高い技術力を用いて、精巧に製作されている「ロレックス」。ロレックスの時計は、他の高級ブランド時計と比べてみても、修理保証が充実していたり、時計自体の質の高さで数十年と愛用している方もいるほど長期利用にとても適しています。
そこで注目を浴びているのが「ヴィンテージロレックス」です。
そんなヴィンテージロレックスは、どんな魅力を持っていて買取時にはどれくらいの金額で取引されるのでしょうか? この記事では、ヴィンテージロレックスの特色から、アンティークロレックスとの違い、高額買取を見込めるヴィンテージロレックスなどについて解説していきます。 ぜひご覧になってください。
目次
ヴィンテージロレックスってなに?
ヴィンテージのロレックスについてお話しする前にヴィンテージの定義とは何なのか。よく聞く“アンティークロレックス”とはどんな違いがあるのか。その点について、詳しく解説していきます。
アンティークとヴィンテージの違いとは
アンティークとヴィンテージという言葉。どちらも似たような意味で区別しにくくわかりづらいですよね。それでは、それぞれの違いやどんな意味があるのかを整理していきます。
アンティーク
アンティークとはフランス語の「骨董品=Antique」からきており、その語源はラテン語の「Antiquus=古い」にあたります。アンティークは通常「古いこと」「価値があるもの」が重要とされており、ジャンルを問わず食器や文具、家具やおもちゃ、宝飾品など多岐にわたってその言葉が使われています。
しかし、どこまで古いものがアンティークとなるのかが問題となります。1934年にアメリカで制定された通商関税法ではアンティークの定義に「100年を経過した手工芸品・工芸品・美術品」という記述があります。
そのため、現代では100年経過したものをアンティークと呼称するというのが通説となっています。ちなみに、骨董品に似せて復刻または製造されたものに関してはレトロと区別されています。
ヴィンテージ
ヴィンテージとは元々、ワインの製造工程を表す用語でしたが、次第にブドウの収穫年を表す言葉へと変わっていきました。
そこからさらに「ヴィンテージ」という言葉は発展をしていき、おいしく良いワインのことを指す“ヴィンテージワイン”と呼ばれるようになっていきます。
のちに、このワイン業界の用語が他の業界にも浸透していき、ヴィンテージジーンズやヴィンテージカメラなどの言葉が広く周知されていきます。
時計業界におけるヴィンテージとは、過去に製造され現在では生産が中止しているモデルや、普段目にすることが少ないロレックスの腕時計を指します。
アパレルの世界でもヴィンテージという言葉が使われますが、その場合は“古くても時間の経過とともに価値が高まったもの”として使用されています。
どこからがヴィンテージロレックスとなるのか
前述でお伝えしたように、“アンティーク”と“ヴィンテージ”という言葉には、「希少性」「価値がある」「古いもの」という点が共通しています。アンティークとヴィンテージの線引きというものは、ロレックスには明確に存在していません。
そのため、製造・販売から30年以上100年未満であればヴィンテージまたはアンティークのロレックスとなります。
ヴィンテージロレックスにしかない3つの特色
ロレックスは、日本のみならず世界中で人気の時計です。長い歴史の中で様々なモデルが発売されていくと、どうしても「同じモデルを愛用している人」も多くなっていきます。ですが、ヴィンテージロレックスを選ぶことで、基本的に周囲の人と同じになることはありません。
しかも、ヴィンテージロレックスは現行モデルより職人が手で行っている部分が多いためか、モデルチェンジごとに個体差が多くあります。なので、同じ時計であったとしても微妙に違う個性を楽しむことができます。
そんなヴィンテージロレックスにしかない特色としては、大きく分けて以下の3つあります。
- 時計がもつ歴史がわかる
- 多彩な個体差
- 見た目の風合い
それでは詳しく解説していきます。
時計がもつ歴史がわかる
