
斬新な発想でファッション業界をつねに盛り上げているデザイナー『キム・ジョーンズ』。シュプリーム×ルイ・ヴィトン、ディオール×ナイキ、GU×キム・ジョーンズなど異色のコラボで度々注目を集めています。
そんなキム・ジョーンズの人物像や経歴、手がけたコラボや代表的なアイテムを紹介。「ストリートファッションに興味がある」「ストリートファッションが好き」という方は要チェックです!
目次
- 1 イギリス生まれのデザイナー『キム・ジョーンズ』とはどんな人物?
- 2 【経歴】2003年にKim Jonesを発表~2025年DIORのディレクター退任
- 2.1 2003年にKim Jonesを設立!2004年にファーストシーズンをロンドンで発表&アンブロとコラボ
- 2.2 2006年にメンズウェアデザイナーオブザイヤー受賞!
- 2.3 2008年に自社ブランド休止、その後Dunhillのデザイナーに就任
- 2.4 2011年LVからマサイチェックでLouis Vuittonキム・ジョーンズをスタート
- 2.5 2016年LV初のWネーム!fragment designとコラボ
- 2.6 2017年異例のLouis Vuitton×Supremeとコラボを実現!
- 2.7 2018年ブランドkim jones再始動!NIKEコラボ&GUコラボ!
- 2.8 2018年3月にDIORのデザイナーに就任!キム・ジョーンズ新章開幕
- 2.9 2020年ディオールがStüssyやNIKEとまさかのコラボ!?
- 2.10 2020年9月にフェンディのウィメンズ部門ディレクターに就任!
- 2.11 【現在】2025年にDIORのディレクターを退任
- 3 キム・ジョーンズはファッションブランドに激震を走らせたデザイナー
イギリス生まれのデザイナー『キム・ジョーンズ』とはどんな人物?
- フルネーム: Kim Niklas Jones(キム・ニクラス・ジョーンズ)
- 誕生日: 1973年9月11日
- 生まれ: イギリス ロンドン ハマースミス
- 国籍: イギリス
- 最終学歴: セントラル・セント・マーチンズ
イギリスのロンドン生まれのキム・ジョーンズ。幼少期は父親の仕事の影響で南米やアフリカなどで過ごします。その後ロンドンへ戻り、アートとデザインの分野で学びを深める道を選びました。ロンドンにあるキャンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツで芸術の基礎を学んだのち、セントラル・セント・マーチンズのMAファッションコースでグラフィックや3Dデザイン、演劇など幅広いデザインを習得。2002年に卒業しました。
キム・ジョーンズを変えた、マイケル・コッペルマンとの出会い
キム・ジョーンズと言えばハイブランド×ストリートファッションの仕掛人で“ストリートファッション”のイメージを持つ方も多いでしょう。キム・ジョーンズの現在のスタイルに大きな影響を与えたのが、Gimme5の創設者であるマイケル・コッペルマンだといわれています。
キム・ジョーンズは在学中にマイケル・コッペルマンの手掛けるブランド・のデザイナーとして働いていました。マイケル・コッペルマンはストリートファッションシーンでロンドンと日本の架け橋となった人物。ジョーンズはコッペルマンを通して、「fragment design(フラグメントデザイン)」の藤原ヒロシ、「UNDERCOVER(アンダーカバー)」の高橋盾、「A Bathing Ape(アベイシングエイプ)」のNIGO、「Supreme(シュプリーム)」のジェームス・ジェビア、「Stüssy(ストゥーシー)」のショーン・ステューシーと出会います。
ちなみにキム・ジョーンズは元々スケーターで、初期のアンダーカバーやSupreme、エイプ、Neighborhood、Good Enoughをとくに好んでいたそう。また、NIKEやVANSのヴィンテージを集める趣味があり、とにかくストリートファッションが好きでたまらない少年だったようです。まだ実現はしておりませんが、アンダーカバーやエイプなど裏原を代表するファッションブランドとキム・ジョーンズがコラボする日もそう遠くないのかもしれません。
【経歴】2003年にKim Jonesを発表~2025年DIORのディレクター退任
キム・ジョーンズの人物像が見えてきたところ、続いては経歴や手掛けたアイテムをみていきましょう!最新の動向も要チェックです。
2003年にKim Jonesを設立!2004年にファーストシーズンをロンドンで発表&アンブロとコラボ
大学を卒業した翌年の2003年に自社ブランドである「Kim Jones(キムジョーンズ)」を設立。2004春夏シーズンにロンドンコレクションでデビューをしました。コレクション発表後すぐにイギリスのスポーツブランド「umbro(アンブロ)」とのコラボを果たします。
【UMBRO BY KIM JONES】
出典:HYPEBEAST
このコラボはストリートファッションの中にスポーツのトレンドを持ち込みかなり話題となりました。
単発でのコラボではなく8年間と長い間コラボ商品を出していたので、「持っている」という方もいるかもしれませんね。「UMBRO BY Kim Jones(アンブロバイキムジョーンズ)」は未だに人気が高い商品なので、買取を受け付けている店舗も多く存在します。
2006年にメンズウェアデザイナーオブザイヤー受賞!
