高級時計の代名詞として知られる「Patek Philippe(パテックフィリップ)」。人気と知名度の高さゆえに偽物の流通が後をたちません。なかには精巧に作られた偽物も多く存在するため、見分けるのは容易ではありません。
本記事では、パテックフィリップの偽物を見分けるポイントや、偽物を購入するリスクについて詳しく解説します。高価な買い物で失敗しないために、ぜひご覧ください。
※本記事で使用している画像はすべて本物であり、偽物の画像は一切使用しておりません。
目次
パテックフィリップの偽物が多く出回っている理由
今回紹介するパテックフィリップのほか、オーデマピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンの3ブランドを「世界三大時計ブランド」と言い、いずれも長い歴史と高い格式を誇っています。なかでもパテックフィリップはほか2つのブランドと比べると頭ひとつ抜きん出ていることから時計界の頂点と称されています。
その圧倒的な知名度と人気の高さに比例するように、偽造品の市場も拡大しています。では、なぜパテックフィリップの偽物が後を絶たないのでしょうか?以下で解説していきます。
高い知名度と人気
パテックフィリップは、180年以上の歴史を誇るスイスの老舗時計メーカーです。その高度な技術力によって製造される時計は、王族や著名人をはじめ、世界中のエリートを魅了し続けています。
とくに限定版や希少なコンプリケーションモデルは、コレクターや愛好家の間で高い価値を持ちます。しかし、その希少性ゆえに正規品は高額であり、簡単に手に入れることができないのが現状です。
偽物は安価に購入できる
パテックフィリップの偽物が多く出回る理由に、安価な価格が挙げられます。パテックフィリップの腕時計は安い価格帯でも300万円と高額なことから、多くの人が手を出せる価格ではありません。
しかし、偽物は手頃な価格で手に入れることができるため、一定の需要が存在します。品質の低い偽物があるいっぽうで、本物と見分けがつかないほど精巧に作られたものもあります。
とくに精巧な偽物は、高級ブランドのステータスを求める人々にとっては、安価でそのステータスを手に入れられるということで購入してしまうという方が後を断ちません。そのことから市場に多くの偽物が出回ってしまうのです。
パテックフィリップの偽物を見分けるポイント
1章でお伝えした通り、パテックフィリップは人気故に巧妙な偽物も出回っています。ここではパテックフィリップの偽物を見分ける4つのポイントをご紹介します。
主要パーツの違い
パテックフィリップを含む高級時計は、非常に精密かつ美しい機械パーツが特徴です。この精巧さを再現するのは非常に困難であり、細部にわたる確認が真贋を見極める大きなポイントとなります。とくに以下のパーツに注目してみましょう。
テンプ
テンプは時計の心臓部ともいえる重要なパーツで、正確な時間を刻むための役割を果たします。パテックフィリップ等の高級時計のテンプは非常に精密に作られており、動きが滑らかであることが特徴です。偽物の場合、この部分が粗雑に作られていることが多く、動きが滑らかでないものが見られます。
マスロット
パテックフィリップの時計には欠かせないC型のおもり部分、マスロットも重要な確認ポイントです。このパーツは精度調整を行うためのもので、非常に精巧に作られています。
パテックフィリップのマスロットの作りは非常に美しく、偽物でこれを再現するのは難しいです。この部分が粗雑である場合は偽物の可能性が高いです。
ロゴや文字の仕上がりの違い
パテックフィリップの偽物を見分ける際、ロゴや文字の仕上がりは重要なチェックポイントです。本物の時計は、文字盤のガラス面が光を反射せず、クリアに文字を認識できるように設計されています。また、ロゴや文字の仕上がりも非常に丁寧で均一です。
いっぽう、偽物の場合はロゴや文字の部分に粗さが目立ち、不均一であることが多いです。高級ブランドの腕時計は、コストをかけて精密な刻印技術を使用しているため、偽物との違いは明らかです。