ロレックスはシリアルナンバーなどから製造年を割り出すことができます。老舗の時計メーカーであることから、モデルに関する情報がひとつひとつ詳細に残っています。これまで発売された年だけでも、デイトナは1963年に登場、GMTマスターであれば1955年など、情報がしっかりと出回っています。
ロレックスのデイトナを例にあげると、1963年の発売から1年後に俳優でありながらカーレーサーとしても活躍していた『ポール・ニューマン』が、レース中にコスモグラフ デイトナRef.6239を着けていたことで人気に火が付きました。
その後、Ref.6240ではねじ込み式のプッシュボタンへと移行。1960年代から1970年頃に生産されたRef.6262はメタルベゼルと非ねじ込み式のプッシュボタンに回帰するなど、ひとつのモデルだけでも長い歴史があります。
このように、ひとつの時計であったとしても、他の要素や時代と照らし合わせることで、その時計が歩んできた歴史を感じることが出来ます。
多彩な個体差
ヴィンテージの良さは時計ごとの個体差が多彩であること。現行のものよりも人間の手で作業・調整をしていた部分が多いこともあり、職人や提携工場の技術差で時計の仕上がりが変割ってくるのです。なので、同じモデルであったとしても、かなりの個体差が出てきます。
そのほか、パーツの減少によって、修理時に仕様の変更が行われた個体もあれば、発売期間中に文字盤やムーブメントなどのマイナーチェンジが行われているものもあります。
なので、多くのバリエーションが無数に存在しているため、中古で購入しようとお考えの方にとっては選ぶだけでも楽しむことができるでしょう。
見た目の風合い
ヴィンテージと呼ばれる一番の特徴は、見た目の風合いにあります。使用者のメンテナンス状況にもよりますが、経年変化や過去実装されていた仕様が交換されずそのままになっていることがあります。
特に経年変化は成熟された良さがあり、製造から自分の手に渡るまでの長い年月を感じることができます。文字盤の日焼けや風防の擦り傷、文字盤や時針に使用されている夜光塗料の黄ばみなど、あげていけばキリがありません。
そんなヴィンテージにしかない見た目は、何とも形容しがたい風合いや成熟感を醸し出してします。
ヴィンテージの価値を見分けるポイントは5つ!
これまで、ヴィンテージの良さを伝えてきましたが、実際にロレックスをお持ちだったり、ヴィンテージロレックスを購入しようとしている人にとっては、どの部分が価値を見分けられるポイントなのか気になるかと思います。
ヴィンテージロレックスを見分けるポイントは、大きく分けて5つあります。
- リファレンスナンバー
- 時針
- 風防
- ブレスレット
- 文字盤
それでは、詳しく解説していきます。
リファレンスナンバー
この部分については、ヴィンテージを購入する方に向けた内容になりますが、リファレンスナンバーによってそのロレックスがヴィンテージ(アンティーク)なのか現行品なのかを判断することができます。大きく分けてリファレンスナンバーは4桁、5桁、6桁と3つ存在しています。
それぞれの以下の年数で製造されてきました。
- 6桁:2000年頃から現在に至るまで
- 5桁:1980年代の後半から2000年代まで
- 4桁:1980年代以前
以上がナンバーの種類です。先述にもあるように製造・販売から30年以上100年未満であればヴィンテージ(アンティーク)ロレックスとなります。
なので、簡単にまとめるとナンバーの桁数が4桁であれば間違いなくヴィンテージの部類に入ります。
もしもヴィンテージの購入を検討されているのであれば、ナンバーは4桁。もう少し詳しく見分ける自信があれば、5桁から選ぶと良いでしょう。
時針
ロレックスの時針は金属であることが多く、腐食やサビが発生していることがあります。そのため、時針自体を交換している個体が多く出回っています。
また、時針にはラジウムやトリチウムを使用した夜光塗料が塗られているのですが、この塗料は13年ほどで蛍光寿命が尽きてしまうのです。
そのことから、塗料を塗り直しているモデルもあります。その場合、売却時の金額が下がってしまう可能性もありますので、注意が必要です。
風防
ヴィンテージロレックスの場合、風防の部分はプラスチック製であることが多いです。