デザイナーとしての活躍を認められ、2006年に英国ファッション協議会の「Menswear Designer Of The Year(メンズウェア デザイナー オブ ザ イヤー」を受賞。彼の名がより知れ渡ります。
2008年に自社ブランド休止、その後Dunhillのデザイナーに就任
出典:VOGUE
キム・ジョーンズは2008年にイギリスの紳士服仕立て屋である「Norton & Sons(ノートンアンドサンズ)」とコラボし、ディフュージョンラインである「KJ By Kim Jones(KJ・バイ・キム・ジョーンズ」を発表しました。
このコラボを最後に自社ブランドのkim jonesを休止し、イタリアの大手ブランド「Dunhill(ダンヒル)」のメンズウェア&レザーアクセサリーのデザイナーに就任します。
【Dunhill】
出典:Pinterest
Dunhillのデザイナー期間は2年と短いものの、Dunhillのクラシカルな雰囲気にキム・ジョーンズならではのストリートテイストが加わり、当時話題となりました。
2011年LVからマサイチェックでLouis Vuittonキム・ジョーンズをスタート
2011年に「Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)」のメンズラインのデザイナーに就任します。
キム・ジョーンズがルイ・ヴィトンのデザイナーに着任し、ファーストコレクションで発表したのがマサイチェックのアイテム。赤と黒のダミエ柄(市松模様)でパンチが強く、登場時のファンの反応はイマイチでした。
マサイチェックは名前の通りマサイ族の衣装から着想を得て作られたデザインです。幼少期をアフリカの大自然の中で過ごしたキム・ジョーンズだからこそ成せたデザインといえます。発売当時日本では人気がなかったのですが、元サッカー選手の中田英寿さんが着用したことで注目が集まりました。
どのブランドでもそうなのですが、人気なモデル、スポーツ選手、セレブが一度愛用したものは一気に人気が出ます。このマサイチェックも例外ではなく、元々の中古価格はかなり安い金額で売られていたのですが、中田英寿さんが着用したことにより値段がグッと高くなりました。
発売から約10年経った現在でも高い価格で取引されており、状態によっては高価買取も期待できます。いま着てもおしゃれなデザインなので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
2016年LV初のWネーム!fragment designとコラボ
藤原ヒロシさん率いる裏原を代表するブランド・fragment designとルイ・ヴィトン史上初のダブルネームとして発売しました。Fragment designの藤原ヒロシさんとキム・ジョーンズは元々知り合いということもあり、コラボの話はスムーズに決まったそう。
日本の伊勢丹でポップアップストアを開催した際、オープン当初は4500人も並んだようです。
購入に向けて4500人も並ぶなんてすごいですよね。
これだけ人気があったということもあり、発売当初は転売も多かったです。
出典:Louis Vuitton
商品名:17AW Louis Vuitton×fragment Stadium Jacket
定価:341,000円(2017年5月発売時点)
例えば上記のジャケット。当時の転売価格は50万円前後とかなり高額で販売されていました。現在でもプレミア価格で40万円ほどで取引される人気商品です。ある程度使用感があっても20万前後と高額で取引されるケースもあります。
ちなみに、ハイブランドは高額商材が多く転売には向いていないのですが、キム・ジョーンズがデザインしたアイテムはとにかく人気が高く、数多くのファンもいるため転売が後を絶たない状況です。
転売している人が多いということは、必然的に買取価格や中古価格は高くなります。現在でも超人気商品なのでプレミア価格で取引されており、未だに定価より販売価格が高い商品が多く存在します。ただし、偽物の流通も多いため価格が著しく低い場合には購入は避けたほうが無難です。
2017年異例のLouis Vuitton×Supremeとコラボを実現!
