10月の誕生石は、豊富なカラーバリエーションのある「トルマリン」と、個性的でドラマチックな遊色効果を持つ「オパール」の2つです。誕生石というとひと月に1つというイメージを持たれている方もいるでしょうが、10月のように複数の誕生石が定められている月も存在します。
本記事では10月の誕生石であるトルマリンとオパールの石言葉やその歴史、種類などを詳しく解説します。お手入れ方法や買取についてもご紹介するので、トルマリンやオパールをお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
10月の誕生石はなぜ2つあるのか?
誕生石は国によって定められている宝石が異なりますが、日本では10月は一般的に「トルマリン」と「オパール」の2つが誕生石とされています。「誕生石はひと月にひとつじゃないの?」と思う方もいると思いますが、実はほとんどの月に複数の誕生石が存在するのをご存知でしょうか。
例えば6月の有名な誕生石に「真珠」が挙げられますが、他にも「ムーンストーン」や「アレキサンドライト」も6月の誕生石として定められています。
では、なぜ誕生石がひと月に複数存在するのでしょうか。その理由は国や文化、時代による変化が関係しています。宝石自体の意味や色のパワーに対する捉え方は地域や文化によって異なり、その捉え方に応じて定められる誕生石も異なる場合があります。
また新種の宝石が発見された場合、その宝石が持つ色やパワーに応じて新たに誕生石として追加されるケースもあるようです。
日本の誕生石が2021年に改訂
2021年12月20日、全国宝石卸商協同組合によって63年ぶりに日本の誕生石が改訂されました。日本の誕生石は1958年にアメリカの宝石商組合が定めた誕生石を基本に制定されたものなので、制定から63年目にして初の改訂となります。
全国宝石卸商協同組合は、日本ジュエリー協会や山梨県水晶宝飾協同組合と連携して新たに10種の誕生石を追加し、計29石となりました。
本改訂において10月の誕生石は増えませんでしたが、今後増えることに期待です。
10月の誕生石「トルマリン」とは?
トルマリンとは、豊富なカラーバリエーションが魅力の宝石です。特に美しい蛍光色を放つ青や緑の「パライバトルマリン」は、その鮮やかさと希少性から、誕生石のみならず多くの人気を集める宝石のひとつです。
トルマリンの特徴
トルマリンの最大の特徴は、なんといってもカラーバリエーションの豊富さでしょう。実は「トルマリン」はひとつの宝石の名称ではなく、鉱物のグループ名称ということをご存知でしょうか。トルマリンは、含まれている成分や化学組成などの違いにより30種類以上に分類されます。
ブルーやグリーンなどの単色だけでなく、複数の色彩が混在している「パーティーカラートルマリン」という種類もあり、巷では「トルマリンにはすべての色が存在している」という声も挙がっているほどです。
加えてトルマリンは地球上にある鉱物で唯一電気を帯びる宝石としても知られており、日本国内では「電気石」とも呼ばれています。
トルマリンの石言葉
トルマリンの石言葉は「希望」「友情」「寛大」「忍耐」など、ポジティブな意味が込められています。また豊富な色彩を持つトルマリンは、色ごとに異なる石言葉や効果を持っているのが特徴です。
例えばピンクトルマリンは「恋愛運が向上する効果」、グリーントルマリンは「満足感やリラックスを感じられる効果」など、全体的に色から連想されやすい石言葉や効果を持っています。そのほかの主なトルマリンの効果は、以下の通りです。
- インディコライトトルマリン:物事を冷静に考えられる効果
- パーティーカラートルマリン:明るく輝かしい未来へ導く効果
- パライバトルマリン:周囲との人間関係を良好にする効果
トルマリンの語源と歴史
トルマリンは、1500年代にブラジルで発見されたエメラルド色に輝く水晶から始まりました。その際にその水晶を発見したスペインの征服者がトルマリンをエメラルドと勘違いしてしまい、後に科学者が「トルマリン」として認識するまで約300年もの間、正確な認識がされませんでした。
トルマリンの名前の由来は、シンハラ語で「混合した色の石」という意味を持つ「toramalli」からきています。その名の通りトルマリンの色彩の幅は他の宝石より圧倒的に豊富で、これまでの歴史の中で幾度も他の宝石と間違われてきました。
トルマリンの産地
現在のトルマリンの産地はブラジルを筆頭に、アフガニスタン、マダガスカル、アメリカ、ケニア、タンザニアなど幅広い国や地域で発掘されています。
中でもブラジルのパライバ州は、宝石界で最も希少価値が高いとされている「パライバトルマリン」の産出地として知られています。
トルマリンの種類
トルマリンの色彩の幅広さは宝石界でも随一です。色彩や化学組成によって、トルマリンの中でもさらに30種類以上に分類されます。その中でも特に人気を集めるトルマリンが、以下の10種類です。
レッド・ピンク系
ルベライト
ピンクトルマリンブルー系
インディコライト
パライバトルマリングリーン系
ベルデライト(グリーントルマリン)モノクロ系
アクロアイト(ホワイトトルマリン)
ショール(ブラックトルマリン)パーティーカラートルマリン
バイカラートルマリン
トルマリンキャッツアイ(キャッツアイ効果)
数多くの色彩や種類を持つトルマリンですが、その中でも宝石界でトップクラスの人気を誇るのが「パライバトルマリン」です。銅成分が多く含まれることで生み出される美しいネオンブルーが魅力の宝石で、これはトルマリンにしかみられない色彩であることから非常に貴重とされています。
以下の記事でパライバトルマリンについてより詳しく解説していますので、興味がある方はぜひこちらの記事も合わせてご覧ください。
10月の誕生石「オパール」とは?
