
現在はセリーヌのクリエイティブディレクターとして活躍するエディ・スリマンは、かつてSaint Laurent(サンローラン)やDior Homme(ディオール オム)でもデザイナーとして注目を集めた輝かしい過去があります。
本記事では、そんなエディ・スリマンとはどんな人物なのか詳しくご紹介します。現在の詳細やサンローランやディオール オムでの名作も紹介するので、最後までご覧ください。
目次
エディ・スリマンとはどんな人物?
エディ・スリマンとは、サンローランやセリーヌなどでディレクターとして活躍した、21世紀を代表するデザイナーの1人です。名だたるブランドのデザインを担ってきたエディ・スリマンですが、学業や初期のキャリアにおいても傑出した才能を放っていたそう。
本章では、そんなエディが学生時代や初期のキャリアをどのように過ごしていたかご紹介します。
エディ・スリマンの生い立ち
1968年に、フランス・パリで誕生したエディ・スリマン。幼少期からドレスメーカーだった母親の影響で服作りに親しみ、自身でデザインをスケッチするなど、ファッションへの興味を育んでいきました。体が小さく細身だったことがコンプレックスだったエディでしたが、それを隠すのではなく強調するような服作りを始めました。この経験が後のデザイナーとしてのアイデンティティ形成に繋がります。
高校は世界でも屈指の名門校「パリ政治学院」を卒業し、大学時代はルーブル美術学校で美術史を専攻していたなど、学問に秀でた学生時代を送っていました。学校教育では美術史の勉学に励んでいたエディでしたが、その一方で服作りに関しては正規の教育を受けておらず独学で習得しました。この独特な経歴が、後の革新的なデザイナーとしての活躍の基盤となったのです。
初期のキャリアと影響を受けた人物
ルーブル美術学校を卒業後、1990年から3年間「ジョゼ・レヴィ」でファッションディレクターを務め、1994年から4年間「ジャン・ジャック・ピカール」の下でアシスタントを任されるなど地道に下積み時代を過ごしました。1996年にはルイ・ヴィトンのアートディレクターに就任し、メンズウェアラインの立ち上げに貢献。
これらの経験を通じて、エディは自身の美術史の知識とロックンロールへの情熱を融合させ、独自のデザインスタイルを確立していきました。
エディ・スリマンのディレクターとしての歩み
本章では天才、鬼才、秀才など様々な呼ばれ方をしているエディ・スリマンがどのようなディレクター人生を歩んできたのか迫っていきます。
1997〜2000年:Ive Saint Laurent(イヴ・サンローラン)
エディ・スリマンは、ほぼ無名だった1997年にイヴ・サンローランのメンズクリエイティブディレクターに就任します。就任当初からブランド改革を掲げていたエディは、独自のデザインを展開しメンズラインを活性化させました。
1998年からはジーンズライン「サンローラン」を手がけるなど順調にメンズラインを展開していきましたが、2000年にGUCCI(グッチ)グループに買収されたと同時にディレクターの座を退いてしまいます。
2001〜2007年:Dior Homme(ディオール オム)
イヴ・サンローランから退任したエディ・スリマンは、2001年にディオールのメンズライン「ディオール オム」の初代クリエイティブディレクターに就任しました。
エディはこれまでのデザインを一新し、黒を基調にしたレザーのタキシード、ジャケット、スキニーパンツなどをコレクションで発表します。当時はストリートが流行だったこともあり、エディのコレクション発表には驚きの声が上がりました。
ストリートとは対照的な細身のロックスタイルが特徴的なコレクションですが、これが新しい風となり瞬く間に多くの人気を集めることになります。
そのような活躍もあり、2002年にはCFDA(アメリカファッション協議会)により毎年1人選出される「デザイナー・オブ・ジ・イヤー」に選ばれました。さらに2003年には、メンズフレグランスラインも兼任で手がけることになり、退任する2007年まで「ディオール オム」のブランドイメージを築き上げてきました。
2012〜2016年:Saint Laurent(サンローラン)
2007年にディオールを退社してからはフォトグラファーとして活動していましたが、2012年にSaint Laurent Paris(サンローラン・パリ)のクリエイティブディレクターに就任しました。2000年にイヴ・サンローランを退いて以来、12年の時を経て再就任が実現しました。
これまでは主にメンズラインを統括していましたが、サンローランではメンズ・レディースともに統括することになります。
エディはまず、以下の「ブランド改革」を敢行しました。
- ブランド名を「イヴ・サンローラン」→「サンローラン・パリ」に変更
- 「カサンドラ(YSLを組み合わせたロゴ)」の廃止 → シンプルなヘルベチカフォントを採用
- コレクションに「バイカージャケット」「ミリタリーパーカー」「ミニスカート」「ブーツ」などを追加
特にブランド名やロゴの変更に関しては「伝統への敬意がない」などと反対の声が多く上がりました。しかしエディが採用したロゴは創業当初のロゴと同じものであり、むしろ伝統に対する敬意がこの改革の一因となったようです。
またサンローランは、エディが再就任した当時はラグジュアリーブランドとして展開していたため、バイカージャケットのようなロック風のアイテムを取り入れたことに驚きの声が頻発しました。しかしディオール オムと同様に新たな風を吹き込んだことでより多くの人気を集めることに成功し、売り上げも前年度から大幅に上昇しました。
2018〜2024:CELINE(セリーヌ)
2016年にサンローランを退いてから2年間デザイナー業から離れていましたが、2018年にセリーヌのクリエイティブディレクターに就任します。セリーヌはそれまで一度もメンズコレクションを発表していなかったため、ロック調のデザインを得意とするエディの着任には驚きの声が相次ぎました。
セリーヌでは初めてとなるメンズコレクションの展開を担うことになったエディは、以下のような改革を成し遂げます。
- ブランドロゴを「CÉLINE」から「CELINE」に変更
- エディ節のロック調のデザインを展開
またエディはメンズだけでなくレディースラインも手がけており、バッグや財布などの小物アイテムにおいてもエディの世界観が存分に表れたデザインとなっています。
現在のエディ・スリマンは何をしてる?
