高級ブランドの代名詞として、長きに渡り君臨しているブランド「エルメス」。日本でも非常に人気は高く、多くの女性の憧れとなっていますが、その中でも女性人気が高いバッグとしてあげられるのが「バーキン」と「ケリー」になります。どちらもラグジュアリーバッグの中では、非常に高価な部類に入ります。
ですが、その一方でバーキンやケリーはなぜ金額が高いのか疑問をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか?本記事では、エルメスのバーキンとケリーが高い理由からバッグの誕生秘話、それぞれの違いについて詳しく紹介しています。
目次
エルメスのバーキンとケリーが高い理由
エルメスの看板商品であるバーキンとケリーは、どちらの商品も人気と定価が高いバッグとなります。サイズが一番小さいものであっても、定価は100万円を超えるほどかなり高額となっています。
なぜここまでエルメスのバーキンやケリーは高いのでしょうか?ここでは、バーキンとケリーが高い理由について5つ紹介していきます。
高い需要に供給が追いついていない
バーキンに限らず、高級ブランド時計や一部のインディアンジュエリーなど、供給に対して需要が高いアイテムは軒並み定価や中古価格が高くなる傾向にあります。
エルメスも例に漏れず、供給が需要に追いついていない状態になります。その中でも特にバーキンやケリーは世界的に人気が高く、入荷してすぐに売り切れてしまうことも珍しくありません。そのため、入手するにも競争は激しく、中古品であるにも関わらず、金額は定価以上で取引されることもあるのです。
すべてが職人の手作業であるから
供給が少ない理由にもなりますが、エルメスのすべての製品は熟練の職人がひとつひとつ手作りで時間をかけて製作しています。作業は分担制ではなくひとりの職人が最後まで仕上げるという強いこだわりによって作られているのです。
また、気温や湿度による素材の状態変化に注意を払いながらバッグの製作を行っていますので、ひとつのバッグにかける情熱はかなりのものになります。
そのような作業工程であることから、生産数が限られ大量生産が出来ないとても希少性が高いアイテムとなっています。
高品質の素材を使用している
バッグの価格が高くなる一番の要因としてあげられるのが、素材の品質になります。エルメスは牛革をはじめとした天然素材を惜しげもなく使用していることから、金額が高くなるのです。
最もスタンダードでポピュラーな素材は牛革ですが、それ以外にもダチョウの革(オーストリッチ)やリザード、クロコダイルなどのエキゾチックレザーと呼ばれる希少な素材で作られています。
エルメスであれば、スタンダードな牛革であったとしても最高級のものを使用しているため、最低でも100万円台となりますが、エキゾチックレザーは400万円を優に超えてしまうのです。
エキゾチックレザーは元々希少素材であることと野生動物の保護が進められている影響から、牛革と比べてしまうと入手が難しくかなり高価となります。
バーキンやケリーの中でもVIPにしか購入出来ない高級な価格帯も!
エルメスは基本的に高級な牛革を使用していますが、カラーリングや使用する素材のバリエーションが豊富なことも特徴です。その中でも特に希少価値が高いといわれているのが、先述でも紹介したクロコやオーストリッチなどの特殊な革素材を使用したバッグです。
クロコ(ワニ革)、オーストリッチ(ダチョウ革)、リザード(トカゲ革)などが使用されたバーキンとケリーは購入が非常に難しく、選ばれた顧客の中でもさらに限られたVIP顧客のみに案内されることもあるようです。
そのエルメスバッグ最高峰として名高い素材が「ヒマラヤ」になります。
この素材は、エルメスがナイル川流域から厳選して取り寄せたクロコダイルの中でもほんのわずかに取れる極めて上質なものだけを使用した最高級品です。その美しさはチベットからネパールに連なるヒマラヤ山脈を連想させます。
アフターケアが手厚い
エルメスの価格が高い理由として、アフターケアの手厚さがあります。その内容としては、ファスナーの交換やステッチ補修、リペアなど多岐に渡ります。さらに、修理職人のアトリエが世界中に設けられており、ヨーロッパやアジア、アメリカの12都市に点在しています。
修理する職人は、高度な技術を有した方のみ。そのため、プロの手によってバッグをきれいな状態に蘇らせることができるのです。
バッグを一度購入すると長年使用し続けられるためのアフターケア体制が整っていることにより、バーキンは価格が高いのだといえます。
バーキンとはどんなバッグ?