オパールは個性的な遊色効果を持つことで有名な宝石で、古代ローマ時代には「神の石」とも呼ばれていました。オパールは10月の誕生石として以外にも、結婚記念日14周年を祝う宝石でもあることから、さまざまな祝い事において需要が高いのも魅力のひとつです。
オパールの特徴
オパールの特徴というと「個性的な遊色効果」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。遊色効果とは、虹色に輝く宝石の色合いが見る角度によって変化する現象のことで、数ある宝石の中でもオパールにしか見られません。
すべてのオパールがこうした光学現象を持っていると思われている方も多いと思いますが、実はこうした遊色効果などを持たないオパールも存在することをご存じでしょうか。遊色効果を持つオパールを「プレシャスオパール」、遊色効果を持たないオパールを「コモンオパール」といいます。
コモンオパールは遊色効果を持つプレシャスオパールよりも流通量は少ないですが、ピンクやブルー、グリーンと色彩の幅は広く天然石のアクセサリーなどとして多くの人気を集めています。
オパールの石言葉
オパールは石言葉に「純真無垢」「希望」「歓喜」「幸福」などの意味が込められている、ポジティブで希望に満ち溢れたエネルギーを持つ宝石です。
またオパールは宝石界では唯一5〜10%ほどの水分を含んでおり、みずみずしい輝きを放つことから「アンチエイジングの石」とも呼ばれています。
オパールの語源と歴史
オパールの起源は古代ローマ時代にまで遡るとされています。当時はインドやダキア(現在のルーマニア)周辺の地域でオパールが採掘されており、ローマ人がそれを輸入していたと考えられています。オパールはその神秘的な見た目から「神の石」と呼ばれており、「愛と希望の象徴」として崇められていたようです。
名前の語源は、「貴重な石」を意味するサンスクリット語の「upala」に由来するとされています。「upala」はオパールの起源であるインドで呼ばれていましたが、古代ローマにおいて「upala」から「opalus」へ変化し、現在の「オパール」に至ります。
オパールの産地
現在の産地はオーストラリアの原野を筆頭に、エチオピア、メキシコ、ブラジル、中央ヨーロッパ、マダガスカル、アメリカなど、世界中の様々な地域で採掘されています。
中でも遊色効果の輝きが最も際立つとされている「ブラックオパール」は、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州に位置する「ライトニング・リッジ」で産出されています。
オパールの種類
オパールというと希少価値の高い「ブラックオパール」や乳白色の宝石をイメージされる方が多いのではないでしょうか。実際には遊色効果のある「プレシャスオパール」と遊色効果を持たない「コモンオパール」でそれぞれ複数の種類があります。オパールには以下のような種類が挙げられます。
プレシャスオパール
ブラックオパール
ホワイトオパール
ボルダーオパール
ファイヤーオパール
クリスタルオパールコモンオパール
カンテラオパール(メキシカンオパール)
グリーンオパール(ドラゴン・アイ)
ジェリーオパール
ピンクオパール
ミルキーオパール(遊色効果も有り)
ウォーターオパール(遊色効果も有り)
主な種類で言うと上記のようになりますが、オパールは光の角度や加減によって見え方が異なる宝石なので、同じ種類でも様々な表情を見せるのは大きな魅力でしょう。
以下の記事でオパールの種類について詳しく解説しているので、興味のある方はこちらの記事も併せてご覧ください。
トルマリンとオパールのお手入れ方法
10月の誕生石として人気のトルマリンとオパールですが、その取り扱いには注意が必要です。
トルマリンは電気を帯びる宝石であることから、帯電しやすくホコリがつきやすいです。またオパールは宝石で唯一10%ほどの水分を含んでいるので、硬度が高くないという特徴があります。
これらの特徴を把握した上で、以下でご紹介するお手入れをこまめに行うことで、少しでも長く輝き続ける宝石にしておきましょう。
トルマリンのお手入れ