この時期にキム・ジョーンズの存在を知った方も多いのではないでしょうか。
今特に流行っているSupremeとのコラボです。2000年にSupremeがルイ・ヴィトンのパロディ商品を販売して訴えられ最高裁まで争い、結果訴えが取り消しされた過去を持つSupreme。絶対にコラボはないと思われておりましたが、CEOの気まぐれとキム・ジョーンズの顔の広さにより実現しました。
このコラボ商品は人気YouTuberのヒカキンさんをはじめ、三代目 J Soul Brothersの登坂広臣さん、今市隆二さん、レディー・ガガさん、ジャスティン・ビーバーさんなど数多くの芸能人が愛用しております。
ちなみに、Supreme×ルイ・ヴィトンのコラボの並びは当時8000人を超えていたそう。Fragment designの2倍近い人数が並ぶなんてすごいですよね。
Supreme×ルイ・ヴィトンはfragment designとのコラボと同じく中古でもプレミア価格で取引されております。安くなっているのはiPhoneケースくらいで、ほか商品はとにかく高いので定価以下で購入したいという方は諦めるほかありません。
出典:SNKRDUNK MAGAZINE
商品名:17AW×ルイヴィトン LVジャカードデニムベースボールジャージー
定価:138,240円(2017年7月発売時点)
上記のベースボールジャージーは当時中古で25万~30万円ほどで販売されていましたが、ジャスティン・ビーバーさんがライブで着用したことにより価値が上がり現在は買取額が35万~80万円と、二次流通でもかなり高額で販売されています。
なお、Supreme×ルイ・ヴィトンの偽物やスーパーコピー商品はかなり多く流通しております。価格があまりにも安い場合は偽物である可能性が高いので確実に本物を手にいれたい場合は避けましょう。
2018年ブランドkim jones再始動!NIKEコラボ&GUコラボ!
ルイ・ヴィトンのデザイナーを退任した2018年はkim jonesを休止してから10年の節目となります。
その節目に合わせてNIKEやGUとコラボを行いました。
出典:NIKE
スタイリッシュなNIKEのエアマックス360をkim jonesらしくヨーロピアンテイストにアレンジ。
定価は22,000円ですが、中古相場は45,000円とかなり高くなっております。使用感があれば2万円程度で購入することができるので、安ければ状態にはこだわらない!という方はフリマサイトなどもあわせてチェックしてみるといいかもしれません。
◆GUとのコラボ!各店舗からコラボ商品が1日でなくなる!?
