ゴローズの人気は日本だけに留まらず、アジアを中心に広がっています。しかしその人気に伴い、ゴローズは偽物がとくに多いブランドとして知られています。「知人からもらったゴローズが偽物だった」「アプリで売られていた偽物は明らかにシルバーではない材質で作られていた」など、偽物のゴローズが流通している例は数え切れません。
本記事では、バイヤーである筆者がゴローズの偽物を見分けるポイントと、購入時の注意点について解説します。
目次
偽物を見極めるための5つのポイント
ゴローズの真贋を見極める方法は、ほとんどの人が知らない閉じた情報です。この章では、バイヤーが実際に査定する際に用いる5つの基本ポイントを紹介します。
ポイント① 適正なサイズ
ゴローズや他のアクセサリーの真贋を見極める際に重要なポイントの1つが「適正なサイズ」であるかです。シルバーアイテムの生産方法にはアイテムをゴムで型取る「キャスト製法」がよく用いられ、そのためコピー品も同じ製法で量産されます。しかし、製法の特性上、コピー品は正規品と同じサイズを再現することが難しく、サイズの違いは判別の重要な手がかりとなります。
適正なサイズを判断するためには、以下のポイントをチェックしてください。
ゴローズの適正なサイズ
- 縦幅:現行のフェザーであればサイズは必ず67mmを超えます(先金を除く)
- 横幅:現行のフェザーであればサイズは必ず13.8mmを超えます
- 重量:アイテムごとに異なりますが、基本的に重量が軽すぎる場合は注意が必要
これらの指標を把握することで、正規品とコピー品を見分けることができます。
ポイント② 硬度の違い
ゴローズのアイテムを識別する際に重要なのが「硬度」です。たとえば、フェザーやクロスなどのデザインが典型的ですが、ゴローズの本物は非常に硬く、曲げようとしてもほとんど変形しません。いっぽう、偽物は簡単に曲がってしまいます。この違いは、素材の違いによるものです。
本物のゴローズは、通常のシルバー925ではなく独自の素材で作られており、銅の含有率が高いため、特有の硬さがあります。このため、彫りの質感なども本物と偽物では異なります。
ポイント③ 質感の違和感
ゴローズのシルバーアイテムは、銅の含有率が高い独自の素材で作られています。そのため、同じシルバーアクセサリーブランドであっても、ゴローズとクロムハーツでは酸化具合や質感が全く異なり、経年変化も異なります。同様に、18金素材も年代によって微妙に異なる質感や色味を持ちます。
何百点から何万点という多くのゴローズを見続けることで、判断精度は磨かれていきます。この点においては、多くのゴローズに触れて感覚を磨くことが重要です。
ポイント④ 初期キズの有無
ほとんどのゴローズのアイテムには、「初期キズ」と呼ばれる細かな傷が存在します。これらのキズは製造過程で生じるもので、一般的には鑑定者のみが認識できる情報でしたが、最近では真贋判別のポイントとして広まってきました。
初期キズはゴローズの愛好家の間で共通の用語として知られており、代表的な例としては「先金特大フェザー」印台の初期キズが挙げられます。このキズの位置や数は、真贋を見分ける上で重要な情報です。下記画像とポイントを確認しておきましょう。
【初期キズの確認ポイント】
- 右向きであれば、イーグル印台の上部に2本線
- 左向きであれば、イーグル印台の左下部に4本線
【本物】 | 【ニセモノ】 |
(右向き)
【本物】 | 【ニセモノ】 |
(左向き)
真贋判別のポイントは日々進化しており、新しい発見が続々と出てくるのはゴローズの真贋を追求する上で興味深い側面です。
ポイント⑤ 印台の凹凸
先程触れた先金特大フェザーの初期キズに関連して、ゴローズの真贋を見極める重要なポイントになるのが「印台」の彫りがしっかり入っているかどうかです。印台とはイーグルのマークの部分を指します。
実際に印台を触ってみて、しっかり凹凸があるかどうかをチェックします。本物の場合、彫りの力強さがあります。年数が経過している場合は、摩耗して薄くなってしまうケースもあるため、他のポイントと併せて確認することが重要です。
これらの要素を見れば高品質のアイテムでも真贋を判断できます。即座に違いに気づくのは難しいかもしれませんが、上記のポイントを抑えることでコピー品を購入するリスクを大幅に減らすことができます。ゴローズのアイテムを購入する際はチェックしておきましょう。
偽物が多く出回っている代表的な要注意アイテム
ゴローズのアイテムの中には、人気のあるものとそうでないものがありますが、需要が高いほど高品質なコピー品が出回る現実があります。需要の高いアイテムほど、クオリティの高いコピー品が生まれるため、注意が必要です。
