腕時計は、購入金額が高ければ使用期間が長くなり、ものによっては一生使えると思う方もいらっしゃるかもしれません。ですが、どんな時計であっても寿命は必ずあるものです。でも、せっかく高いものを買ったのであれば、できるだけ長く使いたいと思いますよね?
この記事では、
- 自分が持っている腕時計の寿命を知りたい方
- 腕時計の寿命を延ばしたい方
- 腕時計を長く使うためのメンテナンス
を知りたい方に有益な情報をお伝えいたします。
自分のお気に入りの腕時計をできるだけ長く使っていくためにも、日々できることや気を付けていきたいことをチェックしていきましょう。気になる方はぜひご参考になさってください。
目次
腕時計の寿命っていつまで?タイプ別平均寿命を紹介!
腕時計の平均寿命は一体どれくらいになるのでしょうか?腕時計にはそれぞれタイプがあり、そのタイプによって寿命が異なってきます。寿命と一言でいっても電池の寿命と腕時計自体の寿命がそれぞれあるのはご存じでしょうか?
ここでは、内蔵電池の寿命についてと、腕時計の駆動をつかさどる部分である内部機構(ムーブメント)の寿命について解説していきます。
腕時計の電池はいつまで使えるのか
時計の種類や状態によって、内臓されている電池の寿命はどれだけ変わってくるのでしょうか。基本的に覚えておきたいのが、時計のムーブメントがシンプルであればあるほど動力を使用しない=寿命が長くなります。そのため、時針と分針しかないシンプルな2針タイプが一番長持ちします。
秒針がないため、少ない動力で時計を動かすことが可能となります。分針が1分ごとに動くものと少しずつ動くものに分かれますが、使用できる年数はどちらも2~5年ほどとなります。
次に寿命が長いのは、常に秒針を動かし続ける3針タイプ。こちらは常に秒針を動かし続けながら時間を刻むため、2針タイプよりも寿命は短い傾向にあります。これまで2針タイプの寿命は半年から1年ほどでしたが、ムーブメントや電池自体の質が向上したというのもあって、ほとんどが2~3年ほどとなり非常に長持ちするようになりました。
クォーツ腕時計の寿命
クォーツ腕時計とは、電圧を加えることで正確に振動する水晶(クォーツ)の性質を生かした時計です。この機構は、1927年にアメリカで発明されてから現在に至るまで幾度となく技術革新を行っており、手ごろな価格から高額な価格帯まで幅広いモデルがあります。後述で紹介する機械式よりも扱いやすく日常使いにも適しているといえるでしょう。
このクォーツ腕時計は、電子回路が壊れてしまうと修理することは不可能となってしまいます。なので、どれだけ大事に扱ったとしても、10年ほどで寿命を迎えてしまいます。高級時計メーカーであれば、電子回路の交換を行ってくれる場合もありますが、購入金額と同様の金額がかかる上、修理ができず失敗してしまう可能性もあります。
ソーラー腕時計の寿命
ソーラー腕時計とは、太陽光を電気エネルギーに換えて動く時計のこと。充電と放電を繰り返しながら使用できる二次電池に、電気エネルギーを備蓄することが可能となるため、夜になっても動かすことができます。
ソーラーは常に充電されている状態となるため、電池交換がいらないと思われますが、スマートフォンやパソコンのように、長期使用や環境状況によって経年劣化していきます。二次電池の寿命は7年ほどといわれているため、電池交換をしなければ寿命は7年となります。
二次電池は交換可能のため、もしも長く使っていきたいと考えているのであれば時計修理店に持っていくと良いでしょう。ですが、電池を交換したとしても、時計の電子回路などの寿命は短くおおよそ10年となります。
機械式腕時計の寿命
機械式時計とは、巻き上げたゼンマイを動力源とする腕時計。機械式は腕時計の中でも最も歴史が長く、19世紀後半に作られ始めたとされています。クォーツ腕時計の誕生により、一時期は衰退の時期もありましたが技術力や精度の高さ、クォーツよりも寿命が長いなどといった理由から、現在でも幅広い層から支持を得ています。
先述の通り、クォーツよりも寿命が長いと紹介しましたが、日々のメンテナンスや時計修理専門店で分解清掃(オーバーホール)などを行わなければ10年ほどしか使用できません。ですが、メンテナンスと定期的なオーバーホールを行うことで30~50年ほど使用することができるため、まさに“一生モノの時計”といえます。
腕時計の寿命はメンテナンス次第で10年以上は待つものですが、クォーツの場合は電子回路の寿命に関わってきますので長くて10年ほど。機械式やソーラーは日々のケアと定期メンテナンスを行うことで、より寿命を引き延ばすことができます。
腕時計の寿命は確実に伸ばせる!その為のおすすめの管理方法がコチラ!
