手元にある金製品の買取を考えたとき、一番気になることは「自分が持っている金製品を買取してもらったらいくらになるのか」という点でしょう。適正な買取金額を知るには、買取店舗で査定を受けるのが最適です。とはいえ、街中には金の買取業者は数多く存在しています。
どんなお店に依頼をすればよい結果を得られるのでしょうか。
本記事では、知っておきたい金の基礎知識から買取業者選びのポイントを分かりやすくご紹介していきます。
金は近年、高騰を続けています。金製品をお持ちの方は、今が売りどきです!最新の金相場を調べたい方は、以下のページも参考にしてください。
目次
金はなぜ価値が高いのか
ここではなぜ金は価値が高く、世界中で重宝されてきたのかを解説していきます。
金の価値が高い理由は、以下の4つが挙げられます。
- 絶対数が少ない
- 劣化しにくい
- 用途の幅広さ
- 現物として資産価値の高さ
順に解説していきます。
絶対数が少ない
金はそもそも絶対量が少ない金属で、これまで人類が採掘してきた金の総量はおよそ18万tです。この数値は、オリンピックの公式競技用プール約3.8杯分に値します。そして、地中に埋蔵されている量は約5万tと考えられており、これも同じように競技用のプールで換算すると、1杯分にも満たない計算となります。
現在では年間3,000tが採掘されており、このペースで採掘されていくと10年ほどで金は枯渇してしまいます。
このように地球上に存在する金の量は決まっており、すでに半数以上が採掘されてしまっていることから、自然とその価値が高まっているのが現状です。
劣化しにくい
金は、錆びに強く劣化することがない物質といわれており、アルカリ性の水溶液や濃度が高い酸をかけたとしても溶けない耐性があります。また、温度の変化にも強く、1064℃以上の温度にならないと溶けることはなく2856℃以上まで達しなければ蒸発することはありません。
ただし、金は衝撃には弱く、人がかじっただけでも歯形が簡単についてしまうほど柔らかい金属です。
用途の幅広さ
金の代表的な使用用途といえば、宝石や装飾品といった宝飾品の割合が多く、投資用として金地金(インゴット)などが挙げられます。そのほかにも3つの製品で金は活用されています。
1.工業品
主に、スマホやパソコンなどの電化製品のベースにある回路基板の銅線や、部品を実装する部分などに使用されています。これは、銅がむき出しのままだと錆びてしまうため、腐食に強くて電気の伝導性に優れている金を使用しています。
その理由としては、電気抵抗が小さく電気信号を通しやすい特性を持っているため、電子部品の使用にとても向いており電子回路を作るのに向いている金属といえます。
2.医療用品
医療現場でも金は活躍しています。その用途は、ペースメーカーやカテーテルの部品、リウマチの治療などさまざまな用途がありますが、一番知られているのは歯科材料の金歯でしょう。
歯の被せものとして使用するので、錆びてしまっては大変。そこで錆びにくく腐食性の低い金が向いているというわけです。また、金はアレルギー反応を起こしにくい金属のため、長期間の使用にも向いており医療の現場でも重宝されています。
3.美容製品
意外にも美容製品にも金が使用されています。金には、身体の中に常に流れている微量の電気の流れを改善してくれる電磁誘導作用があり、偏ってしまった体液内のイオンを正常な状態に戻す効果が期待できます。
現物として資産価値の高さ
形がありそれ自体に価値があることを「実物資産」と呼ばれています。現物資産は以下の種類があります。
実物資産の種類
- 貴金属(金、銀、プラチナ、ダイヤモンドなど)
- 不動産(マンション、アパート、土地など)
- コレクション(油絵、アンティークコイン、スニーカーなど)
それぞれに特徴はありますが、現物資産のすべてに言えることは比較的価値が下がりにくく、かつ投資リスクが低いことです。
その中でも金は、古くから全世界共通で価値が認められている貴金属で、価値も年々上昇傾向にあります。10年前と比べると約3倍、15年前ですと約4.5倍に値上がりしています。(出典:田中貴金属「金価格推移」)
そのため、「安全資産」とも言われ、世界情勢の変化や金融危機よって金融資産が大きな影響を受けていたとしても、安定して資産を保有したい方や確実に増やしたい方、投資を初めてみたい初心者の方などにおすすめできる資産と言えます。
