ロレックスのデイトナを正規店以外で購入したり、知人から譲ってもらったりした場合、本物なのか分からないこともあるかもしれません。
本記事ではデイトナの偽物を見分けるためのポイントを、ロレックスの買取実績を多く持つ弊社が詳しく紹介していきます。所有しているデイトナが偽物かどうか不安な方は、ぜひこちらの記事を参考にしてください。
目次
デイトナの偽物が多い理由
まずデイトナの偽物を見分けるポイントを解説する前に、なぜこれほど偽物が多く流通しているのかについて解説します。デイトナの偽物が多い理由の中でも代表的な2つをピックアップしているので、偽物を見分けるポイントと併せて押さえておきましょう。
人気が高いから
デイトナはロレックスの入手難易度ランキングに常にランクインするほど、希少性が高いモデルです。流通量は、ひとつのモデルにつき年間2万〜3万本といわれており、各店舗への入荷数は多くても月数本程度です。そのため数年かけてもデイトナを購入できないという人も少なくありません。
悪徳業者はこうした状況を把握した上で「買いたいけれど買えない」という人をターゲットにして、デイトナの偽物を販売しています。
定価より安く販売されているから
デイトナはロレックスの数ある人気モデルの中でも群を抜いて資産価値が高く、定価以上の価格で買取されることも少なくありません。デイトナの中でも人気のある“116500LN”のリセールバリュー(再販価値)は非常に高く、定価の2倍近くの価格で取引されています。
悪徳業者の多くはこういった傾向を逆手に取り、定価以下の価格で偽物を販売しています。とくに相場価格より極端に安い場合は、偽物と考えられるため注意が必要です。
ロレックス デイトナの偽物を見分ける9つのポイント
2章では、デイトナの偽物を見分けるためのポイントをご紹介します。ただしすべての偽物に当てはまるわけではないので、予めご了承ください。
※本章で使用している画像はすべて本物であり、偽物の画像は一切使用しておりません。
ポイント1 バックル
まずは、バックルの見分け方に詳しく説明していきます。王冠マーク、文字の作りなどバックルの刻印に注目してみましょう。
バックルの王冠マーク
まず王冠マークの形や触り心地を確認しましょう。本物は立体感があり触り心地もなめらかなのですが、偽物は王冠マークがつぶれており触り心地もざらつきがあるのが特徴です。
バックルの刻印・ドットの有無
バックル部分の刻印の作りにも着目してみてください。本物の場合、丁寧に刻印されているため綺麗ですが、偽物は作りが雑でガタガタになっていることがあります。
加えて「ROLEXSA」の文字下にドットがあるかどうかもチェックポイントです。多くのモデルには全部で4つドットがあり、場所はOの下、EとXの間、SとAの後にそれぞれ付けられています。
ただし金無垢の古いモデルなどは、ドットがROLEXSAのSA部分の2つのみのため注意しましょう。
ポイント2 インデックス
インデックスとは、腕時計の文字盤にある時や分を示す目盛りや数字のことを指します。本物はインデックスの白い塗料が綺麗に塗られています。いっぽう偽物は、塗料がはみ出していたりズレていたりします。
また夜光塗料が使用されているモデルにも関わらず、暗闇で光らない場合は偽物の可能性が考えられます。ただ古いモデルであったり長期間使用していたりするケースでは、経年劣化の場合もあるのでインデックスだけで判断するのはおすすめしません。
ポイント3 秒針
秒針は偽物と見分けやすいポイントです。動きと作りに注目して確認しましょう。
秒針の動き
デイトナは精巧なムーブメントを使用しているため、本物の場合は音が静かで秒針が滑らかに進みます。しかし、動きがぎこちなく秒針が1秒ごとに止まるように進む場合は、偽物の可能性があるため注意しましょう。
秒針の作り
秒針の作りも偽物と見分けやすい部分です。本物の場合は以下のような特徴が見られます。
【本物の秒針の特徴】
- 秒針の先端が尖っている
- 秒針の表面や側面の仕上げが滑らか
偽物の場合、秒針の先に尖りがなく表面や側面の仕上がりも雑になっています。細かい部分ですが見逃さないようにしましょう。
ポイント4 王冠マークの透かし
デイトナのガラス面の6時の方向にある“王冠の透かし”を確認してみましょう。本物の場合、肉眼では正面から王冠の透かしを確認しにくく、ルーペ等で見ると簡単に見えます。
反対に偽物は、正面からでも肉眼で確認することができ、中には透かしがガタガタで雑に作られているものも存在します。
ただ王冠透かしは2000年以降のモデルに入れられたものなので、ヴィンテージ品やアンティーク品にはこの見分けポイントは適用できません。
ポイント5 インダイヤル
出典:ROLEX
インダイヤル(文字盤)の中にある3つの小さなインダイヤルは、偽物と見分けが付きやすいポイントです。
本物の場合インダイヤル全てが鈍い光り方をしていますが、偽物は光沢感がありくっきりと見えます。もしインダイヤルがギラギラと極端な輝きを放っている場合は、偽物の可能性が高いため注意が必要です。
ポイント6 タキメーター
ベゼル部分のタキメーターに注目してみましょう。本物のタキメーターの特徴は以下の通りです。
【本物のタキメーターの特徴】
- シャープなフォント
- 彫り込み深くなめらか
本物は曲線がシャープで全体的にメリハリのある文字に仕上がっていますが、偽物はフォントが太くなっていたり彫り込みが浅くでこぼこしていることがあります。
