エルメスといえば、職人の手作業による高品質な革製品が有名なブランドです。
本記事では、エルメスの革製品で使用されている革素材のバリエーションを紹介していきます。エルメスの人気素材やレア素材を知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
目次
エルメスの革素材について
エルメスでは、牛革を中心にさまざまな素材のバリエーションを展開しています。ここでは、エルメスの革素材に関する基礎知識を解説します。
エルメスの革製品の魅力
エルメスの革製品の魅力は、なんといっても皮革技術の高さです。エルメスのバッグはすべての工程が手作業で行われており、量産することができません。また、使用する素材にもこだわり抜いており、厳しい品質管理がされています。
たとえば牛革のバッグの場合、使用できる革は1万頭の牛につき、わずか30枚ほどしか取れない最上級の素材を使います。
こうしたこだわりのひとつひとつが、エルメスの魅力であり、超一流ブランドといわれる理由です。バーキンやケリーなどの人気アイテムは生産数も限られているため、特に入手困難です。正規店で購入するためには何度も店舗に通う必要があり、エルメスフリークの間ではエルパト(=エルメスパトロール)と呼ばれています。
エルパトについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
エルメスの素材の見分け方
エルメスでは、牛革を中心にさまざまな素材を使用しています。エルメスの人気素材である牛革だけでも、トゴ、トリヨン、エプソン、ヴォースイフトなど、数多くの素材がありますが、素材を見分けるときに注目したいのが革の質感です。
くったりと柔らかな質感ならトリヨンクレマンス、かっちりと硬めの質感ならエプソンと、それぞれの革で異なる質感があります。また、表面の型押し加工でも質感が異なるため、エルメスのバッグや革小物を購入するときは、ぜひ素材にもこだわってください。
新素材も次々と登場
エルメスでは、レザーや布などさまざまな素材が使用されています。定番の素材だけでなく、質感の異なる新素材が次々と登場しており、最近ではキノコを原料としたヴィーガンレザー素材「シルヴァニア」が話題を呼びました。
伝統を守りつつ、地球や動物の環境を守るエルメスの取り組みは、世界中から注目を集めています。また、上質な素材を安定的に供給するために、自社でワニの養殖などの取り組みも行っているそうです。これからもエルメスが生み出す新素材から目が離せませんね。
素材とカラーの組み合わせを楽しむ
エルメスの革製品はカラーバリエーションの多さが魅力ですが、実は同じ色でも素材によって発色が変わります。エルメスの革製品を選ぶときは、素材とカラーの組み合わせも重要です。
たとえば、エルメスの人気色であるゴールドの場合、素材によってこれだけ色が変わります。
トゴは繊細な発色が特徴で、経年によって革の質感とともに色も変化しやすいという性質があります。ヴォー・エプソンは発色のよさで人気があり、ピンクや黄色など鮮やかで彩度の高い色に向いています。トリヨンクレマンスも発色がよい素材ですが、深みのある色が得意なので、濃色のアイテムにおすすめです。
エルメスのカラーについて知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
エルメスの値段は素材で決まる?
エルメスは、同じアイテムでも素材によって値段が異なります。以下の表は、エルメスのバーキン25の値段を素材別にまとめたものです。
エルメスの革素材でリーズナブルなのは、やはり牛革系の素材です。スイフトのみ若干高いですが、牛革素材の中ではそれほど大きな差はありません。
エキゾチックレザーは牛革と比べて大幅に値段が高く、とくにクロコダイル系の素材は500万円を超えます。エルメスで使用している最高級の素材は年々入手が難しくなっているため、数年おきに値上げされるため、今後ますますエルメスのバッグが高額になる見込みです。
エルメスで一番高級な素材とは?