こうしたコピー品の中でも、とくに多く流通しているアイテムについて紹介していきますので、購入を検討されている方は参考にしてください。
一番人気のアイテムだからこそ偽物も多い「特大フェザー」
特大フェザーは、人気の高さから偽物が多く出回っています。とくに、上金特大フェザーと先金特大フェザーの2つがもっとも多いです。
先金特大フェザー | 上金特大フェザー |
需要の高さや生産量の増加に伴い、精度の高いスーパーコピーが多数販売されています。コピー品の中には、フリマサイトなどで数千円で販売している粗悪な偽物も多く存在しますので、このような偽物を購入しないように注意してください。
定番がゆえにコピーが生まれやすい「平打ちブレス」
ゴローズの定番アイテムである平打ちブレスは、その人気故に多くのコピー品が出回っています。このブレスレットの特徴はシンプルなデザインであり、それがコピー品が生まれやすい理由のひとつです。
シンプルな作りであるため、専門知識がないとコピー品を見抜くのが難しいですが「ポイント② 硬度の違い」が役立ちます。
本物の平打ちブレスは、力を加えた際にも曲がりにくい特性があります。いっぽう、サイズ調整をする要領でブレスレットに力を入れた際に、軽い力で簡単に曲がるようであればコピー品の可能性大です。“硬度”というポイントさえ押さえれば、比較的簡単に見極めが可能です。
シルバーも全金も同様に多く出回る「ホイール&フックチェーン」
ホイール&フックチェーンは、シルバーや全金で多くのコピー品が出回っています。とくにネックレスチェーンアイテムとしては、バイヤーにとって非常に注意が必要なアイテムです。
通常、多くのコピー品はサイズの違いで見分けることができますが、ホイールとフックに関しては基準となるサイズがコピー品でもしっかり再現されているものが多いです。
さらに、ホイールについては「初期キズの有無」に関する情報も広まっており、コピー品でも初期キズを再現しているものがあります。そのため、初心者バイヤーが「サイズが同じだから」とか「初期キズがあるから」といった理由で油断すると、偽物に騙される可能性が高まります。
本物を見極めるためには、バイヤー独自の見極めポイントや経年変化の具合、そして初期キズを彫りの具合で判断する正しい感覚が必要です。
超高額だからこそコピー業者が目を付ける「イーグル」
高額なイーグルアイテムは、コピー業者に目を付けられるアイテムのひとつです。昔からゴローズでの販売はほとんどなく、手に入れることが難しい希少なアイテムとして人気を博してきました。しかし、その人気の裏側には多くの偽物が流通しています。実際、偽物と知らずに所持している人も少なくありません。
イーグルの見極めは非常に難しく、サイズ、彫り、印台、頭金の4つの要素で判断します。ここでは詳細を説明することはできませんが、サイズが適正でも印台が異常な個体や、彫りが完璧でもサイズが合わない個体など、真贋の判断は非常に難しいです。300万円以上の価格で販売される特別なアイテムであるため、微細な違和感も許されず、非常に厳格な基準で判断しています。
私はこれまで何万点ものゴローズアイテムを査定してきましたが、イーグルについてはいつも緊張しながら査定を行っています。貴重な品物であるため、本物に出会える確率は非常に低く、仮に20回査定しひとつでも本物があればよいといえるほどの確率です。
よく選ばれがちな、おすすめできない購入方法
偽物を避けるためには、まずコピー品がどこに出回っているのかを把握し、その売り場を避けることが重要です。以下では避けるべき購入方法について説明しますので、しっかりと予防策を講じ、注意してください。
ネットオークションやフリマアプリ
ネットオークションやフリマアプリでの購入はあまりおすすめできません。なぜなら、偽物が販売されているケースが多いためです。実際、私たちバイヤーがもっとも多く偽物だと判断するのは、これらのプラットフォームでの購入品です。
これらのサイトでは、魅力的なお手頃価格で出品されたり、自分の予算に合わせて入札できる手軽さから、つい購入してしまう方が後を絶ちません。しかし、市場の中には悪質な出品者もおり、本物のアイテム写真を掲載しているが、実際に発送されるのは偽物というケースも少なくありません。
すべての出品者が悪質なわけではありませんが、大多数の出品者が偽物を数千円で出品しています。そのため、バイヤーとしての知識がない方が本物を見つけ出すのは至難の業です。
実際、私たちバイヤーも毎日これらのサイトをチェックしています。本物が出品されたらすぐに買い付けます。したがって、数日たっても売れ残っているアイテムは「高すぎる」か「偽物」のどちらかだと考えられます。
総合リサイクルショップ
