
8月の誕生石として有名な「ペリドット」。
若葉のような緑色が印象的な宝石ですが、いったいどんな特徴があるのでしょうか?
この記事では、ペリドットの特徴を、歴史や石言葉、価値基準、偽物の見分け方とともに解説していきます!
目次
1 8月の誕生石ペリドットってどんな宝石?
8月の誕生石であるペリドットとは、どんな宝石なのでしょうか?
まずはペリドットの特徴を見ていきましょう。
1-1 ペリドットの特徴
カンラン石(橄欖石)という鉱物の中で、透き通った緑色をしているものを「ペリドット」と呼びます。
この鉱物自体は珍しいものではありませんが、ペリドットとして扱われるような美しい石は希少性が高く、滅多に採掘されません。
また、ペリドットは基本的に鉱山から採取されますが、隕石の中から発見されるケースもまれにあり、「パラサイト・ペリドット」や「パラサイティング・ペリドット」と呼ばれています。
これらはパラサイト隕石という種類の隕石から掘り出され、非常にレアな宝石として扱われています。
見かける機会は少ないですが、一部の宝石店ではレアストーンとして販売されています。
1-2 名前の語源は?
ペリドットは古い歴史を持つ宝石なので、名前の由来がはっきりとはしていませんが、以下のいずれかが元になっているのではないかと言われています。
- アラビア語で“宝石”を意味する「ファリダット」
- 中世のイギリス英語で“明るい点”を意味する「ペリドート」
- ギリシャ語で“豊富”を意味する「ペリドナ」
18世紀頃には、現在と同じ「ペリドット」という名称が定着したと言われています。
1-3 人類史におけるペリドットの歴史
出典:GIA
ペリドットは人類と長い関わりがある宝石です。
紀元前1500年頃に採掘された記録が残っており、古代エジプト・ローマでは「太陽の宝石」や「夜会のエメラルド」という名前で呼ばれていました。
また、研究技術がなく、宝石の種類を細かく見分けることができなかった当時は、ペリドットとエメラルド、トパーズを混同し、同じ宝石として扱っていました。
クレオパトラが集めていたエメラルドの一部も、実はペリドットだったのではないかと言われています。
※引用元:GIA「8月の誕生石」
12世紀頃、十字軍がセントジョンズ島からペリドットを持ち帰ってからは、ヨーロッパの教会で装飾としてよく用いられるようになりました。現在もドイツのケルン大聖堂で200カラット以上ある巨大なペリドットを見ることができます。
【ドイツのケルン大聖堂より】
出典:Wikipedia
1-4 ペリドットの石言葉
ペリドットの石言葉は、夫婦愛・運命の絆・平和・安心・和合です。
古来よりペリドットを持っていると浮気心をしずめられると言われており、夫婦円満に役立つ石と考えられてきました。
日本では結婚2周年を祝う石、海外では結婚10周年や15周年を祝う石とされていて、結婚記念日にペリドットのジュエリーを贈る方が多くいます。
出典:TSUTSUMI
1-5 パワーストーンとしての効果
パワーストーンとしては、持ち主を嫉妬やひがみから守ってくれると言われており、お守りがわりに持つのがおすすめです。
また、「太陽の宝石」という呼び名のとおり、持ち主の心を照らし、ポジティブなエネルギーや希望、金運などを引き寄せる効果もあると言われています。
マイナス思考になりやすい人や暗闇への恐怖心が強い人は、ペリドットの石を持っていると気持ちが落ち着くかもしれません。
ここまで、ペリドットの特徴や歴史、石言葉について解説してきました。
続いて、ペリドットの価値基準を紹介していきます。
2 ペリドットの価値は何で決まる?ペリドットの価値基準
ペリドットの価値はどうやって決まるのでしょうか?