トルマリンの硬度は硬い分類に入るので、日常使いしやすい宝石のひとつです。トルマリンを洗浄する場合は、基本的に中性洗剤を溶かしたぬるま湯と、毛先の柔らかいブラシを使用して洗うのがおすすめです。
この時に注意していただきたいのが、熱湯を使用しないことです。トルマリンは熱に弱いため、熱湯をかけると割れてしまう可能性があります。
また最近自宅で簡単に宝石を洗浄できるアイテムとして普及している「超音波洗浄」もおすすめできません。トルマリンは内部から亀裂が生じやすいとされており、超音波洗浄によって破損してしまうからです。
洗浄する場合は以上の点に注意しましょう。また普段のお手入れは柔らかい布でやさしく拭くだけで十分とされています。
オパールのお手入れ
先述の通り、オパールの硬度はあまり高くないので傷つきやすいのが特徴です。加えて、太陽光や湿気、乾燥にも弱いので常日頃の保管方法には最新の注意を払う必要があります。
オパールの洗浄については、基本的にトルマリンと同様にぬるま湯で薄めた中性洗剤を使い、柔らかいブラシでやさしく磨くのがおすすめです。熱湯や超音波洗浄を使用しない点も、トルマリンと同様に注意しましょう。
また洗浄した後は必ず柔らかい布で乾拭きし、「自然乾燥」を忘れずに行いましょう。ドライヤーなどを使用しての急速な乾燥は、ひび割れを起こしてしまう可能性があるためおすすめできません。
トルマリンとオパールは高価買取が期待できる!
「宝石だとダイヤモンドくらいしか高価買取できないのでは」と考える方も多いのではないでしょうか。しかし海外では色石の価値が高く評価されており、近年では日本でも誕生石などの色石への評価が見直されています。
トルマリンやオパールもその例外ではありません。トルマリンは宝石界でもトップクラスのカラーバリエーション、オパールは個性的な遊色効果などそれぞれが唯一無二の特性を持っているので、買取相場においても需要が高まっています。
そのため現在トルマリンやオパール、またはそれらが装飾されているアクセサリーなどを所有しているが、なかなか使用しないという方は、宝石・ジュエリーの買取業者に査定してもらうのがおすすめです。
買取業者を選ぶ際には、宝石に関する豊富な買取実績があり査定士の質が担保されている業者を選ぶようにしましょう。買取実績に関しては、その業者のホームページを見ればどれくらい力を入れているか、買取実績が豊富かが一目で把握できます。
10月の誕生石「トルマリン&オパール」の買取ならブラリバへおまかせ!
トルマリンやオパールの買取を検討されている方におすすめなのが、ハイブランド買取業者の「ブラリバ」です。
ブラリバはトルマリンやオパールはもちろん、エメラルドやサファイアなど色石の買取に幅広く力を入れています。常に宝石の市場調査を徹底しており最新の価格相場を把握しているため、相場に基づいた高価買取が可能です。
さらにブラリバでは複数の宝石が装飾されているアクセサリーにおいても、一粒ずつ査定させていただいております。
ブラリバはお客様のライフスタイルに合わせて「店頭買取」「宅配買取」「出張買取」と3つの買取サービスを用意させていただいておりますので、ご自身に合った買取方法をご利用ください。
トルマリンとオパールは10月の誕生石として人気が高い
豊富なカラーリングを持つ「トルマリン」、個性的な遊色効果を持つ「オパール」のようにそれぞれが宝石界の中でも唯一無二の特性を持っており、10月の誕生石に限らず、多くの人気を集めています。
お手入れに関しては、基本的に2つともぬるま湯で薄めた中性洗剤を柔らかいブラシでやさしく磨くことが推奨されています。超音波洗浄や熱湯、ドライヤーの使用など刺激の強いお手入れは宝石にダメージを与えることになるので、注意が必要です。
トルマリンやオパールは他の宝石にはない特性を持っているので、希少価値の高い宝石として買取相場でも高い評価を受けています。もし現在所有しており、使用する機会がないトルマリンやオパールがあれば、この機会にいくらで売れるか査定してもらうのはいかがでしょうか。
ブラリバでは、誕生石を含めた宝石・アクセサリーの買取に精通したバイヤーが多数在籍しているので、気軽にご相談ください。