「VACHERON CONSTANTIN(ヴァシュロン・コンスタンタン)」は老舗の高級時計ブランドですが、「人気がない」「買ってはいけない」というマイナスな声も見られます。これからヴァシュロン・コンスタンタンを購入しようとしている方は、不安に思いますよね。
この記事では、ヴァシュロン・コンスタンタンが人気がないといわれる理由について解説していきます。また、ヴァシュロン・コンスタンタンの特徴や投資対象としての評価についても触れますので、気になる方はぜひ最後までご覧ください。
目次
ヴァシュロン・コンスタンタンの人気がないといわれる背景
ヴァシュロン・コンスタンタンの人気がないといわれる背景には、以下の要因が挙げられます。
ヴァシュロン・コンスタンタンは「ROLEX(ロレックス)」や「OMEGA(オメガ)」などの他の有名ブランドに比べると、知名度が低く“ヴァシュロン・コンスタンタン”の名前を知らない人も多いようです。
しかし、知名度が低いからといって、必ずしも人気がないわけではありません。その創業は1755年と非常に古く、時計業界でも最も歴史のあるブランドのひとつです。時計愛好家にとっては、名の知れた歴史あるブランドとして多くのファンがおり、絶大な支持を得ています。
ヴァシュロン・コンスタンタンの特徴
ヴァシュロン・コンスタンタンの特徴を見ていきましょう。このブランドは、時計業界において確固たる地位を築いており、高い芸術性と確かな技術力を持つことで知られています。
とくに、ブランドを象徴する「マルタ十字」のエンブレムは、そのブランドを一目で見分けることができる特徴的なシンボルです。このマルタ十字の意味や、ファンを魅了する精緻な芸術性、そして高度な技術について、詳しく解説していきます。
ブランドを象徴する「マルタ十字」
ヴァシュロン・コンスタンタンの時計は、ブランドの象徴であるマルタ十字が特徴的です。このマルタ十字は、カトリック修道会のマルタ騎士団が掲げていたマークをモチーフにしています。かつて、香箱のカバーに取り付けられていた部品のデザインがマルタ十字に似ていたことから、このロゴが採用されました。
マルタ十字には、中世騎士道の精神を象徴する意味が込められており、8個の角が騎士として備えるべき美徳を表しています。
1880年にはスイス連邦知的財産庁に登録され、現在ではダイアルやリューズ、ラグなど、ヴァシュロン・コンスタンタンの誇りを体現するシンボルとして使用されています。
時計製造技術の高さ
ヴァシュロン・コンスタンタンは、「Patek Philippe(パテック フィリップ)」や「AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ)」に並ぶ世界三大時計ブランドのひとつであり、高い評価を得ています。
これらのブランドではジュネーブ・シール取得モデルを多くリリースしており、スイスのジュネーブ州が制定する厳格なムーブメント規格をクリアしています。
ジュネーブ・シールは、ジュネーブ州内での審査を通過したムーブメントに与えられ、州内での全ての部品製造や組み立て作業が条件とされています。
とくに、2021年に発表されたヴァシュロン・コンスタンタンのユニークピース、「レ・キャビノティエ・アーミラリ・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー プラネタリア」は注目を浴びました。
自社ムーブメントのCal.1991を備えたこのモデルには、レトログラード式の日付表示、2軸トゥールビヨン、24時間およびデイ/ナイトの表示があり、立体的な地球のモチーフが特徴です。
※レトログラード:時、分、秒、カレンダー表示などが最後まで表示された後、瞬時に折り返しスタート地点に戻る機構のこと
ヴァシュロン・コンスタンタンの時計は、長い歴史に裏打ちされた類まれな時計製造技術を持ち、仕上げの美しさや複雑機構モデルの技術力にも注目されています。
芸術性が高く美しいデザイン
ヴァシュロン・コンスタンタンの大きな魅力のひとつは、その芸術的な佇まいです。ブランドは伝統的な技法を受け継ぎながら、唯一無二の芸術的な時計を生み出してきました。
これらの時計は、機械式時計の黎明期から伝えられる伝統的な技法で作られており、多くの歴史的人物にも愛用されてきました。
すべてのモデルには、熟練工の技術がふんだんに盛り込まれています。彫刻やエナメル、ジェムセッター(石留め)など、高貴な表情を実現するための技術の粋が凝縮されています。
たとえば、パトリモニーは、1950〜1960年代の機械式時計をベースにしており、その伝統的なデザインが特徴です。トラディショナルシリーズには、18世紀から受け継がれてきたヴァシュロン・コンスタンタンの歴史や技術が表現されています。
代表的な人気シリーズ
