
ダイヤモンドはロシアやオーストラリアなどで多く発掘されますが、コロナや戦争の影響もあり価格高騰が気になるという方も多いのではないでしょうか。ダイヤモンドやプラチナのような貴金属は自然災害や戦争などの外的要因による影響を受けやすいので注意が必要です。
本記事では、ダイヤモンドの価格相場の推移について詳しく解説していきます。これまでの推移に加えて今後の見通しについてもご紹介するので、最後までご覧ください。
目次
1 そもそもダイヤモンドとは?
ダイヤモンドは紀元前4世紀頃からインドで取引が始まったとされています。しかし当時は非常に貴重な石ということもあり、王族や富豪といった限られた一部の人だけしか手に入れることができませんでした。
それから時が経ち、1800年代に南アフリカで巨大な鉱山が発見されたことでダイヤモンドの技術進化が加速していきます。この技術進化から現在のダイヤモンド市場が始まりました。
現在は産出量が最も多いロシアを筆頭に、ボツワナ、コンゴの3カ国が世界三大ダイヤモンド産出国とされています。オーストラリア、南アフリカ、カナダでもダイヤモンドが産出されており、上記6カ国で、世界のダイヤモンド産出量の約9割を占めているといわれています。
ダイヤモンドの概要についてより詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
2 ダイヤモンドの価値の決まり方
ダイヤモンドの価値は、主に以下の4つの要因から決められています。
- 4C
- 海外為替相場
- 流通コスト
- 需要と供給
それぞれの要因について詳しく解説します。
2-1 4C
4Cとは「カット(Cut)」「カラー(Color)」「クラリティー(Clarity)」「カラット(Carat)」の4単語の頭文字から名付けたもので、ダイヤモンドの品質を決める指標です。
① Cut(カット)
Cut(カット)は輝きの指標で、バランスや研磨状態、対称性の観点から原石の美しさをどれだけ加工で引き出しているかを評価します。評価基準は、主に以下の5段階です。
- Excellent
- Very Good
- Good
- Fair
- Poor
ダイヤ本体の品質を示す他の指標とは異なり、カットは職人の技術による評価であるのが特徴です。
② Color(カラー)
Color(カラー)は文字通り色の指標であり、基本的に無色透明であるほど高い価値があります。評価基準は、大きく分けて以下の4段階です。
- D〜F(完全な無色透明)
- G〜J(無色)
- K〜M(わずかに黄色)
- N〜Z(薄い黄色から黄色)
黄色みが強くなるほど透明度の評価は下がりますが、色の濃い黄色などの美しいカラーのダイヤモンドはファンシーカラーという別の基準で評価されます。
③ Clarity(クラリティ)
Clarity(クラリティ)は透明度を表す指標で、不純物や傷が少ないほど高い評価を受けます。評価基準は、大きく分けて以下の6段階です。
- FL:10倍の拡大で無傷
- IF:10倍の拡大で微小な表面の欠点
- VVS1/VVS2:10倍の拡大でごくわずかな内包物
- VS1/VS2:10倍の拡大で多少わかりにくい内包物
- SI1/SI2:10倍の拡大なら発見は容易だが肉眼では困難
- I1/I2/I3:肉眼でもわかる欠陥
④ Carat(カラット)
Carat(カラット)は重さを表す単位で、重いほど価値は高くなります。1カラット=0.2g(直径6.4mmほど)なので、1gのダイヤモンドは5カラットということになります。
ダイヤモンドの指輪を購入する際によくカラットを重視される方を多く見受けますが、実は他の項目とのバランスが重要で、総合的な判断からダイヤの品質が決定されます。
2-2 海外為替相場
日本ではダイヤモンドを発掘できないので、輸入品を購入する必要があります。そのため取引の際には、日本円ではなく海外通貨を用意する必要があります。
ダイヤモンドを購入する際には為替相場のチェックが必要になるので、注意が必要です。
2-3 流通コスト
上記でも解説したように、日本でダイヤモンドを購入する際は海外からの輸入品に頼ることになります。その際、採掘場から消費者の手に届くまでの過程で人件費や運送費といったさまざまな流通コストが発生します。
海外輸入となると必然的に流通工数は増えるので、ダイヤモンドの価格は上昇します。
2-4 需要と供給のバランス
ダイヤモンドに限らず、一般的には需要が増えるとその分市場に流通する量が減り、価格は上がります。
デビアス社では、これまでダイヤモンドの価格が急に暴落しないよう供給量を調整してきました。需要によって供給量を操作することで供給過多を防ぎ、ダイヤモンドの価格をコントロールしているのです。
3 2009年~2022年までのダイヤモンドの価格推移
ベルギーに本社を構える企業AJEDIAMによると、1960年以降ダイヤモンドの価格は年々上昇しており、特にここ20年で上昇スピードがさらに加速しています。
現在でも増加の一途をたどっているダイヤモンドですが、ここでは2008年から2022年までの15年間における価格推移を1〜3年ごとにご紹介します。
3-1 2009年のダイヤモンド
2009年といえば、前年に世界的な金融危機のリーマンショックが発生し、国内外の経済が混乱していた時期です。世界中の株価や価格が大きく下落し人々の生活に大きな影響を及ぼしていた中でも、ダイヤモンドの価格はわずかな減少に止まりました。