カラーゴールドの色の種類
金は柔らかい金属であるものの、他の金属と混ざりやすい性質を持っており、他の金属と混ぜ合わせて合金にすることで変形しやすいという欠点を補いつつ繊細な加工を施せるようになります。
そのため、結婚指輪などの常に身に着けるゴールドは、K18という金の純度が75%のものがほとんどで、他の金属との配合によって色の変色が起こり、カラーゴールドと呼ばれる合金となります。
ここでは、カラーゴールドの色についての変化と特徴について解説していきます。
金は加工がしやすい金属
金は圧迫することで伸びる性質の「展性」、引っ張る力で伸びる性質の「延性」どちらにおいても優れた性質を持っています。
金属の硬さを表し、押し込み式の硬さ試験方法の一つである「ビッカーズ硬さ(単位:HV)」ですと、金の硬度は22となり、熱処理を施すことで50近くまで高められます。地球上で最も硬い物質であるダイヤモンドは7140~15300で、金属の中では最高硬度を誇る超硬合金は1700~2050です。このことから、いかに金が柔らかい金属であることが分かると思います。
金の純度は24分率で表示されており、純金はK24と表記されます。そこから金の含有量によって表示が変わり、K18となると金の配合率が75%、それ以外の金属が25%含まれていると合金になります。金の含有量が減るにつれ、K(カラット)のあとにつく数字もK24・K22・K18・K14・K10…と変化していきます。
金の買取価格としては、純度が高いほど買い取り額は高くなる傾向にあります。
配合率による色と硬度の変化
配合する金属の種類、量によっては色の変化が起こり、それぞれの変色具合から名称がつけられています。以下では、18Kのカラーゴールドに配合されている金属の割合、硬度を種類ごとに紹介していきます。
・グリーンゴールド
金が75%、銀が25%配合されています。銀の硬度は25と金に次いで柔らかい金属のため、硬度は40しか上がりません。
・イエローゴールド
金75%、銀12.5%、銅12.5%で配合されています。場合によっては銀15%、銅10%ずつ配合されている場合もありますが、基本的な金のパーセントは75%と変わりません。硬度は120まで上がります。
・ホワイトゴールド
金75%、銀15%、パラジウム10%で配合されています。結婚・婚約指輪の素材として使用されることが多く人気の配合割合です。硬度はイエローゴールドより5ポイント上がって125になります。
・レッドゴールド
金75%、銀10%、銅15%で配合されており、硬度は150まで上がります。純金やイエローゴールドと比べると、硬度がかなり上昇しているため普段使いのアクセサリーとしても使用しやすいのがメリットです。
・ピンクゴールド
金75%、銀5%、銅18%、パラジウム2%が配合され、硬度は150以上となります。可愛らしく女性らしい色味でありながら、硬度が高いため多くの装飾品で採用されている配合割合です。
金製品の種類とそれぞれの特長
投資目的や資産として金を所有しようにも、どんなものがあってどんな種類があるのでしょうか。金は大きく分けて2種類に分けることが出来ます。
- インゴット
- 装飾品(ネックレス、指輪)
それぞれメリット・デメリットがありますので、ご紹介していきます。
インゴット
メリット:実物として手元に保有できる点。基準を満たすことで税制が優遇される。
デメリット:盗難リスク、保管のためのコストがかかる。
現物投資目的で金を所有している方のほとんどはインゴットを所有していますが、インゴットを保管するための手間やコストがかかってしまうことも事実。自宅に金庫があればそこで保管すればよいのでコストはかかりませんが、盗難のリスクもついてきます。
そのため、一般的には貸金庫に預けてしまう方が多くいらっしゃいます。インゴットを販売・売却を行っている田中貴金属工業様では金地金・プラチナ地金の保管、現金化や引き出しを行える「田中貴金属 総合口座」を展開されています。もしもインゴットの購入を検討されている方は、このような保管サービスを利用してみるのも良いでしょう。
続いては税制について、インゴットは売却益の50万円までは特別控除され、もしも長期的(5年以上)に保有していると譲渡所得金額が半分となります。
