数ある宝石の種類の中でもトップクラスで人気の「ダイヤモンド」。
ダイヤモンドは天然石以外にも種類があり、近年では見た目が似ている人工石や類似ジュエリーが多数流通しています。なかには、偽物を「天然のダイヤモンド」と偽り売っているショップまであります。できれば、本物である天然のダイヤモンドと偽物のダイヤモンドを自分で見分けられるようになりたいところです。
そこで本記事では、どんなダイヤモンドが偽物と呼ばれているのかおさらいしながら、ダイヤモンドの見分け方について詳しく解説していきます。
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目次
偽物のダイヤモンドってどんなもの?
天然のダイヤモンドと比べて成分が異なるものを偽物のダイヤモンドと呼ぶことが多いです。見た目は天然のダイヤモンドに類似しており、模造ダイヤモンドとも呼ばれています。
成分について、天然のダイヤモンドは約99.95%の炭素からできています。対して、偽物のダイヤモンドはガラスやプラスチックなど炭素以外の成分からできており、おもに以下2つが有名な偽物として挙げられます。
・キュービックジルコニア(CZ)
・モアサナイト
キュービックジルコニア(CZ)とは、二酸化ジルコニウムを主成分とし、酸化カルシウムや酸化マグネシウム、酸化イットリウムなどを混ぜて結晶化させたものです。天然のダイヤモンドに近い輝きを放ち、モース硬度は8.5でダイヤモンドには及ばないものの、宝石界では硬度の高い部類に入ります。
続いて、モアサナイトとは炭化ケイ素の水晶石のことです。天然石も存在しますが、とても希少なため流通しているものはほとんどが人工石です。モアサナイトは、1893年にアメリカ・アリゾナ州に落下した隕石の中から発見され、「宇宙からの贈り物」とも言われています。
本物のダイヤモンドではない場合、上記のキュービックジルコニアとモアサナイトのどちらかであることが多いです。
出典:ダイヤモンドについて– GIA
出典:ダイヤモンド類似石についての詳細情報|Gemological Institute of America – 4C
出典:モアサナイトとは?– Brillar
「人工ダイヤモンド」は偽物なの?
天然のダイヤモンドと同じく炭素でできており、工場などで人工的に作ったものを「人工ダイヤモンド」と呼びます。ラボグロウンダイヤモンドや合成ダイヤモンドと呼ぶこともあります。
人工ダイヤモンドは、結晶の形成過程は異なりますが、天然ダイヤモンドと同じ成分であるため「本物」として扱われることが多いです。ここで改めて、本物と偽物を区分しておきましょう。
・天然ダイヤモンド(本物)
・人工ダイヤモンド / 合成ダイヤモンド(本物として扱われることが多い)
・模造ダイヤモンド(偽物)
人工ダイヤモンドは、成分や結晶構造が天然ダイヤモンドとほぼ同じであり、一般的なテスト方法では見分けがつかない場合が多いです。そのため見分けるには、鑑定士による専用の検査が必要です。それほどまでに本物と類似している人工ダイヤモンドですが、天然ダイヤモンドと比べて「希少性や価格」は大きく異なります。
天然ダイヤモンドは何億年という時間をかけて形作られますが、人工ダイヤモンドは工場にて数週間ほどでできあがります。そのため、希少性や価格は高くなく、天然ダイヤモンドの30〜60%ほどの値段で入手できます。
このことから、近年では人工ダイヤモンドは市場シェアを拡大しており、工業製品やファッションジュエリーなどによく使用されるほど人気を集めています。
出典:合成ダイヤモンドについての詳細情報|Gemological Institute of America – 4C
出典:薄れゆく天然ダイヤの「永遠の輝き」 人工ダイヤが急速にシェア拡大 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
本物のダイヤモンドを見分ける方法
近年では偽物のダイヤモンドも多く流通しているため、本物との見分け方をよく理解しておきたいところです。
ここでは、本物のダイヤモンドと偽物のダイヤモンド(模造ダイヤモンド/人造ダイヤモンド)の見分け方として、以下の方法を挙げています。
・息を吹きかけて、曇り具合を見る
・冷蔵庫に入れてみる
・文字の上に置いて、石越しに文字を見てみる
・水を垂らしてみる
・宝石同士でこすってみる