リサイクルショップでは掘り出し物を見つけることが楽しみのひとつつですが、ゴローズに関しては購入をおすすめしません。なぜなら、そういった店舗にはゴローズの真贋を見極める専門スタッフがいないからです。
サイクルショップでは、ゴローズの価値が正確に把握されていないため、買取価格が他のシルバーアクセサリーブランドと同様に設定されることがよくあります。スタッフがゴローズの価値を理解していないことで、販売価格も一般的な市場価格よりも低く設定されることがあるのです。
リサイクルショップでは掘り出し物が見つかる可能性はありますが、偽物である可能性も十分考えられるためゴローズの購入には注意が必要です。
購入はこんなお店がおすすめ!本当に信頼できるお店の特徴
ゴローズのアイテムは真贋を見極めるのが難しく、特殊な付加価値を持つことがあります。そのため専門性が高く、特注品を多数扱ってきた実績のあるお店を選ぶことが重要です。
一例に挙げるなら、90年代前後に生産されたオールドの特大フェザーのなかには「スペシャルキャスト」と呼ばれる貴重なフェザーが存在します。通常のオールド品とスペシャルキャストではその付加価値から、買取金額も倍以上の差がつきます。このような希少価値の高いアイテムを正確に評価できるお店が好ましいでしょう。
買取実績等は公式ホームページで公開されていることが多いため、事前にお店の実績を確認しておくのがおすすめです。
また、こうした店舗は独自の価値基準で買取金額を提示し、真贋に自信のない店とは差別化されます。さらに、コアな客層が支持者としてついており、珍しいアイテムや人気のアイテムが集まります。これが、新たなファンを呼び寄せ、お店の信頼性を高める好循環を生み出すのです。
なぜゴローズの偽物が生まれるのか?3つの原因
なぜゴローズの偽物が生まれるのか?その背景には何があるのでしょうか。本章では詳しく解説していきます。
他のアクセサリーブランドよりも圧倒的に資産性が高い
他のアクセサリーブランドよりも圧倒的に資産性が高いゴローズ。「ROLEX(ロレックス)」のような投資対象となる高級ブランドと同等に評価されており、高いリセール率を誇ります。
このような魅力的な資産性に目を付けられ、近年ではスーパーコピーと呼ばれるほどにクオリティの高いゴローズの偽物が多く出回っています。コピー品が出回るには、膨大な利益が生まれるという背景があります。
国内のみならず海外でも人気が高い
ゴローズは著名人が愛用していることや高いデザイン性と品質などから、国内だけでなく海外でも人気が高まっています。しかし海外でも人気があるということは、同時にコピー品のマーケットが世界規模で広がるということでもあります。その需要の高さを利用し、量産販売を行っていると考えられます。
真贋の見極めが非常に難しい
ゴローズでは、購入者に対して正規品であることを保証するギャランティを発行しません。そのため、購入者は本物か偽物かを判断する手段を持ちませんし、購入がゴローズの本店であったことを証明する手段もありません。
この状況から、ゴローズ専門のバイヤーでさえ、アイテムを細部まで研究しても本物を見極めるのは容易ではありません。実際、本物のゴローズを見極めることができる者はごくわずかで、判断する目の数がコピー品の生産量に追いつかないため、偽物が流通してしまうのです。
一般的には、フラッグショップであれば本物を購入できるのが当然ですが、ゴローズの独自の販売スタイルの影響により、正しい判断が難しい状況になっています。
偽物の見分け方を学んでゴローズアイテムを楽しもう
本記事を通じて、ゴローズには多くの偽物が出回っており、安易に安価な出品に手を出すと危険であることをご理解いただけたかと思います。
記事全体を大きくまとめると以下のようになります。
- 本物を見分けるには、5つの代表的な見極めポイントがある
- 人気のアイテムほど、コピー品が大量に出回っている
- フリマアプリ等での購入はおすすめできない
- ゴローズは信頼できる本物を見極められるお店で購入するべき
ゴローズに関して、コピー品の流出は切っても切れない悪習でありますが、正しい知識を持ったうえで、信頼できるお店でコレクションをしていけば何も怖いものはありません。ゴローズの購入を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
また不要になったゴローズのアイテムの売却を考えているけれど「本物かどうか分からないから不安」という方がいらっしゃいましたら、BRINGへおまかせください!BRINGには経験豊富なバイヤーがいるので査定が早く、正確なご提案が可能です。
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