2024年10月にセリーヌのクリエイティブディレクターを退任してから現在まで、特に目立ったアクションは目撃されていません。しかし2024年12月に、instagram(インスタグラム)に開設された「@hedislimanehomme」というアカウントが話題に上がりました。
突如として現れたこのアカウントは、既存のエディ・スリマンの個人アカウントと雰囲気が非常に似ており、2025年現在も定期的に投稿され続けています。このアカウントがエディ本人が作成したものかどうかは定かではありませんが、エディの今後に注目する上で重要なものになるかもしれません。
エディ・スリマンが手がけた名作アイテム
本章では、エディ・スリマンの名作アイテムをブランドごとに厳選してご紹介します。
※BRING楽天市場店での販売価格を記載しています。買取専門店であるBRINGは販売も行なっており、サンローランやセリーヌなどのアイテムも豊富に取り扱っています。店頭をはじめ楽天市場などのECショップでも販売しているので、こちらもチェックしてみてください。
サンローラン
16AW ライダースジャケット
エディが手かげたものとして外せないのが、ロック調のバイカージャケットでしょう。クラシカルなデザインを踏襲しながら、モードの粋を極めたエレガントな佇まいが魅力。エディの代名詞ともいえる細身でハードなテイストが特徴で、スタイリッシュなシルエットが好みの方にぴったりのアイテムです。
ワイアット ハーネスブーツ
サンローランではジャケットやデニムに目が行きがちですが、ハーネスブーツにも注目してみましょう。こちらは元々トム・フォードがデザインした商品ですが、エディがロックなモチーフに再解釈したものになります。メンズのヒールブーツはサンローランによって広まったといわれているほど、多くの人気を集める商品です。
ディオール オム
04AW メルトンコート
重厚感のあるメルトン生地のウールコート。エディ作品ならではのタイトなシルエットが特徴ですが、ロックのテイストは比較的控えめで色もシンプルなデザインになっています。少し薄手ながらも防寒性に優れており、普段使いからビジネスシーンまで幅広い場面で使用できます。
ラムレザー ダブルライダースジャケット
このバイカージャケットはサンローランのものとテイストが近く、デニムシリーズの影に隠れてはいますがこちらも人気商品のひとつです。きめ細やかなカーフスキンを贅沢に使用しており、着用するほど自分の体に馴染むのが特徴です。全体的にロック調のデザインですが、スラックスなどと合わせてエレガントに着こなすこともできます。
セリーヌ
16(セーズ)
セリーヌではアパレルだけでなく、レディースラインのバッグや財布なども手がけています。その中でもとくに人気を集めているのが、16(セーズ)です。女性的な丸みのあるシルエットや独自の南京錠が特徴的で、60年代のアーカイブ作品からインスピレーションを得て、現代風にアレンジしたコレクションとなっています。
トリオンフ PVC レザートートバッグ
セーズやC(セー)と並び、高い人気を集めるトリオンフシリーズ。パリの凱旋門を囲む「トリオンフの鎖」をイメージしたチェーンが特徴的で、クラシカルな雰囲気が漂います。カラー展開は豊富ですが、そのどれもが汎用性に優れた色なので幅広いシーンで活躍するのも魅力のひとつです。
エディ・スリマンは多くのブランドに影響を与えたカリスマデザイナー
エディ・スリマンは、サンローランやディオール オム、セリーヌと数多くの名だたるブランドで一貫して「ロック」を貫き通してきました。従来のブランドイメージに合わないものであっても、独自の世界観を展開することでより多くの人気を集めた功績は誰にでもできることではありません。
エディが手がけた商品は、ブランドに新たな風を吹き込んだものとして、ブランドに関係なく現在でも多くの人気を集めています。とくに流通量が少ないレアアイテムは希少価値が高く、中古市場でも高値で取引されています。
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