たとえスーパーコピーと呼ばれる精巧な偽物であっても、ロゴや文字のクオリティが本物に及ばない場合も多くあります。もし肉眼での判断が難しい場合は、ルーペを使用して確認するのがおすすめです。こうした微細な違いが、本物と偽物を見分ける手がかりになるため、忘れずに確認しておきましょう。
塗装にムラがないか確認
パテックフィリップなどの高級時計では、塗装の品質にとくに注意が払われています。本物の時計では、針やインデックスに均一に夜光塗料が塗られ、暗い場所でも時間が見やすくなっています。この塗装の仕上がりの違いが、偽物を見分ける重要な要素です。
偽物では、針や数字の部分に塗料のムラが見られることが多く、不均一に塗られたり、はみ出していることがあります。本物の高級腕時計は、手作業で精密に塗装されるため、ムラやズレが生じることはほぼありません。これらの微細な違いは、ルーペを使って確認することでより分かりやすくなります。
保証書の有無・製造番号のチェック
パテックフィリップのような高級時計を新品で購入する際には、必ず保証書が付属しています。保証書には製造番号が記載されており、この番号は時計の裏蓋等に刻印された製造番号と一致している必要があります。製造番号の一致は、正規品であることを証明する重要な要素です。
しかし、注意が必要なのは、保証書自体が偽造されている可能性がある点です。保証書があるからといって安心せず、内容に不審な点がないか、細部まで注意深くチェックすることが大切です。
記載内容の不一致には、たとえばリファレンス番号やムーブメント番号の間違いなどが挙げられます。少しでも不審な点があれば、購入を控えるようにしましょう。
パテックフィリップの偽物を購入するリスク
パテックフィリップの時計を「偽物でも安く手に入れたい」と考えたことはありませんか?しかし、偽物を購入することにはリスクが伴います。4章では、偽物のパテックフィリップの購入リスクについて2つ紹介します。
商品が届かない可能性がある
パテックフィリップの偽物を購入する際のリスクとして、まず考えられるのは商品が手元に届かないことです。偽物を個人的に使用する場合は法律に触れませんが、国外から輸入する際には問題が発生することがあります。
税関で偽物と判断されれば、オリジナル商品の商標権を侵害するために没収され、処分されてしまいます。とくに悪質なケースでは、懲役刑や罰金刑に処される可能性もあります。
通販サイトでの購入を考える場合、以下の点を確認することが大切です。
- 特定商取引法に基づく表記がしっかりされているか
- 事業者名、住所、電話番号、返品条件などが適切に記載されているか
また、事前に電話やメールで連絡が取れるかどうかも重要です。事業者が実在するか、住所が正確であるかを地図で確認し、違和感がないかをチェックします。事業者に関するトラブル情報がないかを調べ、慎重に判断することも大切です。不審な点があった場合は、購入を避けリスクを回避しましょう。
個人情報の流出
パテックフィリップの偽物を購入する際のもうひとつの大きなリスクは、個人情報が悪用される可能性です。偽物を購入すると、提供した住所や連絡先が悪徳業者に渡り、その情報がさらに他の不正業者にも流出するおそれがあります。これにより、自分の電話番号や住所が不正に使用される危険性が高まります。
たとえば、不正業者が購入者の連絡先を自分たちの顧客データベースに加えることがあります。その結果、知らない人から「商品が届かない」といったクレームの電話が頻繁にかかってくることがあります。このような状況に陥ると、自分の個人情報が悪用されていることに気づかず、トラブルに巻き込まれるリスクが高まります。
パテックフィリップの偽物を購入することは、品質の違いだけでなく、個人情報の流出や悪用という深刻なリスクも伴います。フリマアプリ等で簡単にブランド品を購入できる現代でも、自分の個人情報を守るためには、極端に安価な商品や信頼できない出品者からの購入には十分な注意が必要です。
パテックフィリップの偽物には注意しよう
不審な販売元や怪しい販売店で購入してしまうと、偽物をつかまされたりそもそも商品が届かないというリスクがあります。さらには個人情報の流出も懸念されます。
本物を手に入れるためには、信頼できる販売店からの購入がもっとも安全です。偽物の見分け方を学んで、トラブルを避けましょう。