い原資がなく、金相場に連動している上場投資信託なので、配当金がありません。
他のETFをやっている方はこのような注意点に気を付けて金ETFを始めるようにしましょう。
3 金相場が変動する3つの理由
続いては金相場についてご説明させていただきます。
金相場の動きが分かれば損するリスクを最低限に減らすことが出来るので必ず見て覚えていってください。
相場が変動するのには大きく分けて3つの理由があります。
- 地政学リスク
- 需要と供給のバランス
- 米ドルの価値
この3つについて掘り下げていきましょう。
3-1 理由①不景気などによる地政学リスク
難しい言葉を利用していますが、簡単にお伝えすると景気による影響を指します。
1章で軽くお伝えさせていただきましたが、金が不景気になると相場が上昇するという特徴を持っている投資アイテムです。
これは金そのものに価値があるため、不景気になったときに貨幣を手放し世界的に価値がある金に切り替える人が多く存在しております。
金を持っていれば国が危なくなったときに他の国に移っても資産を守ることが出来ます。
最近で言うと、執筆時現在(2020年4月)は新型コロナの影響で世界的な大不況が訪れております。
プラチナ、株、時計などのアイテムの相場は大下落している中、金の相場は爆発的に上がっております。
世界中で企業が倒産し、新型コロナでの死者は6万人を超え、コロナが落ち着いたとしても仕事がない人などもいるため、経済回復まで時間がかかるかと思います。
2021年には東京オリンピックが予定されているため景気は少し戻るかと思いますが、すぐの回復は難しいと予想しております。
今のような金の高騰はコロナが落ち着いても少しは停滞するでしょう。
そして経済の中心には各国の中央銀行の影響も大きくあります。
各国の中央銀行は国の万が一に備えて大量の金と合わせて米ドルを保管しております。
2008年のリーマンショック以降、米ドルの信頼が薄くなり、2010年以降は金の買い足しを国が行っております。
国が金を買う時には個人のような小さな金額では購入せずに大量の金を一気に購入するため、金の相場がかなり上がるのです。
中央銀行が金を購入するときは不景気が訪れそうで国が万が一なことが起こりそうな時です。
このタイミングを一般の人が知ることはかなり難しいため、アメリカや香港などの世界経済の中心となっているところの株価などを参考にして、自分なりに不景気が来るかどうかを見てみると良いでしょう。
金と景気は相反した存在で不景気に相場が上がるということを覚えておくだけで金相場の動きをすぐに察知することが出来ます。
投資をする際には思い出してください。
3-2 理由②需要と供給のバランス
どの投資でも言えますが、需要と供給のバランスにより相場が異なります。
「金はプール1杯分しかない」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?
競技用プール1杯分というと凡そ5トン程度の量になります。
金の残りの埋蔵量は5トンしかないので、需要が高まると相場が高くなります。
近年では中国やインドなどが経済急成長しており、金銭的な余裕がある方が増えております。
その結果金のアクセサリーが売れたり、金投資をしている人が増加しました。
その結果相場は徐々に上がり、高い推移で安定したのです。
好景気の中でも相場が上がる要素がここにあるので、周りの国の経済状況や富裕層の動きなど見ておくと良いでしょう。
3-3 理由③米ドルの価値による変動
3つ目の理由は米ドルの価値による変動です。
世界各国の中央銀行は外貨準備として米ドルを保有していることがほとんどです。
そして経済の中心にいる国はアメリカでアメリカのドル相場を見ることで金相場がどのくらいのものなのか把握することが出来ます。
経済の中心と言えば3-1で紹介した不景気がつながってきます。
アメリカが不景気になった場合には金の相場は上がる傾向にあります。
経済の中心地の貨幣相場や平均株価を見ることで相場の変動を知ることができますので、金の購入後は日本国内だけでなく海外の経済も気にしてみると良いでしょう。
4 近年の相場から見る今は買い時?売り時?
さて、最後は買い時か売り時かの情報についてお話させていただきます。
結論から言うと売り時です。ETFに至っては買いよりも売りに走った方が良いでしょう。
4-1【2020年】実物は絶対に買わない方が良い
出典:田中貴金属
現物取引に関して言うと、今の金相場はかなり高いです。
上記のグラフを見てわかる通り、かなり相場が上がっております。
2019年以降の上がり方は不景気に寄る相場上昇ではなく、中国やインドの経済成長による需要高の高騰になります。
新型コロナの影響で、今の金相場は凡そ6,000円前後と1980年の世界恐慌並みの高騰をしております。
世界恐慌があった翌年には相場が4,000円前後に落ち着き、その後徐々に相場が下がり、2000年には1000円前後の相場となっております。
新型コロナの影響は21世紀の世界恐慌と言われており、現在の経済状況から金相場を考えると今の相場が最も高い金額ということが分かるかと思います。
そして新型コロナが落ち着いた頃には経済は徐々に戻り成長を迎えるため、金相場は大暴落が起こると予想されております。
金は今のタイミングで買う損する確率の方が高いので、今の購入はオススメできません。
もしも投資するとしても、子供や孫に資産を残すための長期的に見た投資であれば金の購入は良いかと思います。
短期的にみるとリスクの方が高いので、現物で短期投資はやめましょう。
4-2 金ETFの空売りはアリ
金ETFは現物取引とは違い信頼取引を行うことが出来ますので、空売りすることが出来ます。
今の最も高い状態で金を打って、相場が大暴落した時に買戻しするとかなり得をすることが出来るでしょう。
この空売りは現物取引では絶対にできないことですので、少し手数料が高くてもETFの方がよく見えてきますね。
現物では儲かる手段は売るしかないですが、ETFでは通常の売りと空売りの二つの方法で投資がすることが出来ます。
手段が増える分扱い方を間違えると大損につながってきますが、現状は現物取引のリスクが高い以上、金ETFでの投資をすることがオススメです。
最後に
今回は金投資についてご説明させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
金の投資は大きく現物と信頼の二つの投資方法があります。
現在の相場から見ると現物取引はリスクがかなり高くオススメではありません。
しかし金ETFでは信頼取引で空売りすることが出来るため、大暴落が来たときに大きく得することが出来ます。
二つの投資方法があるので、好みで選んでお好きな方で試してみると良いでしょう。
最後になりましたが、実は弊社で金やプラチナなどの貴金属の買取店を運営しております。
もしも不要な金やプラチナなどの貴金属やその他不要なブランド品があれば下記よりお気軽にお問合せくださいませ。
お客様のご利用心よりお待ちしております。
コメント