また数字が縦長になっていたり、やけに間隔が開いていたりと雑な仕上がりになっているものも偽物の可能性が高いです。
ベゼルが安っぽいものは偽物の可能性アリ
ベゼルに光沢がなく安っぽく見えたり、傷が付きやすい場合は偽物の可能性があります。
なぜかというと、2016年以降に発売されたデイトナにはセラミックベゼルが採用されてるためです。セラミックベゼルは、ステンレスベゼルの10倍の強度を持つといわれており傷が付きにくいのが特徴です。また特有の艶による高級感もあります。
ベゼルの見た目や質感もよくチェックしておきましょう。
ポイント7 書体・フォント
出典:ROLEX
文字をチェックする際はルーペなどを使用するのがおすすめです。
本物は細部まで丁寧に仕上げられていので、文字の太さやフォントが均一になっておりインクの滲みなどもありません。しかし偽物の場合、フォントがバラバラであったり文字がぼやけていたりします。
文字部分は細かく肉眼で判断しづらいですが、他のポイントと併せて確認しておきましょう。
ポイント8 リューズ
リューズを確認する際はギザギザ部分を確認しましょう。本物は尖った形状ではあるものの巻いた際に手が傷つかないよう面取りされており、滑らかな仕上がりになっています。しかし偽物は、ギザギザ部分が尖ったままになっていたり丸みを帯びすぎていたりすることが多いです。
また、リューズの中央の王冠マークも違いがあり本物ははっきりと見えますが、偽物はぼやけている場合があります。さらに偽物は、王冠の突起部分の太さがバラバラであったり、下の楕円が歪んでいることがあるのでこちらも合わせて確認してみてください。
ポイント9 裏蓋
デイトナの裏蓋部分は山のようにギザギザとしたデザインになっています。
本物はひとつひとつ均一に作られていますが、偽物は作りが雑で所々大きさが異なっているのが特徴です。実際に触って違いを確かめてみましょう。
ただアンティーク品やヴィンテージ品の場合、長期間の使用による経年劣化で形が異なることがあるため、現行モデルに有効な手段といえます。
またロレックスの裏蓋には基本的に刻印がありません。もし、裏蓋にあるはずのない刻印が見られる場合は偽物の可能性が高いです。下記の記事では、ロレックスの裏蓋についてご紹介していますので気になる方はご覧ください。
セルフチェックでは真贋が見極められないことも
3章では、偽物のランクとセルフチェックで判断が難しい場合の対応方法について解説します。
近年、本物そっくりな“スーパーコピー”と呼ばれるものが増加しており、プロにしか見分けられないものもあります。偽物に騙されないために事前に確認しておきましょう。
偽物にもランクがある
デイトナにだけに限らず偽物にはランク付けがされています。それぞれの特徴は以下の通りです。
【偽物のランクごとの特徴】
- Nランク:巧妙なコピー品で偽物の中でも高額
- SSランク:Nランクには劣るもののかなり本物に近い
- Sランク:素人には見分けが難しいが細かな部分に粗がある
- Aランク:素人でも偽物と判断できるほど質が悪い
Nランクの偽物はかなり本物に近く、素人目では判断することが難しいといわれています。
ロレックスのオーバーホールを依頼するのもひとつの手段
セルフチェックで判断に迷う場合は、日本ロレックスにオーバーホールを依頼するのもひとつの方法です。ロレックスの正規店で修理やメンテナンスを受けているのは、本物のロレックスだけです。そのため、見積もりを依頼しオーバーホールを受け付けてもらえない場合は偽物の可能性が高いです。
ただし30年以上経過した古いモデルの場合、部品を製造しなくなるためオーバーホールを断られるケースがあります。またこの方法は真贋鑑定を目的としているものではないため、確実とはいえません。あくまでもひとつの方法として参考にしてください。
オーバーホールについて詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
偽物だった場合の対処方法
偽物を買わないように気を付けていても、誤って購入してしまうこともあるかもしれません。もし購入したデイトナが偽物だった場合は、下記の方法で対処しましょう。
- 販売店に連絡を取り返品申請をする
- 被害届を警察署に提出する
- 弁護士や消費者センターに連絡する
まず、販売店に返品交渉をしましょう。もし販売店が応じない場合は、警察署に被害届を提出するか弁護士や消費者センターに相談するようにしてください。「弁護士や消費者センターは高額な費用を請求されるのでは?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、消費者センターや法テラスは無料相談を行っているので安心です。
上記のようなトラブルに巻き込まれないように、デイトナの関する知識をつけて正しく判断出来るようにしておきましょう。
巧妙な偽物に騙されないよう事前に確認しておこう
今回は、デイトナの偽物が多い理由や偽物を見分けるポイントについてご紹介しました。デイトナの価値が上昇することで、偽物がさらに増加していく可能性も充分考えられます。偽物に引っかからないために、デイトナに関する基礎的な知識や見分けるポイントを身に付けておくとよいでしょう。
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