ここでは、ペリドットの価値を左右する重要なポイントについて解説します。
2-1 カラーの美しさ
出典:GIA
ペリドットは色が1種類しかなく、若葉のような緑色をしています。
しかし、天然石なので個体差があり、色の幅としては黄緑色から濃い緑色のものまであります。
価値が高いとされるのは、透明度が高く、黄色味・茶色味がない鮮やかなオリーブグリーンの石。
茶色がかっていたり彩度が低いものは価値が低くなります。
【最高級のペリドット】
出典:GIA
2-2 ヒビ割れの少なさ
出典:GIA
ペリドットのもととなる鉱物「カンラン石」は、火山の噴火によって生まれる火成岩です。
噴火後、地上で冷える段階でヒビが入りやすいため、ペリドットは比較的ヒビ割れの多い宝石です。
そのため、ヒビ割れの少ないものは希少性が高く、高額で取引されています。
ヒビ割れがほとんどなく大粒のものは「ノンクラック・ペリドット」と呼ばれています。
2-3 インクルージョンが目立つかどうか
前述したヒビ割れを含め、天然石は微細なインクルージョン(内包物)を含んでいるものが多いです。
ペリドットのインクルージョンとして多いのは、リリーパッドやダークスポットと呼ばれる結晶です。
リリーパッドは円盤型の断裂、ダークスポットは傷が黒ずんで穴のような見た目になっているものを指します。
肉眼でわからないほど小さい場合は価値があまりさがりませんが、目で見てわかるほど大きい場合は価値がかなりさがってしまいます。
2-4 宝石の産地
ペリドットの価値は産地によっても変わってきます。
産地として有名なのは以下の4か所です。
・アメリカ・アリゾナ州
・ミャンマー
・パキスタン
・ノルウェー
アリゾナ州で産出されるペリドットは黒みがかっているものが多く、価値があまり高くないので、手頃な価格で取引されるケースが多いです。
ミャンマー産やパキスタン産のペリドットは美しい色味をしており、最高級のペリドットとして世界中で人気です。
ノルウェー産に関しては、ほかと比べるとやや濃いグリーンのものが多く、色味の美しさから高い評価を受けています。また、産出量が少ないため希少性が高く、高値で取引されています。
ここまでペリドットの価値基準について解説してきました。
続いて、次の章では、ペリドットの本物・偽物の見分け方について解説します。
3 自分が持っているペリドットは本物?偽物?ペリドットの見分け方
ペリドットのジュエリーをお持ちの方の中には、宝石が本物か偽物か気になる方もいらっしゃるでしょう。
この章では、ペリドットの本物・偽物の見分け方をご紹介します。
3-1 不自然に価格が安いもの
天然石の採掘量は年々減少傾向にあるため、本物の宝石は少額では手に入りません。
市場に出回っているものでペリドットと書かれているのに不自然に価格が安いものは、基本的に偽物と考えてよいです。
ただし、カラーが美しくなかったり、非常に小粒のものは、本物でも低価格で売られているケースがあるので、注意が必要です。
3-2 色が完全に透き通っていて均一すぎる
本物のペリドットは天然石なので多少の色むらやヒビ割れ、インクルージョンがあるケースがほとんどです。
逆に、まったく欠点がなく、色が完全に透き通っていて均一すぎるものは、人工石の可能性があります。
ガラスを緑色に着色し、ペリドットとして販売している悪質なショップもあるので注意しましょう。
3-3 石の重さが軽すぎるもの
ペリドットに似せて作られたストーンはガラス製や樹脂製が多いですが、これらはペリドットより重量が軽いです。
もしお手元に本物のペリドットがあるのであれば、偽物かどうか知りたい石と重さを比べてみましょう。明らかに軽かった場合は、人工石だと疑ってよいでしょう。
3-4 鑑定機関の利用
ペリドットは奥が深く、素人では偽物か本物かなかなか判断できないことがあります。
お手持ちのペリドットが本物かどうか明確に知りたい場合は、専門機関に鑑定を依頼するのがおすすめです。
ここでは、世界的に信用度が高い宝石鑑定機関を2つご紹介します。
GIA(米国宝石学会)
出典:GIA
GIAは、世界でもっとも権威があるとされているアメリカの宝石研究機関です。
ダイヤモンドの品質評価基準「4C」を制定したことで知られています。
GIAの「カラーストーンレポートサービス」を利用すると、お手持ちのペリドットが本物かどうか鑑別してもらえます。
詳細は、以下よりGIAの公式サイトをご確認ください。
GIA公式サイト:https://www.gia.edu/gem-lab
GIAカラーストーンレポートサービス:https://www.gia.edu/JP/gem-lab-service/colored-stone
CGL(中央宝石研究所)
CGLは、日本の宝石鑑定機関です。宝石鑑別団体協議会(AGL)に加盟しており、信用度が高いと世界的に評価されています。
お手持ちの石が本物のペリドットかどうか知りたい場合は、「色石鑑別書」を依頼するのがおすすめです。
詳細は以下のCGL公式サイトをご確認ください。
CGL公式サイト:https://www.cgl.co.jp/report/grading_price.html
4 さいごに
この記事では、ペリドットの特徴と歴史、価値、偽物の見分け方について解説しました。8月の誕生石であるペリドットについて、より深く知っていただけましたら幸いです。
弊社は買取専門店「ブラリバ」を運営しており、宝石やジュエリーの高価買取を行っています。宝石専門の査定士が在籍しており、お品物の価値をしっかり判断させていただきます。
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