エルメスで使用されている素材のなかではワニ革素材がもっとも高級とされています。エルメスでは、アリゲーター、ニロティカス、ポロサスの3種類のワニ革素材を扱っていますが、この中ではポロサスがもっとも高価です。
しかし、実はポロサスを超える幻の素材というものが存在します。それが「ヒマラヤ」という素材です。ヒマラヤは、染色を施していないニロティカスクロコダイルのことで、素材そのものの色や模様をいかしています。
ヒマラヤは、ヒマラヤ山脈の雪解けをイメージさせる白と茶色の美しいグラデーションが特徴です。しかし、エルメスの厳しい品質チェックをクリアしてバッグに使用できる革はほとんどなく、市場に流通する数はごくわずかです。
ヒマラヤ素材のケリーやバーキンが店頭に並ぶことはほとんどなく、入手できるのは限られた顧客のみです。そのため定価は明かされていませんが、口コミによると800万円から900万円といわれています。中古市場では3000万円前後で取引されており、プレミア価格は年々高騰しています。
2017年に香港で行われたクリスティーズのオークションでは、ヒマラヤ素材にダイヤモンドとホワイトゴールドの金具をあしらったバーキンが、4200万円で落札されました。事前予想を大きく上回る落札価格だったこともあり、エルメスのヒマラヤの評判がますます高まったといえます。
定番&人気素材の牛革
エルメスは牛革素材が豊富で、廃盤になったものを含めると30種類以上あります。大きく分けると4つの種類があり、その中でもそれぞれ微妙に風合いが異なります。
- 自然な風合いの素材=革の質感をそのままいかしたナチュラルな素材
- 型押し素材=プレス加工を施し、革の表面に模様が入った素材
- スムース素材=なめらかな手触りとスムースな質感が特徴の素材
- その他の素材=ハラコ素材やベロア素材など、独特の質感がある素材
多数あるエルメスの牛革素材の中で、とくに人気が高い素材がトゴ・トリヨンクレマンス・エプソン・スイフトです。
トゴ
トゴは、雄の仔牛の革を使用した素材です。ハリのある質感で、細かい革目が入っています。斜めから見たとき、薄っすらと縦に血筋が入っているのもトゴの特徴です。お手入れもしやすい素材のため人気が高く、バッグから財布まで、幅広いアイテムに使われています。
トリヨンクレマンス
トリヨンクレマンスは、雄牛の革を使用した素材です。柔らかな手触りが特徴で、バッグにしたときもフォーマルになりすぎず、優しい雰囲気になります。上質な革のふんわりとした質感を楽しみたいなら、トリヨンクレマンスがおすすめです。
エプソン
エプソンは、正式名称を「ヴォー・エプソン」といいます。トリヨンクレマンスと同じ雄牛の革を使用した素材ですが、かっちりとした固めの質感が特徴です。軽くて型崩れしにくいためバッグに人気の素材で、発色にも優れています。
スイフト
スイフトの正式名称は「ヴォー・スイフト」です。雄仔牛の革を使用しており、型押しのないスムースな質感が特徴です。鮮やかなカラーも美しく発色するため、カラフルな色のアイテムを好む方は、スイフト素材を選ぶことが多いようです。
柔らかな山羊革素材
エルメスの山羊革素材は、主に革小物の素材として使われるほか、バーキンの内側の素材にも重宝されています。現在使用されているのは「シェーブル ミゾル」と「シェーブル コロマンデル」の2種類です。コロマンデルのほうが、ミゾルより型押しの模様が大きいのが特徴です。
山羊革は牛革よりも軽量で、傷に強いというメリットがあります。ただし、あまり大きな革を取ることができないため、小さめのバッグや財布などが中心です。
使いやすい水牛革素材
エルメスの水牛革素材は、防水性が高く柔らかい質感が特徴で、カジュアルなアイテムに向いた素材です。水牛革素材では「ブッフル」「ブッフルシンドゥ」がガーデンパーティに使われているほか「ブッフルガラ」が小物に使われています。
ゴージャスなワニ革素材
エルメスでは、アリゲーターとクロコダイルの2種類のワニから素材を使用しています。エルメスのワニ革は、光沢のある素材とマット加工を施した素材があり、それぞれ異なる質感が魅力です。
ひとつのバッグを作るためには3〜4頭のワニが必要で、ワニ革を扱える職人も希少です。そのため、エルメスの革素材の中でも、ワニ革はもっとも高級品です。
