「世界に挑戦する国産最高級の腕時計をつくる」というコンセプトで始まったグランドセイコーは、機能性と美しさを兼ね備えた国産の高級時計ブランドです。
しかし、腕時計を好む人達の中では「グランドセイコーはやめとけ」と言われることもあるそうです。一体なぜやめとけと言われてしまうのでしょうか。
今回はグランドセイコーがやめとけと言われる理由の推察を解説していきます。
目次
グランドセイコーはやめとけと言われる理由
国産の高級時計ブランドであるグランドセイコーが「やめとけ」と言われる理由について、以下のポイントで推察しました。
- 資産価値が高くないため
- 高級感に欠けるため
- 高年齢向けの印象があるため
- 海外ブランドと比較されるため
それぞれ詳しく見ていきましょう。
資産価値が高くないため
グランドセイコーを含む高級時計は、投資目的として購入する方も一定数います。そういった方達は、資産価値として考えたときに「ロレックス」や「オメガ」など認知度が高く世界的に有名な高級時計ブランドを選ぶ傾向にあります。
実際にロレックスやオメガなどは発売当時の価格から2倍になっているアイテムもあるなど、まだまだ値上がりが想定されます。高級時計をコレクションする方も、やはり人気のある海外ブランドを中心に集めているような印象があります。
グランドセイコーも「雪白」と呼ばれるモデルやヴィンテージアイテムは価値が上がっているため資産価値として選ぶ方もいるでしょう。しかし、海外ブランドに高い価値を感じている層からすると「グランドセイコーはやめとけ」という評価になってしまうのです。
高級感に欠けるため
グランドセイコーの時計は洗練されたシンプルなデザインを基本としています。これは、グランドセイコーが考える「正確さ」「美しさ」「見やすさ」という腕時計の本質に基づいたものです。
しかし、シンプルであるが故に「高級感に欠ける」というイメージを持たれる方もいます。高級時計の中には、機能性はもちろん豪華なデザインを特徴としているアイテムもあります。
そのため、高級感溢れるアイテムが好きな方達は、グランドセイコーでは物足りないと感じるかもしれせん。わかりやすい高級感よりも、主張しすぎないデザインや機能性を大切にしたいという方はグランドセイコーがおすすめです。
高年齢向けの印象があるため
グランドセイコーの時計は高価格であることや、落ち着いた外観であることから「高年齢向けの時計」というイメージを感じるかもしれません。また、グランドセイコーは1960年からスタートしてきたこともあり、そもそも高年齢者からの認知度が高いブランドです。
そのため、若い人がグランドセイコーの時計を選ぶ場合「自分の年齢に合っていないからやめとけ」という意見を受けるかもしれません。しかし、好みは人それぞれです。高年齢者に人気だからといって選択肢から外す必要はありません。
海外ブランドと比較されるため
グランドセイコーなどの国内ブランドは、海外ブランドと比較されることがあります。資産価値のところでも触れていますが、高級時計は国内ブランドよりも海外ブランドの方が価値が高い傾向にあります。
グランドセイコーも認知度や需要が高いのですが、「海外ブランドの付加価値」が国内ブランドとの差を生みます。高級時計にはそれぞれの良さがあっても、海外ブランドのファンが多い時計業界の風潮から「国内ブランドが劣っている」という見方をされる方も一定数いるのです。
やめとけと言われるのは本当?グランドセイコーの魅力を解説
「グランドセイコーはやめとけ」と言われる理由について、いくつかのポイントで推察してきました。考えられる理由は「海外ブランドと比較すること」や「グランドセイコーに抱いているイメージ」によるものでした。
そのため、きちんとグランドセイコー自体の価値を判断するにはその魅力をよく理解する必要があります。ここからは、日本の精神性が盛り込まれたグランドセイコーの魅力を解説します。
日本特有のデザイン性
出典:Grand Seiko
グランドセイコーの時計は、日本の美意識が込められた高いデザイン性が特徴です。数あるアイテムの中でも、グランドセイコーのデザインに大きな影響を与えたのは1967年に発表された上記画像の「44GS」というモデルです。
このモデルは、5振動の手巻時計として当時の最高精度を誇るものであったとされています。この44GSをきっかけにグランドセイコー独自のデザイン理念「セイコースタイル」が確立しました。
セイコースタイルでは、主に以下3つのデザイン方針と各部位における9つのデザイン要素が定義されています。
- 平面を主体として、平面と二次曲面からなるデザイン。三次曲面は原則として採り入れない