ただし、短期所有と長期所有の金、どちらも所有している場合は、短期譲渡所得の譲渡益から特別控除の50万円が優先的に差し引かれます。特別控除の上限は、課税対象の所得から年間を通して50万円。短期と長期に譲渡益が発生した場合は、両方の利益を合算し短期の課税対象となる所得から先に50万円が差し引かれます。
※出典:田中貴金属「所得税」
装飾品(ネックレス、指輪)
メリット:身に着けることができるため、資産価値+αとして選ぶことが可能。
デメリット:インゴットに比べて金の純度は低く、買取金額は若干低め
ネックレスや指輪として身に着け、日々使用する食器にするなど日々の生活を豊かにしながら資産として持つことが可能となります。そのため、投資や資産としてではなく、アクセサリーのバリエーションを増やすための購入と割り切れる点と言えます。気軽に買い増しもでき、急な出金でお金が必要になったとしても軽い気持ちで売却も可能。
ですが、前述のようにインゴットと比べてしまうと装飾品は耐久性の面から他の金属と配合をしているため、金の純度は低くなりがちです。そのため、インゴットと比べてしまうと売却額は低くなりがちですが、取り回しの良さは装飾品のメリットといえるでしょう。
金製品を売却する前に知っておきたい情報と計算方法
ここまで金の価値、金製品の買取をしたいと考えたとき、自分である程度の金額を計算してみるのがおすすめです。必要な情報があれば買取金額の目安は簡単な計算方法で求めることが可能です。
ここでは必要となる情報と、具体的な計算方法を紹介します。
チェックしておきたい基本情報
金製品の買取金額を求める必要な情報については、以下の3つとなります。
- 地金価格
- 所有している金製品の品位
- 金製品の重量
- ※地金価格は、買取金額を決定するベースとなります。毎日少しずつ変動しますので、当日のデータは必ずインターネット上で調べてください。
所有している金製品の品位は、製品に刻印されているケースが多く、「K24」と表示されていれば純金製であることを示しています。「K18」と刻印されている場合は、75%の金に25%のほかの金属を混ぜて作られた合金であることを示しています。含まれている金の量によっては買取価格も異なってきますので、重要な情報のひとつとなります。
家庭用のはかりで構いませんので、金製品の重量も事前に計測しておくとベストです。できるだけ正確な数字を出すことで買取金額の計算結果と差が開くことがありません。
金の計算方法を実践
必要な情報を集めたら、実際に計算をしてみましょう。計算式は以下の通りです。
地金価格×金製品の重量×含まれている金の割合=金の推定価格
※地金価格は田中貴金属工業を参照(出典:田中貴金属「金価格推移」)
含まれている金の割合は品位によって異なってきます。「24K」の場合は1、「18K」の場合は0.75を、「14K」では「0.58」を掛けてください。この計算方法で理論上の金価格を求めることができます。
上記の方法で金の買取金額を計算してみると高い金額がはじき出されますが、すべてこの価格で買取が成立するわけではありません。この計算式で導き出されるのは、あくまで相場を元にした理論上の数字だからです。
私たちが金製品の売却をする際は、業者を通じて取引を行います。実際に買取店に金製品の買い取りを依頼すれば業者の手数料が発生するため、あくまでここではじき出した数字は理想の最大額と考えた方が良いでしょう。
なぜ自分で計算することをおすすめするのか
金の買取店が発表している「1グラムあたりの買取金額」をチェックしてみると、お店によってばらつきがあることが分かってきます。これは業者ごとで利益率が設定している金額に差があるためです。利益率には明確なルールがなく、大体の買取金額が分からなければそのまま買取業者に金額を委ねる形となってしまいます。
ここで重要となるのは、先ほどの計算式で求めた「金の推定価格」となります。もしも、買取査定を受けた金額が「金の推定価格」と大きくかけ離れてしまっていたら、売却は少し考え直した方が良いということになります。
また、査定の金額に疑問がある場合は、査定を行ってくれたスタッフに直接聞いてみると良いでしょう。
金製品の買い取りはどこに依頼するべきか?安心できる業者の選び方
