高級時計ブランドである「ROLEX(ロレックス)」の中古価格相場が急落しているという報道があります。急落の背景には、中国市場での需要減少や経済状況の変化などが影響していると指摘されているのをご存知でしょうか。
本記事では、なぜロレックスの相場が下落したのか、その背景や原因について解説していきます。
目次
ロレックスの中古価格相場が暴落!?値下がりの背景とは
2022年の春頃をピークに、ロレックスの中古相場が急激に下落しました。背景には、中国の景気後退が最大の要因とされています。
ロレックスは世界中で人気のある高級時計で、とくに中国では富裕層の間で高い需要があったことで、中古価格にも大きな影響を与えていました。
しかし、2019年の新型コロナウイルスの流行により、消費意欲の低下や不動産バブル崩壊の経済不況が加速し、人々は貯蓄を重視するようになりました。この影響で、一部の高級時計ブランドの市場価格が20〜50%も下落しました。ロレックスもその例外ではなく、中国の中古高級時計の業界ポータルサイト「万表」によれば、2022年3月以降、ロレックスのサブマリーナーの価格が46%下落したと報じられています。
中国市場の需要減少はロレックス相場に影響する?
ロレックスの中古相場下落は、高級品市場の需要減少と関連しています。とくに大きな市場を占める中国でのロレックスの需要下落の背景には、中国国内での経済状況や規制の変化、他のブランドの競合製品の台頭などが影響している可能性があります。
さらに、中国では若年層を中心に失業率が高まっており、一般の消費は急速に冷え込んでいると見られていますが、いっぽうで富裕層の高級品需要はますます増加しているという報告もあります。このように、中国の消費市場は完全に二分化しており、富裕層は資産保護の一環として高級時計などの現物資産に投資しているとされています。
スイス時計産業協会によると、昨年同期比で中国と香港への輸出がそれぞれ22.7%、25.6%減少したと発表されました。スウォッチグループの『ニック・ハイエック』CEOは、「(中国市場)に鈍化がある」と述べ、中国の消費者が高価な商品に対して慎重になっていると指摘しています。
中国の景気後退による影響が続いており、富裕層が所有していたロレックスを売却する動きも見られます。これにより市場にはロレックスが増え、価格が下落する影響がありますが、世界的な高級時計市場は引き続き活況を維持し、需要の拡大が期待されています。
※スウォッチグループ:スイス・ビール市に本拠地を持つ世界最大の時計製造グループ
出典:スイス時計産業協会FH
世界的に高級時計の需要は増加傾向にある
世界的に高級時計の需要が増加しているという見方が広まっています。この流れの中で、ロレックスはとくに注目されており、その圧倒的なシェア率と安定した需要が際立っています。以下で詳しくご紹介します。
ロレックスの圧倒的なシェア率と安定した需要
ロレックスは市場シェアを拡大し、2023年には売り上げが初めて100億ドル(約1兆5000億円)を突破しました。この数字は、アメリカの世界的な金融機関グループ「モルガン・スタンレー」のレポートによるものであり、前年比で11%増加しています。
ロレックスの小売市場シェア率は30%を超えており、モルガン・スタンレーの『エドワール・オーバン』氏とリュクスコンサルトの『オリバー・ミュラー』氏を中心とするアナリストらは、ロレックスが各分野で支配的な地位を誇る高級ブランドであることを強調しています。
出典:Bloomberg
高級時計市場は米国を中心に好調
高級時計市場は好調で、とくに米国の需要が目立っています。2023年のスイス時計産業の輸出総額は、2022年に比べ7.6%も増加し、過去最高額を記録しました。
注目されていた米国での高級品需要は依然として高く、失速の兆候は見られません。FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げや景気の冷え込み懸念も、失業率の低下や賃金の上昇、富裕層による高級品消費の堅調さによって和らいでいます。
アメリカはスイス時計輸出先ランキングの上位に位置し、前年同期比で微増(+0.2%)しています。中国の経済後退の影響はありますが、世界的な高級時計市場は活況を続けています。
出典:スイス時計協会FH
【2024年】ロレックスの今後の相場動向について
中国の不況による影響で買取相場が暴落し、ロレックスの買取市場価格が大幅に下落しました。
しかし、腕時計投資.comによる価格指標によれば、多くのロレックスシリーズやモデルで価格が上昇しており、今後著しい価値暴落は起きにくいと見られます。
出典:腕時計投資.com
シリーズやモデルによって差はあるかもしれませんが、慢性的な需要と供給のアンバランスさを考慮すると、今後もロレックスの価格は上昇傾向にあるといえるでしょう。
また、2029年にロレックスはスイス・フリブール州ビュールに新規製造拠点を立ち上げを予定しており、数年後には生産量が増える見通しです。新しい製造拠点の立ち上げは品質確保につながると期待されますが、増産が実現すると投資目的のユーザーにとっては微妙な要素となる可能性があります。
価格の上昇傾向は継続する可能性がありますが、今後は需要と供給のバランスを考慮しながら慎重に購入することが重要です。
ロレックス市場は今後も活況が続く可能性が高い
中国の経済不況によって一時ロレックスの価格相場が下落しましたが、ロレックス自体の価値が下がったわけではありません。高級時計市場は活況であり、ロレックスでもデイトナやサブマリーナーといった人気モデルを中心に現在も高値で取引されています。
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