近年、金の価値は上昇傾向にあるため、売却を検討している方も多いでしょう。金の売却は個人や法人、取引額が何万円以上なのかなどケース別に必要な書類が異なります。なかには、金の購入時に受け取った証明書がなくても売却が可能なのか疑問に思う方もいるのではないでしょうか?
本記事では、金を買った際に発行される証明書がなくても売却が可能なのか、買取に必要な書類や発生する税金などについて解説します。
目次
金の購入証明となる“計算書”とは
金の購入時には、購入証明となる“計算書”が発行されます。計算書には、購入日や取得金額などが記載されており、税金の計算や確定申告の際に使用される正式な書類です。また、計算書は再発行をすることができないため、大切に保管しておくようにしましょう。
【計算書の記載項目】
- 購入日
- 品名
- 品位
- 重量
- 購入日の相場価格
など
金は計算書なしでも売却はできる?
基本的に計算書がなくても金の売却は可能です。しかし、業者によっては、計算書がなく入手経路が不明な金の買取を受け付けていない場合もあるため、事前に公式ホームページなどで確認しておきましょう。
また、計算書がない場合は、売却額の95%が利益とみなされ、課税対象となるケースがあります。
例として、200万円のインゴットを300万円で売却したケースで確認してみましょう。この場合、売却益は100万円となります。しかし、金の売却では計算書がなければ、インゴットを200万円で購入した証明ができないため、300万円の95%の285万円が売却益として算出され課税対象となってしまいます。
せっかく金を売って利益を得ても、税額が増えてしまうため、計算書は失くさないように保管しておきましょう。
次章では、金の買取で必要な書類について解説します。
金の買取に必要な書類
金の買取には、原則身分証が必要となりますが、個人か法人か、売却金額が200万円を超えるかなどの条件によって、必要な書類が異なります。2章では、それぞれのケースごとの必要書類を解説します。
金の取引額が200万円を超えないケース
まず、金の取引額が200万円を超えない場合の必要書類について解説します。
個人の場合
個人が金の売却をする場合は、以下の本人確認書類が必要となります。
【1点で本人確認が可能な書類】
- 運転免許証
- 運転経歴証明書
- 住民基本台帳カード
- 特別永住者証明書
- 身体障害者手帳
- マイナンバーカード
- パスポート
いずれも有効期限内のものを提出しましょう。2020年2月4日以降に発行されたパスポートについては住所の記載がないため、別途、現住所が確認できる本人確認書類の提出が必要となっています。
また、国民健康保険証や国民年金手帳などの顔写真のない身分証明書の場合も、現住所の確認ができる補完書類が必要となるため注意しましょう。
【補完書類として有効なもの】
- 住民票
- 戸籍謄本
- 印鑑登録証明書
- 国税・地方税の領収書
- 納税証明書
- 公共料金の領収書(電気・ガス・水道など)
法人の場合
法人が金の売却をする場合には、以下の書類のうちいずれか1点と、来店者の本人確認書類の提出が必要です。
- 登記事項証明書(現在事項全部証明書・履歴事項全部証明書)
- 印鑑登録証明書
もし、代表取締役以外が来店する場合には、法人委任状が必要となる場合もあるため注意しましょう。
金の取引額が200万円以上のケース
個人で金の取引額が200万円以上となる場合は、マイナンバーカードまたは通知カードの提出が必須となります。通知カードを提出する場合は、顔写真が掲載されていないため、顔写真付き本人確認書類の提出も必要です。
このように本人確認の強化がされた理由には、金やプラチナの売却益の無申告が多発していたという背景があります。税務署が金の売買がどのように行われていたかを把握するために、2012年1月に“金地金等の譲渡の対価の支払調書制度”が施行されました。
この制度の導入により、事業者はマイナンバーの記入が必要な支払調書の提出が求められるようになっています。
200万円を超える金の取引を行なう場合は、事前にマイナンバーカードの発行をしておくとスムーズに手続きができます。以下の記事では、金の買取に身分証が必要な理由や、買取時の注意点などを解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
金を売るなら税金もチェック
金を売却するとなると、どのような場合に税金がかかるのか気になる方も多いのではないでしょうか?金の売却で利益を得た場合、基本的に税金がかかります。売却前に税金について確認し、申告漏れをしたり無申告となってしまったりしないようにしましょう。
金の売却で課税対象となる条件
金の売却で得た利益は、譲渡所得に分類され、基本的に課税対象となっています。とはいえ、金の売却で全てが課税対象となるわけではなく、一定額を超えた場合に税金がかかります。
課税対象となるのは、金の売却額から、金の購入額を引いた金額が、特別控除の50万円以上となる場合です。たとえば、金を100万円で購入し、150万円で売却した場合は50万円の利益が発生するため、課税対象となります。
つまり、金を売却して得た利益が年間50万円を超えなければ非課税ということです。
金の売却で利益が発生したら確定申告を
金の売却で利益を得たら、まず確定申告が必要かどうかを確認しておきましょう。前述のとおり金を売って利益が発生した場合、原則確定申告が必要となりますが、以下の条件の場合は所得税の確定申告が不要となります。
- 年収が2,000万円以下の給与所得者かつ金の売却益が20万円以下
確定申告をしなかった場合、税務署から申告漏れの指摘を受け追徴課税が発生するため、注意が必要です。こちらの記事では、金の売却時にかかる税金や確定申告の方法を詳しくご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
計算書を紛失してしまったら税務署へ
確定申告をする際に、金の購入価格を証明する書類として領収書を提出しても、所轄の税務署によっては受理されないケースもあります。そのため、もし金購入時に受け取った計算書を失くしてしまったら、税務署や税理士に相談するのもひとつの方法です。
また、確定申告の必要書類が多かったり、手続き方法が煩雑になったりと分かりにくいケースも少なくありません。確定申告について疑問点がある場合には、税務署や税理士に相談し、正しい方法でスムーズに進めましょう。
計算書がなくても金を売れるが損する可能性もあるので注意
今回は、金購入時の証明書(計算書)なしで買取はできるのかという点について解説をしました。一定条件を満たした場合は、所得としてみなされ確定申告が必要となるため、手続きを忘れないようにしましょう。
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