大きな理由としてはリーマンショックの後すぐに金融緩和がなされたので、富裕層の資金が比較的早くダイヤモンド市場に戻ってきたことが挙げられます。その結果ダイヤモンド価格は上昇し、2010年には2008年を上回る過去最高価格を記録しました。
3-2 2011年のダイヤモンド
2011年は中国やインドなどの新興国の需要が増加したこともあり、市場自体は上昇の傾向にありました。しかし日本では東日本大震災、ヨーロッパでは債務危機が発生し、これらの影響を受けた先進国ではあまり需要が伸びませんでした。
3-3 2012年のダイヤモンド
2012年のダイヤモンド市場は、中国、インドなどの新興市場で需要が増加し、全体的に需要が堅調でした。一方で、前年に発生したヨーロッパ債務危機の影響がまだ響いていた西洋地方では、引き続き需要が低迷していました。
また2012年はデビアス社が「Diamond Insight Report」を発表するなど、ダイヤモンド業界にとって重要な調査報告が相次いで発表された年でもありました。
3-4 2015年のダイヤモンド
2012年から2015年までの3年間は、特に0.3カラットのダイヤモンドが比較的緩やかな上昇率を記録しました。しかし日本は円高状態だったため、ダイヤモンド市場自体の伸びに比べて、それほど大きな伸びは見せませんでした。
3-5 2018年のダイヤモンド
2018年のダイヤモンド市場は、需要が堅調であった一方、価格は前年度と比べてやや低調な傾向が見られました。
理由としては主要な鉱山での生産が増加し、供給過剰に陥ったことが影響したことが挙げられます。
3-6 2020年のダイヤモンド
2020年のダイヤモンド市場は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞や需要の減少などの影響を受け、厳しい状況に直面しました。
ただし、2020年の終盤には需要回復の兆しも見られ、アメリカや中国などで徐々に市場が回復する動きも見られています。
3-7 2021年のダイヤモンド
2021年のダイヤモンド市場は、コロナ禍の影響が続く中、需要面で徐々に回復するとともに価格面でも高騰が続きました。
これには、鉱山での生産量が限られていることや、パンデミックにより生産が停滞していることなどが影響しているとされています。
3-8 2022年のダイヤモンド
2022年のダイヤモンド市場は、コロナによる影響が徐々に薄れて需要が高まりました。しかしロシアのウクライナ侵攻問題による世界からの経済制裁やインフレ、数十年ぶりの円安ドル高水準など複数の要因が重なり、市場も高騰しました。
4 ダイヤモンドの価格は今後どう推移していく?
前章ではこれまでのダイヤモンドの価格推移について解説してきましたが、今後ダイヤモンドの価格がどう推移していくのか気になる方も多いのではないでしょうか。ダイヤモンドはその時の世界情勢に左右される性質を持つので完璧な予想をすることは難しいですが、需要と供給のバランスを考慮すると、2023年以降は高騰する可能性が高いと考えられます。
2020年から続いているコロナ問題に関しては、脱コロナに成功し、世界中でコロナ前の生活を取り戻している地域が増加しています。ダイヤモンド市場においても2022年以降はコロナ以前の相場に戻っており、新たな要因が発生しない限りコロナによる暴落が発生する確率は低いと考えられるでしょう。
また高騰する理由のひとつとしてウクライナ侵攻も挙げられます。今回のロシアによるウクライナ侵攻を受け、アメリカ大統領のバイデン氏は、ロシアからのダイアモンド輸入を禁ずる大統領令を発令しました。この措置によりダイヤモンド市場への供給量が低下し、価格上昇につながると考えられます。今回のウクライナ侵攻は長期化するとの見解が多く、長期的な価格上昇が予想されます。
4-1 資産保全にもおすすめ
近年、資産保全においてもダイヤモンドが注目を浴びていることを皆さんはご存じでしょうか?金と同じようにダイヤモンドにも「ラパポート・ダイヤモンド・レポート」という国際的な相場が存在しています。
金と異なりダイヤモンドは過去60年間ほどで大きな価格変動がなく、常に上昇を続けているのが特徴です。ダイヤモンドは金融市場の変動や通貨のインフレーションなどの影響を受けにくいため、安定的な資産防衛の手段とされています。実際に2008年のリーマンショック時にも一時的に16%ほど下落しただけで、1年もかからずに元の価格に戻しています。
ただし注意していただきたいのが、ダイヤモンドとして価値があるのは「裸石(ルース)」のみということです。宝飾されたダイヤモンドに資産としての価値はないので、あらかじめチェックしておきましょう。
5 眠っているダイヤモンドのことなら”ブラリバ”にご相談を
ダイヤモンドの買取を考えている方は、過去から現在までの価格推移だけでなく、今後の展望にも注目してみてください。しかしダイヤモンドの相場を予測することはかなり難易度が高いですよね。そこで相談先におすすめしたいのが「ブラリバ」です。
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6 まとめ
ダイヤモンド市場は常に上昇し続けています。これまでリーマンショックや東日本大震災など人々の生活を脅かす出来事が発生しても、ダイヤモンドの価値が暴落することはありませんでした。
ダイヤモンドは金融危機などの影響を受けにくい性質を持っているので資産保全にも適しています。
ロシアによるウクライナ侵攻などもあり、現在市場は高騰し続けているので、買取を検討している方は今が売り時です!ダイヤモンドの相場に関することなら、どんなことでもお気軽にブラリバまでご相談ください。