貴金属買取は専門店へ行くというのが今までの流れですが、最近ではブランド品や古着を扱っているようなお店でも貴金属を買い取ることがようになっており、以前よりも選択肢が増えている状況です。
ここでは業者選びのポイントを紹介しますので、ぜひご参考になさってください。
金の買取に対して豊富な実績はあるのか
お店の看板や広告、ホームページなどで金の買取実績が掲載されているのか確認しましょう。買取案件の豊富さをアピールしている業者であれば、比較的信用できる業者と言えます。
買取実績の多さは、業者にとって前面に押し出していきたい要素で、あえて実績を掲載しない業者は要注意です。店頭の看板やサイト内をいくら探しても、買取実績が見当たらないような業者は避けるのが無難でしょう。
査定額の価格にちゃんとした説明はあるのか
金の買取となるため、高額な取引になると考えられるからこそ、きちんと買取金額が見積書として提示される店舗を選びましょう。理想としては、見積書の作成を迅速かつ無料で行ってくれる店舗が望ましいです。
また、出てきた書面や買取査定に対しての疑問・不明点について丁寧に説明や解説を行ってくれるかどうかも、重要なポイントとなります。正式な書面の提示もなく、こちらの疑問に対し言葉を濁すようなお店では売却を控えるべきでしょう。
買取業者ごとの手数料も確認しておくべき
金の買取業者の中には、買取利用に「手数料」を設定していることがあります。具体的には以下の4つがこれに当たります。
- 査定料
- 溶解料
- 見積もり手数料
- 買取手続き料
これらの費用は、業者の利益を確保するためや金を溶解する段階で総量が目減りしてしまう分を補うために多くのお店で取り入れられています。
ここで重要なのは、査定にはどれほど時間がかかりどの段階で手数料が発生するのかが分かりやすく説明されているかどうかです。最後まで説明がされず、現金を渡す段階で手数料を差し引くお店もありますので、事前に確認しておくことをおすすめします。
店舗によっては、「手数料ゼロ」を謳い文句にするお店も存在しています。こうしたお店は、買取金額を下げ手数料を確保しているパターンが多くあるため、必ずしもお得というわけではありません。
先述の計算方法で割り出した「金の推定価格」と、買取業者ごとの「手数料」をしっかりと把握した上で、買取業者に査定依頼することを推奨します。
ジュエリーがついている場合は、別目線で考えてみよう
金製品の中には、宝石が付いたジュエリーも少なくありません。こうした品物の買取をしてもらうときは、宝石の価格に目を向けてくれる業者を選んでみてください。
金の買取業者の中には、宝石の価値を差し置いて査定を進める場合があります。そもそも宝石は金ほど価格の相場が確立していないので、一般的に査定が難しいとされています。
とあるお店で価値はないと判断された宝石であっても、宝石査定の知識や再販ルートを持っている宝石買取専門店に持ち込んだ場合は、査定額が高くつくケースもあります。そのため、宝石とセットになったジュエリーを売却する場合は、宝石の査定も行っている業者を選ぶと良いでしょう
金製品は信頼できる業者に売るのがおすすめ!
ここまで金の希少性についてと計算方法、業者選びの方法をご紹介しました。金の価値はほとんど下がることがないものの、条件によっては相場が急落する可能性があります。しかし、金の信用は世界的に厚く、今後も「手堅い資産」であり続けると考えます。そのため、金をお持ちであれば大切に保管することをおすすめします。
とはいえ、「金を換金したい」「売りに出したい」という方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、金の相場を確かめた上で一番のタイミングで売却するようにしましょう。
少しでも高く売りたいとお考えであれば、今回ご紹介した「金製品を売却する前に知っておきたい情報と計算方法」や「金製品の買い取りはどこに依頼するべきか?安心できる業者の選び方」をぜひ参考にしていただければ幸いです。
なお、当社が運営する「ブラリバ」では、金に詳しい専門スタッフが在籍し、査定金額についてもしっかりと説明させていただきます。金の純度や重量のみならず、デザインや宝飾された宝石の価値を含めた金額を提示いたします。
金の買取をご検討であれば、「ブラリバ」をぜひご利用ください。