プラスチックは現行品のサファイヤガラスよりも傷つきやすいため、純正のプラスチック風防や純正品によく似たものに交換されている場合もあります。
ブレスレット
ヴィンテージウォッチの多くは革で出来ていますが、ヴィンテージロレックスはブレスレットが金属製の場合があります。金属ブレスレットは現行品のような丈夫な作りではないため、壊れてしまうことも多くあります。そのため、ブレスレットが新しいものに交換されている場合があります。
交換されていない個体も存在はしていますが、ブレスレット部分が伸びてしまっていることもありますので注意が必要です。
文字盤
文字盤は湿気や紫外線などで劣化していきます。なので、オーバーホールや修理の過程で文字盤の仕様が変更される場合が多くあります。
また、文字部分の夜光塗料は、3-2 時針で紹介した蛍光寿命のあるラジウムやトリチウムを使用しています。そのため、文字を綺麗に塗り直した個体も存在しています。もしも、文字が塗り直されていないオリジナルがあれば、高額で買取される可能性があります。
高価買取を見込める価値の高いヴィンテージロレックス5選
ここでは、高価買取を見込めるヴィンテージロレックスについて、当社が運営する「ブラリバ」の買取実績をもとにご紹介していきます。ぜひ、ご参考になさってください。
※ここで紹介する金額は、2021年10月現在の価格となります。
売却時の相場や時計の状態によって価格が変動する場合があります。
ロレックス エクスプローラー1 Ref.1016 買取価格 1,800,000円
買取価格:1,800,000円
ロレックス エクスプローラー1 Ref.1016の基本スペック
Ref:1016
製造年:1963年〜1988年頃
ケース&ブレス素材:ステンレススチール
風防:プラスチック
ムーブメント:Cal.1560、Cal.1570
ケースサイズ:36mm径×13mm厚
防水性能:100m
ロレックス エクスプローラー1 Ref.1016は、1960年代前半から1980年代の後半まで製造されたモデル。約25年間も販売されたロングセラーアイテムなので、流通量は多い個体ですが年々状態が良い個体は減少しています。そのため、これから値段が上がっていくのではないかと期待のモデルです。
約25年という長い期間製造されていましたが、マイナーチェンジは少なく1972年に文字盤とムーブメントの変更、1980年には風防の変更がされています。
画像のエクスプローラー1は、本体の他にも保証書と購入時の箱を一緒にお持ちいただいたので、100万円を超える買取金額となりました。
ロレックス サブマリーナ デイト Ref.1680 買取価格 2,400,000円
買取価格:2,400,000円
※ブレスレットありの買取査定額となります。
ロレックス サブマリーナ デイト Ref.1680の基本スペック
Ref:1680
製造年:1965年~1980年頃
ケース&ブレス素材:ステンレススチール
風防:プラスチック
ムーブメント:Cal.1570
ケースサイズ:40mm径
防水性能:200m
ロレックスサブマリーナ デイト Ref.1680は、1965年に登場したモデル。サブマリーナの上位機種として、日付の機構が追加されて発売されました。
Ref.1680は、Cal.1570という自動巻きムーブメントを搭載しています。このムーブメントは、1960年代に誕生してから約20年に渡り、スポーツロレックス全般で使用されてきました。長く発売されてきた経緯もあってか、メンテナンス性が高く名機として有名です。
そして、このサブマリーナにしかない特徴としては、文字盤に書かれたモデル名が赤字になっている点です。時計業界やロレックスファンからは「赤サブ」というニックネームで呼ばれています。
画像のサブマリーナは、文字盤が交換されておらず、買取査定の際に保証書をお持ちいただいたので200万円を超える買取金額となりました。
ロレックス GMTマスター Ref.1675 買取価格 1,500,000円
買取価格:1,500,000円
※ブレスレットありの買取査定額となります。
ロレックス GMTマスター Ref.1675の基本スペック
Ref:1675