- ケース・ダイヤル・針のすべてにわたって、極力平面部の面積を多くする
- 各面は原則として鏡面とし、その鏡面からは、極力歪みをなくす
このデザイン理念をもってしてグランドセイコーは「燦然と輝く腕時計」を目指してきました。セイコースタイルを順守して製造されたグランドセイコーの時計は、シャープな平面と直線の造形美が特徴的です。また、セイコースタイルに基づいたディティールは綺麗な「光」と「陰」の調和が現れるような仕上がりになります。
このデザイン方針は、「光と陰のグラデーションを感じとれる日本人特有の美意識」から考案されました。セイコーデザインにて生まれた陰影は、時間に応じて様々な表情を楽しませてくれます。
グランドセイコーのデザイン理念は、日本の美学や品格、そしてそれを実現するハイレベルな職人技によって現代モデルにも受け継がれています。
出典:History | グランドセイコー公式サイト
出典:The Grand Seiko Style. Eternal values and a uniquely Japanese sense of beauty | グランドセイコー公式サイト
機能性が高い
デザイン性に加えて、機能性の高さもグランドセイコーの特徴です。
例えば、1964年に誕生した「GSセルフデーター」には日付表示機能が搭載されており、品質だけではなく機能性を備えています。このモデルはグランドセイコーの第2世代にあたるため「グランドセイコーセカンド」とも呼ばれます。
また、1993年には様々な新機能を可能にする「9Fクオーツ」と呼ばれるキャリバーが誕生しました。手作業でしか組み上げられない9Fクオーツは、これまでのクオーツ時計では考えられない機能を実現させます。
例えば「ツインパルス制御モーター」は、1秒に2回針を動かすことで必要な力を最小限にし、トルクが比較的弱いクオーツ時計でも太く重い針の搭載を可能にしました。これにより、高い精度と読み取りやすさの両方を実現しました。
ほかにも、塵や埃が輪列部やローター部へ侵入するのを防ぐ「スーパーシールドキャビン構造」や、クオーツ時計への搭載はグランドセイコーが初となった「瞬間日送りカレンダー」なども挙げられます。
グランドセイコーは、時計の品質を保ちながら実用的な機能搭載にチャレンジしてきました。日本のものづくり精神が感じられるグランドセイコーの機能性は、多くの人に愛されています。
出典:高級ウオッチブランド<グランドセイコー>からヒストリカルコレクションを発売~「実用性の進化」を象徴するモデル「GSセルフデーター」をデザイン復刻~ | セイコーウオッチ
出典:Quartz | グランドセイコー公式サイト
海外セレブ・国内有名人からも人気
グランドセイコーの時計は著名人にも人気があります。海外セレブや、国内有名人などが愛用しており、グランドセイコーのデザイン性や精度が評価されています。
グランドセイコーの愛用者には、以下の海外セレブや国内有名人が挙げられます。
- ヴァージニア・トリオリ(ジャーナリスト / 作家)
- ジョー・ローガン(コメディアン / TV司会者)
- ラーズ・ヌートバー(プロ野球選手)
- 大谷翔平(プロ野球選手)
- 是枝裕和(映画監督 / 脚本家)
- 山里亮太(お笑いタレント)
- 天海祐希(女優)
- 小栗旬(俳優 / 実業家)
- 竹野内豊(俳優)
中でも、プロ野球選手として世界的に有名なロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手は、2016年よりセイコーウオッチ株式会社のイメージキャラクターとして起用されています。また、グランドセイコーの広告モデルに起用された経験もあります。
大谷翔平選手が広告塔として採用されたことで、さらにグランドセイコーの認知度や需要が高まっています。確かな品質と、日本独自のデザインが特徴のグランドセイコーは、今や世界でも愛されている高級時計ブランドです。
出典:セイコーウオッチ 新イメージキャラクターに 北海道日本ハムファイターズ 大谷翔平選手を起用 | セイコーウオッチ
日本文化を感じるグランドセイコーを選ぼう
高級時計ブランドの中では、海外ブランドと比較されることで「グランドセイコーはやめとけ」という評価を受けることもあります。
しかし、グランドセイコーは日本人の美学が盛り込まれた素晴らしい高級時計ブランドです。高級時計としての品質を守りながらも美しく使いやすい時計を展開しており、今や海外でも人気があります。
気になる方はぜひグランドセイコーの時計を選び、その価値を確かめてみてください。