日本の人気コスパブランド「GU」とのコラボも当時話題になりました。
Kim jonesのコラボは基本的にハイブランドが多いため価格帯は高めですが、GUは1着1,500円からと安価だったため1日でコラボ商品が売り切れることも。
↓売られていたアイテムの一例
出典:GU
動物モチーフやカラフルなトップス、ストリート感あふれるTシャツなど使い勝手のよい商品が多く、kim jonesファンだけでなくkim jonesを知らないという人にも受けていたようです。人気がとにかく高かったため、またコラボするかもしれませんね。
ここで、コスパブランドの買取事情について小話をひとつ。GUに限らずユニクロやH&Mなどのコスパブランドの服は1点ごとでなく、段ボール1箱500円~1000円で買い取られることが多いですが、kim jonesのコラボ商品は1着1,500円のアイテムに500円値がつくことも。
これは珍しいことで、この買取価格だけでkim jonesの人気の高さが伺えます。なので、次回コラボが実現した際は要チェックです。
2018年3月にDIORのデザイナーに就任!キム・ジョーンズ新章開幕
2018年にDiorのメンズ・アーティスティック・ディレクターに就任。ディオールのメンズラインである「Dior Homme」を「Dior Men」へと改名し、ブランドの一貫性を高める施策を実施します。これにより、ディオールのメンズとウィメンズのデザインの整合性が強まりました。エディ・スリマンが手掛けたDior Hommeの人気が高かったため、この施策にショックを受けた人もいたようです…。
キム・ジョーンズは、クラシックなディオールのイメージにユーモアやアートの要素を取り入れました。「Kaws(カウズ)」や「Daniel Arsham(ダニエル・アーシャム)」とのコラボレーションを通じて、ストリートファッション好きにも響くアイテムを展開し、ファン層の拡大に成功しています。
2020年ディオールがStüssyやNIKEとまさかのコラボ!?
出典:WWDJAPAN
ディオールはモノトーンで大人っぽい雰囲気のアイテムが多く、ストリート系とは離れているブランドです。
2018年のキム・ジョーンズ就任以降このイメージを一新し、ストリートファッション寄りのデザインに変身しました。
そしてキム・ジョーンズの十八番であるコラボの第一弾としてディオール×Stüssyを発表しました。これは以前のディオールではありえない異色のコラボでかなり話題になりました。Stüssyの創設者と知り合いということもあり、このコラボは必然的だったのかも知れませんね。
◆DIORがNIKEとコラボ!?
出典:FASHION SNAP
クラシカルで大人っぽい雰囲気のディオールを良い意味で破壊したキム・ジョーンズが次に仕掛けたのは、スポーツブランド・NIKEとのコラボ。自身のブランドkim jonseでは既に2018年にコラボしましたが、ディオールとのコラボも実現しています。
NIKEのエアマックスにディオールのロゴが施されたデザインは、スポーティながらもスタイリッシュに仕上がっています。2020年4月時点での価格は26万円でした。
ディオールについてざっくりと紹介しましたが、もっと知りたいという方は『Dior(ディオール)とはどんなブランド?特徴やブランドコンセプトも解説』もチェックしてみてください。きっとディオールが好きになると思います。
2020年9月にフェンディのウィメンズ部門ディレクターに就任!
2020年9月からはディオールと兼任でフェンディのウィメンズ部門のアーティスティック・ディレクターに就任。
フェンディでのデビューは、2021年春夏オートクチュールコレクションです。これまでメンズのプレタポルテを中心に活躍してきた彼が、初めてウィメンズのオートクチュールを手がけることになり、大きな注目を集めました。その後2021-22秋冬ウィメンズコレクションでフェンディのプレタポルテデビューを果たしました。
キム・ジョーンズが手がけるフェンディは、クラシックとモダンの融合をテーマにしながら、フェミニンさとシャープな要素をバランスよく取り入れているのが特徴。とくに“F”のフレームがアイコニックなバッグ「フェンディ ファースト」は、さすがキム・ジョーンズ!と唸るデザイン性の高さです。
フェンディには約4年間在籍し、2024年10月に退任しています。
【現在】2025年にDIORのディレクターを退任
2025年1月31日、キム・ジョーンズがディオールのメンズ・アーティスティック・ディレクターを退任しました。突然の発表に、世界中のファッションフリークや業界関係者から驚きの声が上がっています。
自身のブランドを立ち上げるのではないか、という声やビッグメゾンのアーティスティック・ディレクターに就任する可能性もささやかれています。いずれにせよ、彼の次なる一手がファッション界に与える影響は計り知れません。今後の動向に期待が高まります!
キム・ジョーンズはファッションブランドに激震を走らせたデザイナー
キム・ジョーンズはラグジュアリー×ストリートの先駆者といっても過言ではありません。「ほかとかぶらない個性的なストリートアイテムがほしい」という方はぜひ彼の手掛けたアイテムをチェックしてみてくださいね。