ハイブランドにもさまざまな種類がありますが、世界的な知名度があり、格の高いブランドといえば、やはりエルメスでしょう。エルメスの代表作であるバーキンやケリーがいつかはほしいと憧れている方も多いのではないでしょうか。
当記事では、エルメスがどんなブランドなのか、なぜ人気なのかを解説します。また、エルメスの代表作や、高額で売れるアイテムも紹介します。
これからエルメスを手に入れたい方や、エルメスについて知りたい方はぜひ参考にしてください。また、エルメスの買取について知りたい方は、こちらのエルメス買取情報のページからご確認ください。
目次
エルメスはなぜ人気?長年愛される理由を解説
出典:HERMES
エルメスは1837年に創業したブランドで、その歴史は180年以上もあります。エルメスは創業当初から一貫して、世界各国の王室やセレブから高い評価を受けています。
ここでは、エルメスがなぜ長年愛され続けるブランドとなったのか、その理由を解説します。
歴史に残るエルメスの魅力的なエピソード
エルメスには、ブランドの格や人気を高める数多くの逸話があります。特に有名なのが、エルメスの代表作である「バーキン」が誕生したときのエピソードです。
1980年代に、エルメスの5代目の社長であるジャン=ルイ・デュマ=エルメス氏が飛行機に乗った際、当時イギリスで活躍していた歌手で女優のジェーン・バーキンさんと隣り合わせになりました。
そのときバーキンさんはかごバッグに荷物をパンパンにつめていて、中身をエルメス氏の前でぶちまけてしまったそうです。
そこでエルメス氏が「ポケットが付いたバッグの方がいいですよ」とアドバイスしたところ、バーキンさんは相手が何者かを知らずに「エルメスがそういうバッグを作ってくれたら買うんですけどね」と答えたそうです。
そこでエルメス氏が自分の身分を明かし、バーキンさんの理想のバッグを作ってあげることを約束しました。二人は機内のエチケット袋にスケッチを描きながら、新しいバッグのデザインを作り上げたそうです。
ジェーン・バーキンさんの人気と、バーキンというバッグの素晴らしさに加え、このエピソードが世界中に知れ渡ったことから、エルメスの名声はますます高まりました。
このほかにも、モナコのグレース・ケリー王妃が使用していたことで名付けられた「ケリー」など、エルメスを取り巻くセレブたちとの魅力的なエピソードの数々が、世界中のファンを魅了しているのです。
最高級の素材を使用しているエルメス
エルメスは、丈夫で長く使える製品を作るため、最高級の素材を使用しています。特にブランドの中心である革製品へのこだわりは非常に強く、世界中から最高級の革を仕入れ、温度や湿度が徹底的に管理された保管庫で厳重に保管されています。
使用する革の部位にもこだわり、例えば牛革の場合は、背中の部分の「バット」と呼ばれる部分しか使用しません。しかも、一切傷がないものを使用するため、エルメスのバッグに使える品質の牛革は、1万頭からわずか30枚ほどしか取れないそうです。
熟練の職人によるハイクオリティな製品
エルメスのバッグは、ひとつの製品をひとりの職人がすべて組み立てています。わずかなズレもなくひとつひとつのパーツをぴったりと縫い合わせる技術は熟練の職人にしかできません。完成するまでに何度も厳しいチェックを行うため、バッグひとつを完成させるまで、20時間以上かかるそうです。
さらに、エルメスのバッグには、製造年のほかにどこのアトリエでどの職人が作ったかがわかる認識番号が刻印されています。そのため、エルメスのバッグを修理するときは、基本的には製造した職人自身が修理を手掛けます。
ハイブランドでも大量生産が進み、分業制による量産が一般的になっている中で、エルメスのこのシステムは非常に貴重なもので、エルメスというブランドが長年愛される理由のひとつです。
需要が供給に追いついていない
エルメスの製品は、最高級の素材を使用し、熟練の職人がひとりで丁寧につくりあげています。そのため、大量生産が難しく、需要に供給が追いついていません。
例えばバーキンの場合、年間の生産数はおよそ1万2000個といわれています。エルメスの店舗は現在、世界45カ国に303店舗あるため、1店舗あたりのバーキンの割当数は年間39個という計算になります。
欲しいのに買えないという状況が何年も続いているため、エルメスのプレミア価格は年々上昇しています。品薄の状況が続き、値上がりしていることがさらにエルメスの人気と価値を押し上げているのは間違いありません。