ここからはバーキンがどんなバッグなのかを誕生秘話からサイズごとで深堀りしていきます。どんなシーンで利用できるかなどもお話していきますので、これからバーキンを持ちたいという方はぜひご覧ください。
バーキン誕生にまつわる逸話
1章でお伝えしてきたようにエルメスのバッグには、他のブランドバッグとは一線を画すものがあるとお話してきました。ですが、なぜここまでバーキンは女性の心を掴んで離さないのでしょうか?その人気の裏には、バーキンが誕生したエピソードが関係しているのかもしれません。
バーキンが生まれるきっかけとなったのは、1984年の飛行機の中でした。エルメスの5代目社長である『ジャン=ルイ・デュマ=エルメス』は、飛行機で偶然隣り合わせたイギリス人シンガー『ジェーン・バーキン』のバッグに目が止まります。彼女のバッグは荷物を詰め込んで膨れ上がっており、今にも溢れ出るほどになっていたのです。
それを見たエルメスは、彼女に「整理せず何でもつめこむことができるバッグをプレゼントさせてほしい」と申し出たのです。はじめは彼女のために作成されたバッグでしたが、市場に出回るようになったことでジェーン・バーキンの名前にちなんでバーキンと呼ばれるようになりました。
そんなジェーン・バーキンのために作られたバッグこそが、エルメスの代名詞である「バーキン」なのです。
バーキンのサイズ展開一覧
バーキンは多くのサイズが展開されており、大きさでそれぞれ用途が異なります。ここでは、日本で流通しているバーキンの4サイズについて、特徴や使用用途を交えて紹介していきます。
バーキン25
紹介する中ではもっとも小ぶりなバーキンです。
小さいながらもエレガントな印象は、ちょっとしたおでかけやパーティーなどにも活躍するサイズとなっています。あまり荷物は入らないので、普段から荷物が少ない人や小さなバッグを好む方にはとてもおすすめできます。持ち手は小さいため、肩から掛けることはできません。
バーキン30
このサイズは、フランス本国では「日本サイズ」とも呼ばれているサイズです。
小柄な日本人にはちょうどよいサイズで、日本国内で最も人気のサイズとなっています。タブレットや手帳を収納でき、普段使いにも耐えうるサイズとなっています。バーキン25と比べて持ち手も大きくなっていますが、肩から掛けるのに向かないサイズとなっています。
バーキン35
B5サイズの書類も無理なく収めることができるので、ビジネスシーンに適した大きさです。バーキン35は海外では最もメジャーなサイズで、海外セレブやトップモデルの間ではジーンズなどのラフなスタイルに合わせるのが流行りとなっています。
バーキン40
バーキン40は、ジェーン・バーキンさんが愛用しているサイズでもあり、A4サイズの書類を綺麗に収納することが出来ます。
荷物が少ない人であれば、一泊程度の旅行にも耐えうる容量となっています。また、このサイズであれば、女性だけではなく仕事でパソコンや資料を持ち運ぶ男性にもおすすめすることができます。
ケリーとはどんなバッグ?
エルメスの代名詞であるケリーは、バーキン同様、店頭に並ぶことはほとんどなく入手がとても困難なバッグとして知られています。ケリーにはバッグが放つ品格と外観の美しさ、そして実用性の高さがあげられます。
ここでは、そんなケリーが生まれた経緯やサイズ展開についてをご紹介していきます。
ケリー誕生にまつわる逸話
このバッグは1935年にはすでに発売されていましたが、現在のケリーではなく「サック・ア・フロア」という名前でした。サック・ア・フロアは鞍やサドルに装着できるサドルバッグ「オータクロア」を改良して婦人用バッグとして登場しました。
サック・ア・フロアが「ケリー」と改名されたのは1956年のこと、ハリウッドの人気女優からモナコの王妃となった「グレース・ケリー」が、妊娠中の大きなお腹を手に持っていたバッグで隠した写真で雑誌「LIFE」の表紙を飾りました。そのお腹を隠したバッグこそがザック・ア・フロアだったのです。
グレース・ケリーの人気と話題性によって、エルメスのサック・ア・フロアは瞬く間に世界中に認知されました。この出来事を受けて、エルメスの4代目社長である『ロベール・デュマ』はモナコ王室の正式な許可を得てサック・ア・フロアを彼女の名前である「ケリー」としたのです。
ケリーのサイズ展開一覧
ケリーは幅広いサイズ展開をしており、すべてを網羅すると8サイズとなります。ここでは、ミニケリーやケリー ヴォヤージュと呼ばれるサイズを省く5サイズを紹介していきます。
ケリー25