ポロサス(シャイン・マット)
ポロサスは、きめ細かく、左右均等に並んだウロコが特徴の素材です。加工や染色を施したワニ革素材の中では最高級品とされています。細かく繊細な模様のため、財布などの小物にもよく使われます。
ニロティカス(シャイン・マット)
ニロティカスは、アフリカ・ナイル川流域原産のクロコダイルを使用した素材です。ポロサスと比べて模様が大きく、カジュアルな印象があります。普通のニロティカスはポロサスより安価ですが、染色を施していないニロティカスマットは、珍しいヒマラヤ素材として高額で取引されます。
アリゲーター(シャイン・マット)
アリゲーターは、別名「ミシシッピワニ」という非常に貴重な品種です。ポロサスやニロティカスと比べて斑目が大きく、穿孔と呼ばれる小さな点状の模様がないのが特徴です。斑目が大きい分、ワイルドでカジュアルな印象となります。
個性的なエキゾチックレザー素材
エキゾチックレザーとは、ワニ革を始めとした希少動物の皮革のことです。エルメスでは、ワニ革以外にも個性的なエキゾチックレザーを取り扱っています。
オーストリッチ
オーストリッチは、南アフリカやオーストラリアを原産としたダチョウの革です。クイルマークと呼ばれる独特の水玉模様は、オーストリッチの羽毛を抜いた跡で、エルメスでは模様が均一に揃ったものだけを厳選して使用しています。
エミュー
エミューは、オーストリッチよりも小さい種類の鳥で、クイルマークも小さく細かいのが特徴です。一匹から取れる面積が小さいため非常に貴重な素材で、主に財布などの小物に使用されます。
リザード
リザードは、東南アジア原産のトカゲの革です。独特の光沢と細かい斑紋が特徴で、非常に高級感があります。主に財布や小型のバーキンで使用される素材で、エレガントな雰囲気が魅力です。
カジュアルな布素材
エルメスでは、皮革だけでなく布素材も多用されています。扱いやすく気軽に使えるため、エルメスのバッグをカジュアルに持ちたい人に人気の素材です。
トワルアッシュ
トワルアッシュは、エルメスの布素材の中でも、もっともベーシックなキャンバス地の素材です。オフホワイトの丈夫な生地で、摩擦にも強く普段づかいのバッグにおすすめです。
トワルGM
トワルGMは、トワルアッシュより織り目が大きく、ざっくりとした風合いが魅力の素材です。トワルアッシュと同じく2色の糸で平織りしているため、摩擦に強く丈夫です。
トワルオフィシェ
トワルオフィシェは単色の糸を使用したコットンキャンバス素材で、主にガーデンパーティやエールバッグに使用されています。マット感のある素材なので、落ち着いた雰囲気が特徴です。
エルメス製品のお手入れ方法
エルメスのアイテムはどれも厳選された高級素材を使用しているため丈夫です。しかし、きれいな状態を保つためには、適切なお手入れが必要です。ここでは、エルメス製品のお手入れ方法をご紹介します。
日常のお手入れは意外と簡単!
バッグや財布などは、使ったあとに乾いた柔らかい布で拭くだけでOKです。濡れた布やクリームなどをつけて拭くと、シミや色むらの原因になるため避けましょう。
保存は風通しのいい場所に
使わないときは、かならず風通しのよい場所で保管します。湿気の多い場所や風通しの悪い場所での保管は、カビがはえる可能性があります。また、バッグは型くずれしないように、中身を出しておきましょう。
メンテナンスは直営店が基本
エルメスでは、直営店で有償のメンテナンスを受け付けています。エルメス好きの間では「お磨き」とも呼ばれ、クリーニングやリペアをしてもらえます。遠方の場合は郵送でのメンテナンス依頼も可能です。
劣化防止にカレやツイリーを巻くのがおすすめ
バッグの持ち手の劣化を防ぐためには、カレやツイリーなどのスカーフを巻くのがおすすめです。エルメスにはさまざまな柄のカレやツイリーがあり、自分だけの個性をアピールすることもできます。
さいごに
今回は、エルメスで使われている素材について詳しく紹介しました。エルメスでは革や布などさまざまな素材が使用されており、素材が変わるとイメージも大きく変わります。エルメスのアイテムを購入する際には、ぜひ素材にもこだわってみてはいかがでしょうか。
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