ロレックスが実施している販売価格の値上げは、中古相場に大きく影響を及ぼしています。直近では2024年1月に定価の改定が行われましたが、今後の相場はどのように変化していくのでしょうか?
本記事ではロレックスの値上げによる相場への影響や、相場推移について解説していきます。デイトナやエクスプローラーなど人気モデルの最新定価もご紹介するので、最後までご覧ください。
目次
ロレックスの相場が変動する背景とは
ロレックスの値上げにはおもに3つの要素が影響しています。それぞれ以下で解説していきます。
為替相場
高級時計は海外ブランドが多く輸入品であるため為替相場に影響されます。もちろんスイスの腕時計メーカーであるロレックスも、為替相場の変動の影響を受けます。
一般的に円高・ドル安では輸入品の価格が安くなり、円安・ドル高では価格が高くなります。最近は円安・ドル高の状況が続いており、そのために輸入品の価格が上昇傾向にありました。
原材料費の上昇
原材料費の中でもとくに原油の高騰が値上げに拍車をかけています。原油価格が上がると輸送や製造にかかる費用も上がり、その分商品の価格に上乗せされることがあります。
また、ロレックスのモデルには金を使用したモデルもあるため、金相場も値上がりに関係しています。ここ数年で金の相場は上昇し続けており、2023年3月21日には11,752円/1gとなりました。金相場は現在も高い水準で推移しているため、ロレックスの値上がりに大きく影響を与えると考えられるでしょう。
需要の高まり
ロレックスは世界的な人気を誇る高級ブランドとして知られ、資産価値が高く値崩れしにくいため投資対象としても注目されています。
ロレックスは需要が高まることで価格が上がり、需要が下がると価格も下がっていきます。近年ロレックスの需要が高まっていることから、相場は上昇し続けているのです。
またロレックスは自社独自の製品規格を設けており、その厳格な規格認定を受けなければならず大量生産はできません。限られた流通量であることも少なからず、ロレックスの相場に影響を与えているといえるでしょう。
2024年1月に値上げされた主要モデル
ロレックスの2024年1月の価格改定では全体的に10%前後の値上げとなっています。こちらでは主要モデルの定価をご紹介します。
【サブマリーナー】
型番 | 定価 |
124060 | 131万8,900円 |
126610LN | 148万1,700円 |
126610LV | 155万5,400円 |
126613LB | 226万6,000円 |
【GMTマスターll】
型番 | 定価 |
126710BLNR | 154万円 |
126710BLRO | 154万円 |
126720VTNR | 161万4,800円 |
【コスモグラフ デイトナ】
型番 | 定価 |
126500LN | 217万6,900円 |
126515LN | 462万2,200円 |
126518LN | 441万4,300円 |
126503 | 284万4,600円 |
【エクスプローラー】
モデル名・型番 | 定価 |
エクスプローラーl 124270 | 103万6,200円 |
エクスプローラーll 226570 | 139万2,600円 |
以下の記事ではロレックスの最新定価一覧を確認できますので、気になる方はこちらも併せてご覧ください。
ロレックスが2024年に予定していた2回目の値上げを見送り
ロレックスでは2019年からたびたび価格改定が行われており、2023年には2回の値上げが実施されています。
2024年も例年通り1月に値上げを実施したため、9月にも値上げが行われるのではないかと予想されていました。しかしロレックスは2024年の値上げを見送ることを決定したのです。
出典:日本経済新聞
ロレックスは下記の通り、3年間で8回とかなりのハイペースで値上げを行ってきました。今回値上げを見送ったことにより、相場価格にも影響があるといえるでしょう。
【近年実施された価格改定】
- 2019年10月:平均1%程度の値上げ
- 2020年1月:スポーツモデルを中心に約5%の値上げ
- 2021年8月:全モデルで5%の値上げ
- 2022年1月:3%〜12%の値上げ
- 2022年9月:約7%の値上げ
- 2023年1月:2〜7%ほど値上げ
- 2023年9月:6〜17%前後の値上げ
- 2024年1月:約10%の値上げ
値上げによる実勢相場への影響は?