・拡大鏡やルーペで表面を確認する
・重さを量る
・ブラックライトに当ててみる
・ダイヤモンドテスターを使用する
では、それぞれの見分け方について詳しく見ていきましょう。
息を吹きかけて、曇り具合を見る
天然ダイヤモンドは熱伝導率がとても高く、物質内に熱が浸透するスピードが早いという性質があります。そのため、本物のダイヤモンドであれば、息を吹きかけたときに表面が一瞬しか曇らず、すぐに透明に戻ります。
しかし、キュービックジルコニアなど成分の異なるダイヤモンドは、曇った表面がもとに戻るまで少し時間を要します。
この見分け方について、宝石鑑定士の岩見尚見さんの公式YouTubeチャンネルでは「本物のダイヤモンドとキュービックジルコニアに息を吹きかけて検証している動画」が投稿されています。分かりやすく映像で比較されているため、一度見ておくと理解しやすいでしょう。
冷蔵庫に入れてみる
こちらも上の息を吹きかける方法と同じく、熱伝導を利用した見分け方です。ダイヤモンドを冷蔵庫にしばらく入れてから取り出した場合、本物であればすぐ常温に戻ります。
しかし、成分の異なる偽物のダイヤモンドは、常温に戻るまで少し時間を要します。ちなみに、冷やしておく時間は5分程度が目安です。あまり長時間冷やしてしまうと、品質を損なう可能性もあるため注意しましょう。
文字の上に置いて、石越しに文字を見てみる
本物のダイヤモンドと偽物のダイヤモンドは「光の屈折率」が異なります。そのため、文字を書いた紙の上に置いて、石越しに文字を見てみることで見分けられます。
本物のダイヤモンドは光の屈折率が高く、文字を透かしてみることができません。いっぽうで、偽物のダイヤモンドと呼ばれるものは屈折率が低く、石の上からでも文字を確認できます。
水を垂らしてみる
本物のダイヤモンドは、疎水性(水をはじく性質)が高いです。そのため、本物のダイヤモンドの表面に水を垂らすと表面に「丸い水滴」ができて、その状態のまま落下します。いっぽうで、キュービックジルコニアなど疎水性が低い石の場合、水を垂らすと「平べったい形」に広がります。
また、本物のダイヤモンドは親油性もあるため、油性ペンなどで色付けすることが可能です。本物だった場合を考えると実際に検証するのはリスクがあるので、そういった特性があるということだけ理解しておきましょう。
宝石同士でこすってみる
本物のダイヤモンドのモース硬度は最高ランクの10であるため、欠けたり砕けたりすることがめったにありません。そのため、ガラス製品や宝石などとこすりつけてみると、本物のダイヤモンドであればガラス製品や宝石の方だけ傷がつきます。
いっぽうで、偽物のダイヤモンドの場合は両方が傷ついたり削れたりします。あまりにも力強くこすると、流石に本物のダイヤモンドでも傷がつく可能性があるため、力加減には注意しましょう。
拡大鏡やルーペで表面を確認する
本物のダイヤモンドの表面は、独特の鋭いエッジがあり、カット面の境目がハッキリとして見えます。対して、偽物のダイヤモンドはエッジが丸く、カット面の境目がぼんやりしている傾向にあります。
虫眼鏡やルーペなどを用意する必要がありますが、この見分け方は分かりやすいためおすすめです。こちらも、先ほど紹介した宝石鑑定士の石見さんの動画で実際のカット面を見てみると分かりやすいです。
重さを量る
本物のダイヤモンドは1カラットあたり0.2gですが、キュービックジルコニアやモアッサナイトなどは天然ダイヤモンドと異なる密度を持ちます。たとえば、キュービックジルコニアであれば、本物のダイヤモンドの約1.5〜2倍の重さがあります。
そのため、重さを量ったときにカラット数に応じたグラムである場合は本物、そうでなければ偽物である可能性が高いと言えるでしょう。カラット数が明確であるダイヤモンドを見分ける際は、ぜひ重さを量って確認してみてください。
ブラックライトに当ててみる
ブラックライトに当てるというのも、ダイヤモンドを見分ける方法の一つです。
本物のダイヤモンドをブラックライトで照らした場合、含まれる不純物が反応して青く光ると言われています。しかし、ダイヤモンドは天然石なので個体差があり「蛍光性」のあるものだけが光ります。
そのため、「青く光らない=偽物」というわけではないので注意しましょう。ブラックライトによる方法は、正確に本物と偽物を見分ける方法とまではいかないですが、一つの方法として覚えておきましょう。