エルメスは品質を守るために、伝統の生産方法を守り続けています。エルメスが欲しい人は世界中にたくさんいますが、これからもエルメスの入手困難は変わらないでしょう。
限られた人しか入手できないプレミア感
エルメスの商品は、品質にこだわり手作業で作られているため、極端に生産数が少ないです。そのため、正規店で購入するのは非常に難しく、バーキンやケリーなどの人気アイテムは、限られた顧客しか手に入らないと言われています。選ばれた人しか手に入らないという状況がますます「エルメスが欲しい」という気持ちを煽り、人気が加速しているのです。
バーキンやケリーを正規店で手に入れるためには、まず顧客になって実績を積み上げないと紹介してもらえないことが一般的です。全くの新規客が店頭でバーキンやケリーを購入できるのは奇跡に近く、多くの人が何度も繰り返しエルメスの店舗に足を運んで実績を積み重ねる「エルパト」を続けているのが現状です。
エルパトについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
エルメスが作り上げた歴史の数々
今や名声も人気も世界一の高級ブランドとなったエルメス。現在の地位を築き上げるまでには、さまざまな歴史があります。ここでは、エルメスの創業から現在までの歴史の数々を紹介します。
エルメスの歴史は小さな馬具工房から始まった
エルメスの歴史は、1837年にティエリー・エルメス氏がパリのマドレーヌ寺院界隈に立ち上げた馬具工房からスタートしました。ティエリー・エルメス氏はわずか13歳から馬具制作を始め、36歳でパリに工房を立ち上げた頃には、その技術が高く評価されていました。
ティエリー・エルメス氏の作る馬具は、細部までこだわった丁寧な作りが特徴で、使う人はもちろん、馬も傷つけない配慮が随所に施されていました。馬具を作るには非常に高い皮革技術が必要ですが、ティエリー・エルメス氏の技術は群を抜いて優れており、やがてナポレオン3世やロシア皇帝など、当時の上流階級を顧客にもつほどまでになりました。
1880年には、2代目代表のシャルル・エルメス氏が顧客の要望に応じてオーダーメイドで馬具を作る専門の工房をオープンさせました。これにより、ますますエルメスの人気と名声は高まり、エルメスの馬具を持つことがステータスとなっていきました。
馬具から革製品への転換
20世紀に入り、エルメスは大きな転換点を迎えます。移動手段の主流だった馬車が、第一次世界大戦を機に自動車へと変わっていき、馬具の需要は徐々に落ち込んでいきました。
このままではブランドが衰退すると考えた3代目のエミール・エルメス氏は、バッグや洋服などの新しい事業に踏み切ることを決断しました。
エルメスでは、1990年頃に馬具を入れるバッグを制作したことがあり、その時の大ヒットが事業転換のヒントになったとされています。
馬具作りで培った丁寧な技術を生かしたエルメスのファッションアイテムは、またたく間にパリの女性たちの間で評判となります。さらにその人気は世界に広まり、イギリスのウィンザー公やシャネルのデザイナーであるココ・シャネルなど、数多くのセレブがエルメスのバッグや服を愛用し始めました。
こうして、エルメスは馬具工房からの転換を見事に成功させ、世界的に有名なファッションブランドへと進化したのです。
バーキンやケリーなどの伝説的バッグが誕生
出典:HERMES
1951年にロバート・デュマ氏がエルメスの代表に就任すると、エルメスの人気はさらに高まっていきました。今ではバッグと並ぶ看板商品となったスカーフ「カレ」が誕生したのもこの頃です。
エルメスのカレは、シルクスクリーン技法を使い、明るい色で繊細な柄をプリントしたものです。カレが発表された頃は世間に戦後の重苦しい雰囲気が満ちていましたが、エルメスはカレの華やかな柄を通して、明るい新時代をイメージさせました。
このことから、カレは単なるファッションアイテムではなく、芸術的にも非常に高く評価され、今もエルメスを象徴するアイテムとして毎年新作が発表されています。
さらに1956年にはケリーバッグ、1984年にはバーキンバッグと、今のエルメスを支える代表作が次々に生まれ、エルメスの人気と名声はますます高まりました。
時代を超えて愛されるエルメスの魅力
エルメスは1980年代から1990年代にかけて、新しい会社の買収に乗り出します。会社の規模を広げるのではなく、エルメスの求めるクオリティを実現させるための職人たちを傘下に置くことが目的です。