製造年:1960年〜1980年頃
ケース&ブレス素材:ステンレススチール
風防:プラスチック
ムーブメント:Cal.1570
ケースサイズ:40mm径
防水性能:50m
ロレックス GMTマスター Ref.1675は、1960年に登場したモデル。搭載されているムーブメントの「Cal.1570」は、製造終了して35年以上経っている2021年9月現在でも日本ロレックスでは受け付けています。
このモデルは、長い生産期間の中で多くのマイナーチェンジを繰り返したこともあって、コレクターアイテムとしても人気です。
特に人気のモデルは、ミニッツミラーダイヤルと呼ばれる初期のタイプ。その中でも、文字盤にミニッツサークルと呼ばれる意向があるもので、文字盤の黒い部分に鏡面がかったタイプのものになります。
画像のGMTマスターは、時計本体のみでしたが150万円という高額で買取させていただきました。
ロレックス エクスプローラー2 Ref.1655 買取価格 2,500,000円
買取価格:2,500,000円
※ブレスレットありの買取査定額となります。
ロレックス エクスプローラー2 Ref.1655の基本スペック
Ref:1655
製造年:1971年〜1987年頃
ケース&ブレス素材:ステンレススチール
風防:プラスチック
ムーブメント:Cal.1570
ケースサイズ:40mm径×15mm厚
ロレックス エクスプローラー2 Ref.1655は、洞窟探索用というニッチな市場を想定して製作されたプロウォッチ。暗闇での視認性を重視したモデルは当時としてはかなり奇抜で、不人気のモデルでもありました。ですが、近年ではトレンドとして周知され、ヴィンテージロレックスの仲間入りをしました。
このモデルは、製造期間中に2回のマイナーチェンジを行っており、文字盤や時針、ベゼルの表記が変更されています。
特に高額で取引されるのは初期のもので、文字盤の表記が小さく秒針のドットがないことで見分けることができます。
画像のエクスプローラー2は、買取査定の際に箱をお持ちいただきました。この章では最高買取金額の250万円となっています。
ロレックス GMTマスター Ref.16750 買取価格 1,400,000円
買取価格:1,400,000円
ロレックス GMTマスター Ref.16750の基本スペック
Ref:16750
製造年:1980年~1988年
ケース&ブレス素材:ステンレススチール
風防:プラスチック
ムーブメント:機械式 Cal.3075
ケースサイズ:40mm径
防水性能:100m
ロレックス GMTマスター Ref.16750は、GMTマスターの第3世代モデルです。GMTマスターらしい赤と青のツートンベゼルと、ブラック単色の2つ展開されています。
4-3で紹介した前作のRef.1675からムーブメントをCal.3075に変更されているため、カレンダークイックチェンジの機能が搭載されています。見た目はRef.1675と差がありませんが、防水性能が50mから100mにスペックアップされています。
このモデルは、1984年にインデックスが変更されています。とくに高額で取引されるのは、インデックス変更前のフチがないインデックスのものになります。
画像のGMTマスターは、時計本体のみの査定でしたが140万円の買取金額となりました。
さいごに
ここまで、ヴィンテージロレックスの特色からヴィンテージの価値を見極めるポイント、当社「ブラリバ」の買取実績まで紹介しました。
今回ご紹介したヴィンテージロレックスをはじめ、オリンピックでオフィシャルタイムキーパーを務めたオメガなどが軒並み注目を浴びています。そのため、高級時計の買取価格が上昇していくことが期待できます。
この記事で紹介したヴィンテージロレックス以外にも、プレミア価格で買取されるロレックスは数多く存在しています。もし、今お持ちのロレックスを買い替えたい価値だけでも知りたいとお考えであれば、当社が運営する「ブラリバ」へお気軽にご相談ください。
高級ブランド時計の査定に特化したスタッフが、ロレックスの価値を見落とすことなくしっかりと査定させていただきます。ロレックスの買取でしたら、ブラリバへおまかせください!