美しく輝くグリーンが特徴的なエメラルドは、爽やかな初夏の季節にぴったりの色合いの宝石だと言えるでしょう。現代においても非常に人気が高い宝石のひとつですが、その歴史は非常に古く、古代より「幸運をもたらす石」として愛され続けてきたことをご存知でしょうか。
本記事では、そんなエメラルドの石言葉やスピリチュアルな効果にはどのようなものがあるか詳しくご紹介します。
目次
エメラルドの基本情報をおさらい
エメラルドとは、「ベリル」というさまざまな元素により構成された珪酸塩鉱物グループの一種です。ベリルにはエメラルドの他にも、アクアマリンやモルガナイトなどの石が含まれています。
品質の高いエメラルドの産出量は極めて少なく、その希少価値の高さから非常に高い価格で取引されています。そのためエメラルドはダイヤモンドやルビー、サファイアと並ぶ、世界四大宝石のひとつとして高い人気を博しています。
エメラルドの語源・由来
エメラルドの名は、古代ギリシャ語の「smaragdos(スマラグドス)」に由来するとされています。そこからラテン語で「スマラグダス」、古フランス語で「エスメラルド」などと次第に世界各地で発音やつづりが変化し、最終的に現在の「emerald(エメラルド)」になりました。
エメラルドの歴史
エメラルドの最も古い採掘記録はエジプトにあり、なんと紀元前まで遡るとされています。古代エジプトの王朝「プトレマイオス朝(紀元前305年〜紀元前30年)」にはクレオパトラがエメラルドを熱心にコレクションしていたとされており、装飾品として愛用していたようです。
歴史の長いエメラルドですが、本格的に市場に出回るようになったのは16世紀ごろにスペインが南アメリカにあった「インカ帝国」を支配し、欧州にエメラルドを流通させるようになってからだとされています。
エメラルドの原産地
エメラルドは、世界のさまざまな国や地域で産出されています。なかでもコロンビアは世界最大の産出国として知られており、その品質の高さでも人気を集めています。
そのほかにも、ザンビアやブラジル、パキスタン、ジンバブエ、マダガスカルなどでもエメラルドは採掘されています。地域によって、色合いや内包物、形状に違いがあり、同じエメラルドでも異なる雰囲気が楽しめるのも特徴的です。
エメラルドの特徴
エメラルド最大の特徴は、なんといっても美しく輝く神秘的なグリーンでしょう。先述の通り、青色のアクアマリンやピンク色のモルガナイトなどと同じ「ベリル」の一種であり、鉱石中に含まれる微量の不純物によって現れる色が決定されます。その鮮やかで神秘的な緑色は、いつしか日常生活においても「エメラルドグリーン」と色の名前として用いられるようになりました。
モース硬度は7.5〜8で、宝石界の中でも硬い部類に入ります。しかし内部にはインクルージョン(内包物)が多く見られるのが特徴で、衝撃に弱い特性も持ち合わせています。
内包物が少なく透明度の高い石ほど価値があがるとされていますが、内包物が少ない天然のエメラルドはなかなか産出されず、エメラルドにおいては内包物もひとつの個性として尊重される風潮も見られます。
エメラルドの石言葉と込められた意味
エメラルドは、パワーストーンとしても人気の石です。透明感のある深い緑色は、見ているだけで心が落ち着くという方も多いのではないでしょうか。お守りとして身につけるなら、ぜひ注目したいのが石言葉です。エメラルドにこめられた石言葉や意味を、ぜひチェックしてみてください。
エメラルドの石言葉「幸」
エメラルドは、古代より「幸運をもたらす石」として注目されています。なかでも結婚生活に関する意味合いが強いとされており、幸せな結婚生活が長く続いていくよう、願いを込めて身につける方もいます。
エメラルドの石言葉「愛」
エメラルドは、別名「愛の石」とも呼ばれています。身につけることでパワーが増すだけではなく、愛情を深め、叶えたい恋を成就させる力を秘めているといわれています。
エメラルドの石言葉「癒し」
エメラルドには「癒し」「精神の安定」という石言葉もあります。深く澄んだ緑の色合いが、心を落ち着かせたり癒しを与えてくれる効果があるとされているためです。古代からヒーリング効果の高い宝石として知られており、薬として用いられていた時代もあったそう。
エメラルドの石言葉「知性と未来」
古代より宗教とも深く結びついていたエメラルドは、先々を見通す力を秘めた石としても信じられてきました。その美しい緑色のなかには叡智が宿り、未来の情報をもたらしてくれる石として重宝されていたのです。
そのため、エメラルドには「先見の明」「希望」「新たな始まり」といった、未来を予感させる言葉も多く使われています。
エメラルドのスピリチュアルな効果
神秘的なパワーを感じられるエメラルドは、スピリチュアルな効果を期待して身につける方も多くいます。具体的に、どのような力を身近に感じやすいのでしょうか。本章ではそんなエメラルドに秘められた、スピリチュアルな魅力について解説します。
魔除けの効果がある
エメラルドには、自分にとってよくないものを近づけない効果があるとされています。「魔女はエメラルドのある場所に近づけない」という伝承があるほど、古くから魔除けのために身につける方も多かったそうです。
現代においては、パートナーの浮気防止を願って身につける方も増えており、安心感を高めるためのお守りとして重宝している方も多いようです。
繁殖と生命のシンボル
古代エジプト時代の人々は、エメラルドを「繁殖と生命のシンボル」として扱っていたといわれています。クレオパトラは数多くの宝石をしていましたが、その中でも特にエメラルドを愛用していたといわれています。彼女にとっては、永遠に続く若々しさの象徴なのかもしれません。
常に若々しくありたいと願う方にとっても、ぜひ積極的に身につけたいパワーストーンのひとつです。
恋愛成就のお守り
エメラルドは、長く献身的に紡がれていく愛を育む効果もあるとされており、穏やかで愛情深い結婚生活を望む方にもおすすめの宝石です。
また結婚55周年の記念日は「エメラルド婚式」と呼ばれています。その深く豊かな緑の色合いに、夫婦としての穏やかな時間を願う気持ちを込めて、エメラルドをあしらったジュエリーを贈る方も多いようです。
知恵や自信を与える宝石
石言葉に「知性」や「未来」という意味を持つエメラルドは、自分に自信を身につけたいときや、先々を見通す力を強めたいときにも力を与えてくれると信じられています。
エメラルドにはリラックスさせる効果もあるとされているので、気持ちを強く持って挑みたい時のお守りとしても人気が高い宝石です。
石言葉とともに、美しいエメラルドを身につけよう
エメラルドにはさまざまな意味や願いが込められていて、石言葉として浸透しています。古くから人に愛され続けてきた宝石だからこそ、パワーストーンとしての効果を信じ、身につける方も多いのでしょう。スピリチュアルな効果は科学的に証明されるものではありませんが、人の心には非常に大きな安らぎを与えます。
「好きな人との関係を成就させたい」「末永く幸せな結婚生活を送りたい」「仕事でチャンスをつかみたい」といった強い願いを抱いたときは、ぜひエメラルドが持つパワーにも注目してみてください。
また宝石としても人気が高いエメラルドは、華やかなものから日常使いできるものまで、ジュエリーとしてのバリエーションが非常に豊富です。自分自身の気持ちを高めてくれるようなお気に入りのアイテムを探し、身につけてみてはいかがでしょうか。