エルメスと資本関係を結んだブランドは、食器のサンルイ、ピュイフォルカ、英国靴のジョン・ロブなど、高い技術を持った職人がいるブランドばかりです。
2000年代に入ると、代表がロバート・デュマ氏の息子、ジャン・ルイ・デュマ氏に代わり、エルメスの世界展開が始まります。2000年のニューヨーク出店のあと、2001年には東京の銀座にエルメスがオープンします。
この頃から、エルメスは長年培ってきたエルメスの技術や製品を、さらに発展させる活動に取り組み始めます。
2008年には、世界中の職人の技術や文化をサポートするために「Fondation d’entreprise Hermès」という財団を立ち上げ、芸術や技術伝承だけでなく、環境問題や教育などに関わる支援を行っています。
また、2010年には「Petit h(プティ・アッシュ)」というプロジェクトを立ち上げ、エルメスの製品を作る工程ででた余り革などの素材を再利用する取り組みをはじめました。
ファッション業界が地球環境に及ぼす影響が問題になる中、ハイブランドの筆頭であるエルメスがこうした取り組みを始めたことは大きな話題を呼びました。
単なるファッションブランドとして物を売るだけではなく、ひとつひとつの製品にこだわり抜き、職人の文化や地球環境まで考えるエルメスの姿勢は、ファッションブランドのお手本といえるものです。
こうした取り組みの数々が、エルメスが時代を超えて愛されるブランドとして長く続いている魅力といえるでしょう。
エルメスの人気アイテムといえばこれ!
エルメスには、バーキンやケリーをはじめ、さまざまな人気アイテムがあります。ここでは、エルメスの人気アイテムの数々を紹介します。
バーキン
エルメスの代表作といえば、まずバーキンを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。1984年に、歌手であり女優のジェーン・バーキンのために作られたこのバッグは、収納力が高く、カジュアルな場面はもちろん、ビジネスシーンでも使いやすい作りになっています。
バーキンの特徴は、ハンドルが2本あり、中に仕切りがないため大きくて重い荷物を運びやすいという点です。フラップ部分を中に折り込めばトートバッグのようにもなり、ジーンズなどラフなファッションにも合わせやすい点もポイントです。
サイズ展開も25.30.35.40.44cmと豊富で、使いやすい25と30サイズが特に人気です。
ケリー
エルメスを代表するバッグとして、バーキンと並ぶ人気を誇るのがケリーです。バーキンとケリーはもともと「オータクロア」というバッグをベースに作られたもので、ケリーの発売当初は「サック・ア・クロア」という名前でした。
元女優でモナコ公妃だったグレース・ケリーが妊娠中のお腹をこのバッグで隠したことから「ケリー」と呼ばれるようになり、エルメスが1956年に正式にグレース・ケリーに許可をとってケリーの名前で販売されたという経緯があります。
ケリーはバーキンと違って、1つハンドルのエレガントなデザインが特徴です。外ポケットはなく、マチ幅も調整できないため、上品でクラシカルな雰囲気です。外縫いと内縫いがあり、外縫いはかっちりした印象、内縫いは柔らかい印象で、どちらも異なる魅力があります。
ピコタンロック
ピコタンロックは、ノーズバッグと呼ばれる牛馬の飼い葉袋をモチーフにしたバッグで、バケツ型のカジュアルなデザインが特徴です。
もともとエルメスには「ピコタン」というバッグがありましたが、現在は生産を終了しています。ピコタンのベルトに南京錠がついたのがピコタンロックです。
開口部がフルオープンになっており、中身の出し入れがしやすい点と、底鋲があり自立する点がポイントで、非常に使いやすいバッグです。
ボリード
ボリードは、見た目は非常にシンプルなバッグですが、実はファッション業界に大きな影響を与えた偉大な存在というのはあまり知られていません。
ボリードは、ファスナーで開閉できる構造をもった世界初のバッグです。現在のファスナーバッグの原型はボリードから始まったものであり、バーキンやケリーと比べて一般的な知名度は低いものの、伝説のバッグのひとつです。
ボリードはマチが広く収納力があり、ファスナーでしっかりと閉じられるので防犯性も抜群です。また、着脱可能なストラップがついているため、ショルダーバッグとハンドバッグの2WAYとして使える点も人気です。
ガーデンパーティー