一般的に時計市場ではメーカーが定価を引き上げたとしても、実勢相場にすぐに影響を及ぼすことはあまりありません。
ただ新品であれば仕入れ値が変わるため、並行市場も比例して価格が上昇します。しかしロレックスの場合、新品よりも中古品や未使用品が多く出回るため、値上がりによる影響は少ないといわれています。
とはいえ近年のロレックスの実勢相場は、定価を大きく上回ることが珍しくありません。中でも実勢相場に大きく影響しているのが新作発表です。
ロレックスは毎年3月前後に新作の発表を行っており、モデルチェンジがあった場合は旧モデルの需要が高まるといわれています。新モデルの登場により、旧モデルは生産終了となるため流通量が増えることはありません。新作発表前後に旧モデルの需要が高まることで、高額な価格で取引されるものが出てきています。
主要モデルの相場推移と今後の相場変動について
ここまでロレックスの相場変動の要因や最新の定価などご紹介してきましたが、実際のところどれほどの変動があったのでしょうか?
5章ではロレックスの主要モデルの価格推移をご紹介します。ロレックスの購入や売却を検討している方はぜひ参考にしてください。
サブマリーナー
サブマリーナーの平均価格相場は200万円前後です。
サブマリーナーの人気モデルである124060の相場は、現在180万円前後となっており高い水準をキープしています。2020年に登場してから3年ほどで定価は約50万円値上がりし、それに比例して相場価格も上昇しています。
2022年後半から2023年前半にかけては相場が150万円前後と下落傾向にありましたが、その後回復し現在の相場になっています。
GMTマスターll
GMTマスターll全体の平均相場は300万円弱です。
この中でもかなりの高値を叩き出しているのが126710BLROです。このモデルの平均相場は350万円前後となっており、定価は154万円なので約2倍の価格ということになります。
126710BLROは赤と青の通称ペプシベゼルが話題となり、2018年に登場してからその人気は衰えず、高値で取引されています。今後もこの傾向が続くと考えられるでしょう。
コスモグラフ デイトナ
デイトナ全体の平均相場は500万円弱と他のモデルに比べると、かなりの高水準となっています。
デイトナの人気モデルである126500LNの平均相場は500万円前後と高値で推移しており、ロレックスの中でもとくに人気なモデルであることが分かります。
116500LNの相場も450万円ほどと高値で推移していますが、126500LNはその価格を上回る人気ぶりを見せています。2023年に登場した126500LNですが、すでに需要は供給量を超えており今後も安定した相場を保っていくと予想されます。
エクスプローラーl
エクスプローラーlの全体の平均相場は120〜130万円ほどとなっています。
2021年に登場したエクスプローラーの現行モデル124270の平均相場はおよそ120万円です。人気が高かった旧モデル114270と同様にケースサイズは36mmを採用し、上品な仕上がりとなっています。他のモデルと同様に多少の変動はあるものの、定価の倍の価格で取引されています。
いずれのモデルも高値で取引されており、今後も平均相場は大きく暴落することはないと予想されます。しかし2024年の新作発表に伴い、モデルによっては大きな変動が見られることも考えられるでしょう。
値上がりは買取相場にも影響する?
ロレックスが値上げされたことで、買取相場が上昇する可能性は大いにあります。これは値上がりにより実勢相場が上昇すると、買取相場も上がるためです。
4章でご紹介したように、モデルによっては定価の2倍ほどの価格で取引されることも珍しくなく、今後もその傾向は続くといえます。
もしロレックスの買取を検討されているのであれば、相場が上昇しているうちに売却するのがおすすめです。世界情勢の状況により需要が減少し、ロレックスの相場変動が起こる可能性は充分にあるため注意しましょう。
ロレックスの値上げや相場動向には今後も注目
今回はロレックスの値上げや相場について解説しました。
2024年に予定されていた2回目の値上げは見送りとなりましたが、過去行われた値上げの価格上昇分を見るにロレックスの市場規模は年々大きくなっていますので、今後どのように相場が推移していくのか注目されます。
ロレックスの相場は常に変動していますが、売りどきを見逃さなければ思っていた以上の高値で売却できることは間違いないはずです。
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