ダイヤモンドテスターを使用する
最後に、熱伝導率を計測する機器「ダイヤモンドテスター」を使用するという方法もあります。宝石・ジュエリー査定を専門とする業者が利用する機器ではありますが、Amazonなどでは数千円のダイヤモンドテスターも売っています。
しかし、プロ仕様の高価なダイヤモンドテスターでなければ、精度の高い判別は難しいかもしれません。あくまで一つの方法として理解しておく程度が良いでしょう。
ダイヤモンドの見分け方:一覧
もう一度、ダイヤモンドの見分け方をおさらいしておきましょう。
本物 | 偽物 |
---|---|
息をかけても曇りにくい | 息をかけると曇る |
冷やしても常温にすぐ戻る | 常温に戻るまで時間がかかる |
文字の上に置いても文字が透けない | 文字の上に置いたら文字が透ける |
水を弾く | 水を弾かない |
傷がつきにくい | 本物よりは傷がつきやすい |
表面に鋭いエッジがありカット面の境目がハッキリしている | 表面に丸いエッジがありカット面の境目がぼんやりしている |
1カラット0.2g | 天然ダイヤモンドよりも重い傾向にある |
ブラックライトで青く光る個体もある | ブラックライトで青く光らない |
上記方法にて調べたうえで、「自分で判断するのは自信がない」という場合は、次で解説する方法をおすすめします。
自分でダイヤモンドを見分けるのが難しいときは
ここまでは、本物のダイヤモンドと偽物のダイヤモンドの見分け方について解説しました。しかし、自分で判断するのが不安という方も多いでしょう。そんなときは以下の方法で確認しましょう。
・ダイヤモンドの鑑定書があるか確認する
・専門機関の「CGL」や「GIA」を利用する
・宝石・ジュエリーの買取専門店を利用する
ダイヤモンドの鑑定書があるか確認する
ダイヤモンドに限らず、天然の宝石を購入した際には「鑑定書」がついてきます。対して、偽物には「鑑定書」がつきません。そのため、もしお手元に鑑定書がある場合は、天然のダイヤモンドである可能性が高いでしょう。
しかし、宝石の粒が小さく価値が低めだからという理由から、天然ダイヤモンドでも原則として0.15ct未満には鑑定書がつかないので注意しましょう。
詳しくは、ダイヤモンドの鑑定書の記事で解説しているので、気になる方はこちらも併せてご覧ください。
専門機関の「CGL」や「GIA」を利用する
手元に鑑定書がなく、専門機関にダイヤモンドの鑑定を頼みたい場合は「CGL(中央宝石研究所)」や「GIA(米国宝石学会)」に依頼するのがおすすめです。以下のような専門鑑定機関であれば、偽物はもちろん人工ダイヤモンドかどうかまでしっかり見極めてくれる可能性が高いです。
CGL(中央宝石研究所)
「CGL」は日本が誇る宝石の鑑定機関であり、宝石鑑別団体協議会(AGL)に加盟しています。国際機関と連携しているため、世界的に見ても信用度の高い鑑定機関です。天然か人工かを見てほしい場合は、「ダイヤモンド鑑別」を依頼すれば鑑別結果をレポートで教えてくれます。
GIA(米国宝石学会)
「GIA」は、世界でもっとも信用されているアメリカの宝石研究機関です。ダイヤモンドの品質評価基準「4C」を制定したことで知られています。「ダイヤモンド グレーディング レポート」というのを依頼すると、「4Cの評価」や「天然石か否か」を鑑別してくれます。
出典:[ダイヤモンドのグレーディング・宝石の鑑定、鑑別・宝石鑑定書] 中央宝石研究所(CGL)
出典:GIA 4Cs – ダイヤモンドの4Cと宝石の情報
宝石・ジュエリーの買取専門店を利用する
お近くの宝石・ジュエリー買取専門店では、在籍している査定士さんがダイヤモンドの価値をチェックしてくれます。鑑定書がない場合でも見てくれるため、今の価値が気になる方は買取専門店での査定を利用してみるのも良いでしょう。
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ダイヤモンドの真贋を見分けるのは難易度が高い
自分が持っているダイヤモンドが本物か偽物かどうか気になる場合は、まずは本記事で紹介した見分け方で調べてみましょう。その上で、確信が欲しい場合は、鑑定機関や買取専門店に相談してみるのがおすすめです。
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