ケリーの定番サイズの中では、最も小さなサイズとなります。コンパクトなサイズではありますが、横幅は25cmもあるので長財布を収納することができます。最低限の必需品や貴重品を収納することができますので、実用的でありながらフォーマルでもパーティーでも活躍することができる人気のサイズとなっています。
ケリー28
大きすぎず小さすぎない丁度いいサイズで人気が高いサイズとなっています。貴重品と必需品を収納でき、実用性が高いうえに小ぶりで上品な見た目から、和服に合わせることもできます。28cmはデイリーバッグとして最適なサイズとして人気が高く、25cmと同様に店頭に並ぶことはほとんどありません。
ケリー32
コスメポーチや財布、スマホなどの貴重品を収納でき、その上500ml程度のペットボトルも入れることができます。この大きさはもっとも定番なサイズで、人気が高く初めてのケリーとして選ばれているサイズです。
比較的大きめではありますが、ケリーの美しく女性らしいフォルムが際立つことでエレガントな印象を与えてくれます。
ケリー35
このサイズになると、A4の書類を収納することが可能となります。セミナーなどの外出先で頂いた書類などを入れるのに困らないサイズとなっています。ビジネスシーンにも使用することができ、スカートよりもパンツスーツなどのマニッシュのようなスタイルと相性がいいです。
ケリー40
ケリー40はかなり大きさを感じるサイズで、バッグの存在感が強く海外セレブが愛用していることで知られています。この大きさになると1泊2日の旅行でも問題ないくらいの収納力を誇り、女性だけではなく男性からも人気が高いサイズとなっています。
バーキンとケリーの違いとは?
エルメスを代表するバッグとして有名な「バーキン」と「ケリー」。どちらも気品高く、高級感の高いバッグとして知られていますが、いずれも見た目が同じように見えます。ですが、以下3つの部分が大きく違うことをご存知でしたでしょうか?
- 持ち手
- 開口部
- 縫い方
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
違いその1 持ち手
まずは持ち手のデザインが大きく異なります。バーキンでは持ち手が2本、ケリーは1本となっています。さらに、ケリーには付属ストラップを利用することでショルダーバッグとしても利用できます。バーキンとケリーの最もわかりやすい違いとしては、この持ち手になるでしょう。
違いその2 開口部
開口部分にも大きな違いがあります。ケリーはまっすぐカットされているのに対して、バーキンは複雑な形にカットされています。ケリーはまっすぐにカットされていることでより、フォーマルな印象を与えてくれます。
さらに、どちらのバッグにもしっかりと閉じるためのクロア(ベルト)が付いてきます。このことでよりラグジュアリー感を演出してくれます。
違いその3 縫い方
バーキンのほとんどは内縫いという内側で縫われて縫い糸が見えないタイプとなっています。その逆にケリーは、縫い糸が外側に出ている外縫いタイプと内縫いタイプの両方が存在しています。
この縫い方の違いもあってか、ケリーはかっちりとした印象を与えビジネスバッグとして映えやすく、バーキンは丸みを帯びた見た目から女性らしい美しいフォルムとなっています。
一部のモデルでは外縫いのバーキンも登場!
バーキンを長く愛用してきた方にとっては、バーキン=内縫いというイメージが強いかもしれませんが2019年の新作からバーキンの外縫いが発売されました。
見た目としては、内縫いから外縫いとなることで若干大きく見えます。さらに、外縫いは革がピンと伸ばした状態で縫製されるので、見た目にハリがでることでよりフォーマルな印象となりました。
エルメスの価値はさらに上昇する可能性が高い
ここまで、エルメスを代表するバーキンやケリーについて、それぞれの歴史から2つの違い、バッグ誕生にまつわる逸話について紹介してきました。
エルメスのバーキン、ケリーともにとても高価なバッグです。さらにバッグの質も良く希少性の高さから限られた顧客にしか購入することができません。その上、レア素材のバーキンやケリーであればその価値は格段に上昇します。
ラインナップのほとんどは定価以上で買取される可能性が高く、株券や金のような資産的な価値も持ち合わせています。たとえそれが中古のバッグであったとしても、高額で買い取ってくれる場合があります。もしかしたら、あなたがお持ちのエルメスも高い価値を持っているのかもしれません!
ちなみに、当社が運営するブラリバではエルメスのバッグはもちろんシャネルやルイヴィトンなどのバッグも取り扱っています。もしも、ご売却を検討されているのであれば、ぜひご相談ください!