ガーデンパーティーは、もともと園芸用品を持ち運ぶためのバッグとして作られました。そのため収納力が非常に高く、デイリーユースに最適です。
ガーデンパーティーはわずかに台形のフォルムになっており、フェミニンな印象を与えます。たくさんの荷物を持ち歩ける機能性の高さと、カジュアルすぎない上品さが人気で、レザー素材やキャンバス素材など、さまざまな仕様で展開しています。
ベアンスフレ
ベアンスフレは、エルメスの財布の中でもっとも人気のアイテムです。「ベアン」という財布に1cmのマチがついたものがベアンスフレで、スマートな見た目ながらお札やレシートなどがたっぷり収納できるため、男女問わず人気があります。
カラーバリエーションも豊富で、使いやすいシンプルな色から、個性が主張できるカラフルな色まで、自分好みの財布が選べるのも魅力です。
シェーヌダンクル
エルメスは、レザーアイテム以外にもさまざまな商品があります。特にこのシェーヌダンクルと呼ばれるシルバーブレスレットは人気が高く、エルメスのアクセサリーの中でも特に入手困難です。
シェーヌダンクルはフランス語で「錨の鎖」という意味で、その名の通り船の錨についた鎖をモチーフにしています。シェーヌダンクルが発売されたのは1938年で、ケリーやバーキンよりも歴史があります。
発売から80年以上経過しても愛されるロングセラーアイテムで、男女問わず付けられるデザインのため、ペアアイテムとしても人気です。
エルメスは高く売れる?高価買取されやすい特徴5選
エルメスは入手困難で定価も高いことから、中古市場でも非常に人気があるブランドです。ここでは、エルメスの高く売れる特徴を、実際のブラリバの買取実績とあわせて紹介します。
エルメスの人気アイテムは超高額買取
エルメスの中でも、バーキンやケリーなどの人気商品は査定価格が非常に高額になる傾向があります。バーキン30の定価は約150万円ですが、中古の買取価格は200万円を超えるのが相場です。
経済の影響もあり、エルメスは年々値上がりを続けています。そのため、今後もバーキンやケリーの買取価格はさらに上昇していくことが予想されます。
保存状態がよいもの
エルメスでは、素材のクオリティにこだわり、傷が一切入っていないものを使用しています。そのため、傷などがなく、新品に近いものほど買取価格がアップします。
保存状態や使い方に十分気をつけて、傷やスレなどが無い状態を維持することで、高額査定が期待できます。
エルメスの付属品が揃っているもの
エルメスのアイテムには、保証書や箱のほか、替えベルトやレインカバー、保存袋などの付属品があります。付属品が足りないと買取価格が下がってしまうので、付属品は全て揃えて査定に出しましょう。
例えばリンディなら、保証書・箱・レインカバー・保存袋が付属します。ちなみに、エルメスのレインカバーは8種類あり、リンディには専用のレインカバーが存在します。
もちろんきちんとした査定を行えばすぐに分かるのですが、エルメスの付属品を探す際は、バッグに合ったレインカバーかどうかもしっかりチェックしてください。
エルメスの人気色は高値で取引される
エルメスはカラーバリエーションが非常に多く、人気のカラーは高額で買取が期待できます。
エルメスでは、黒や茶系の使い勝手の良いカラーがもっとも人気が高く、ピンク系の華やかなカラーも好まれます。
ただ、人気色ではなくとも、限定色や生産数の少ないカラーというのも存在するため、まずは査定に出すことをおすすめします。
金具の色など珍しい仕様のエルメス
エルメスの革製品には、シルバーやゴールドの金具がついています。革の色とのバランスにもよるので、シルバーとゴールドの人気はそれほど大きく変わりません。
しかし、エルメスにはつや消しのゴールド(シルバー)やブラックの金具など、通常カラーとは違った仕様の金具も存在します。
もし、お手持ちのバッグの金具が珍しい仕様なら、ぜひ買取査定に出してみてはいかがでしょうか。
エルメスは高額買取が期待できる人気ブランド
エルメスは、180年以上の長い歴史を持ちながら、常にトップブランドとして君臨してきました。その人気の理由は、素材へのこだわりや魅力的なエピソード、入手困難なプレミア感などさまざまです。
エルメスにはバーキンやケリーをはじめとした数多くの名品があり、その価値は現在も上がり続けています。昔購入したエルメスが驚くほどの買取価格になっているということも珍しくありません。
エルメスのアイテムをお持ちの方は、ぜひ一度価値を調べてみることをおすすめします。