ヴァシュロン・コンスタンタンを知るために、ここでは代表的なシリーズを紹介していきます。
代表的なシリーズは以下の3シリーズとなります。
オーヴァーシーズ
オーヴァーシーズは、1996年に発表されたヴァシュロンコンスタンタンを代表するスポーツモデルの時計です。このシリーズは近年人気が急上昇し、価格も高騰しています。ベゼルにデザインされたマルタ十字が特徴であり、ヴァシュロンコンスタンタンの象徴となっています。
オーヴァーシーズの原型であるRef.222は、1977年にブランド創立222周年記念モデルとして222本限定で製造されました。そのデザインや機能性を引き継ぐ形で誕生し、現代に求められるハイレベルな防水性能や耐磁性能など、最新鋭のスペックを備えています。
さらに、ベルトを簡単に交換できるインターチェンジャブル・システムも採用されており、これによりオーヴァーシーズは時計界の最先端を行くウォッチとして注目を集めています。
フィフティーシックス
フィフティーシックスは2018年に発売された、伝統と革新性を併せ持つコレクションです。このモデルは、ブランド初の自動巻きムーブメントを備えた往年の名機「Ref.6073」にオマージュを捧げています。
Ref.6073をベースに、「オーヴァーシーズ」のスポーティーさと「パトリモニー」のドレッシーさを融合したような仕上がりとなっており、それぞれのメリットを併せ持っています。このモデルは、クラシックな文字盤やラグ部分がマルタ十字を表しているなど、独創的なデザインのケースが特徴的です。
高級時計の代名詞とされるヴァシュロン・コンスタンタンの中でも、フィフティーシックスは手頃な価格で手に入るエントリーモデルとして人気を集めています。
パトリモニー
パトリモニーは、1950年代に作られたモデルをベースにしており、2004年に新しくリリースされました。このコレクションは、ヴァシュロン・コンスタンタンの伝統を受け継ぎつつ、現代的に洗練された正統派のドレスウォッチです。
シンプルな文字盤に見えますが、12時、3時、6時、9時の位置のインデックスは実はくさび形になっており、これはブランドのシンボルマークへのオマージュです。また、裏面にはシースルーバックが採用されており、ムーブメントの美しい造形美をいつでも鑑賞することができます。
このコレクションは、シンプルな2針モデルから、ミニッツリピーターや永久カレンダーといった複雑機構を搭載したモデルまで、さまざまなラインアップを展開しています。
ヴァシュロン・コンスタンタンは投資対象に向いていない?
ヴァシュロン・コンスタンタンの資産価値は、「パテックフィリップ」「オーデマピゲ」といった他の世界3大時計ブランドには及びません。しかし、これは決してヴァシュロン・コンスタンタンが時計としての資産価値が低いという意味ではありません。
むしろ、パテックフィリップやオーデマピゲの資産価値の高さが異常なだけであり、時計ブランド全体を考えると、ヴァシュロン・コンスタンタンの資産価値は低くないといえます。
オーヴァーシーズを例にリセール率をチェックしてみましょう。
【オーヴァーシーズのリセール率】
モデル | 参考定価 | 中古相場 | 参考買取価格 | リセール率 |
オーヴァーシーズ 4500V/110A-B128 | 319万円 | 510万円前後 | 250万円前後 | 78% |
オーヴァーシーズ 4500V/110A-B483 | 319万円 | 380万円前後 | 220万円前後 | 68% |
オーヴァーシーズ・クロノグラフ 5500V/110A-B481 | 462万円 | 470万円前後 | 550万円前後 | 119% |
※表はスライドできます
これらのモデルのリセール率の平均は通常の高級時計ブランドよりも高く、およそ80%ほどです。
ヴァシュロン・コンスタンタンの時計は、独自のデザインや高品質、精巧なムーブメントなどが特徴であり、そのクラフツマンシップは高い評価を受けています。限定モデルや希少なヴィンテージモデルも存在し、コレクターズアイテムとしても注目されています。
ヴァシュロン・コンスタンタンの時計は、知名度こそ低いかもしれませんが、その資産価値や品質は非常に高いといえるでしょう。実際、一部の人気モデルは正規店でも手に入らず、中古市場でも高額なプレミア価格がついています。
ヴァシュロン・コンスタンタンの人気は根強い
本記事では、ヴァシュロン・コンスタンタンが人気がないといわれる背景や、特徴などについて解説しました。
ヴァシュロン・コンスタンタンの時計は、高い技術と芸術性が融合した品質の高さで、常に時計愛好家からの支持を受けています。その繊細なデザインと美しい仕上げは、時計の世界で特に評価が高く、コレクターズアイテムとしても人気です。
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