腕時計ごとにそれぞれの寿命をお伝えしてきましたが、いずれも手入れをして最善のメンテナンスをした場合であり、使用環境が悪くメンテナンスされていない状態であればすぐにダメになってしまう可能性だってあります。
ここでは、少しでも腕時計の寿命を延ばす方法を5つ紹介していきます。
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電池が切れたらなるべく早く交換
電池が切れてしまったら、なるべく早めに交換することで腕時計の寿命を延ばすことができます。電池が切れた状態のままにしてしまうと、電池に残った微小な電流が腕時計へ流れ続けてしまうことで液漏れが発生してしまいます。液漏れによってムーブメントや文字盤が錆びてしまうと使えなくなってしまうため、分解修理が必要となります。
もしも、腕時計を長時間使用しないというのであれば、電池を抜いて保管すると良いでしょう。
機械式は3ヵ月ごとにゼンマイをまわす
機械式の場合は電池がないため、より細かな管理が必要となっています。機械式の内部にはとても精密な部品が使用されており、その機械をスムーズに動かすために潤滑油と機械油が塗られています。この油については、普段使用している時計であればそこまで気にすることはありません。ですが、メンテナンスをせず放置してしまっていると、凝固して油や部品ともに劣化が進んでいきます。劣化することで時刻が遅れたり止まってしまい、部品の摩耗も発生してしまうため故障の原因が連鎖していきます。
劣化による故障を防ぐためにも3ヵ月に1度はゼンマイをフルに巻いて動かすとよいでしょう。ゼンマイを巻くことで、時刻や日付の表示に関わる部品を稼働できるため潤滑油も循環していきます。理想は毎日ゼンマイを回すのがベストではありますが、どれだけ放置をしていたとしても最低3ヵ月ごとにゼンマイをフルで巻くことをおすすめします。
電化製品の近くに置かない
腕時計は電子レンジやテレビなど、その製品自体が磁気を発するものの近くに置かないようにしましょう。
もしも電化製品の近くに置いてしまうと、電化製品が発する電磁波が腕時計に移ってしまい、部品のひとつひとつが磁石のようにくっつき正常に作動しない状態になってしまいます。ものによっては磁気に強い構造になっているものもありますが、普段使用する際は気を付けておくと良いでしょう。
パソコンやスマホも磁気を発していますので、一緒に保管しておく場合は10~20cmほど離すことをで磁気移りはほとんどないと言われています。
高温多湿を避ける
防水性に秀でた腕時計であれば特に気にすることではありませんが、寒暖差によって腕時計内に結露が発生してしまい、部品の腐食が進行していきます。その状態で動き続けていくことでさまざま故障を招き、結果寿命を縮める原因となります。
気温の寒暖差以外に、湿気も気を付けなければならない要因です。湿気が多い場所での使用により、金属部分の腐食や錆びを引き起こしてしまうため、お風呂やサウナ、シャワーなどの湿気が多い場所で使用を避けるべきでしょう。
衝撃を与えない
腕時計はとても細かい部品がいくつも組み合わさって出来上がっています。時計によっては数万のパーツが組み合わさって出来ているものもあり、当たり所が悪いと机にぶつけたくらいの衝撃でも壊れてしまう場合もあり、気を付けていないとすぐに寿命を迎えてしまうということも。
なので、ゴルフや野球のバッティングなどの腕時計に衝撃がかかるスポーツをする際は、時計を外した方が無難でしょう。
特に精密な歯車の集合体である機械式時計は衝撃に弱いため、ちょっと落としただけでも故障する可能性があります。そのリスクを避けるためにも、落下しない安定した場所に時計を置いておくのも忘れてはいけません。
日々の清掃も忘れずに
日々の使用によって汚れは蓄積していくもの。特に肌に触れるバンド部分については、放置してしまうことで皮脂や汗により雑菌が繁殖し、においの原因になります。金属バンドですと肌が弱い人であれば、かぶれてしまう可能性も出てきます。
清掃時に使用するものは、マイクロファイバーやセーム革などの乾いたクロスを推奨します。表面のきめ細かさや静電気が起きづらいことが挙げられます。ただし、細かなコマの間にある汚れはどうしても取れませんので、隙間の汚れを取る際は柔らかめの歯ブラシでブラッシングを行いましょう。
金属バンドよりも気を付けなければならないのは、革のバンドです。汗などの水分に弱くさらに強い光にあてすぎると劣化がしやすく、そのままにしてしまうとひび割れや変色の可能性もでてきます。
汗をかいたり水に濡れてしまったなと感じたら、すぐに時計を外して水気をふき取ることが大事。一日の終わりには柔らかい布でふき取るようにしましょう。強くこすってしまうと色落ちの原因にもなってしまうため、吸水性の高い布でふき取ることを心がけましょう。
適切な保管で寿命は変わる
時計を仕事用と遊び用に使い分けていたり、コレクションで複数本所有されている方は、どのように保管されていますでしょうか?日々のケアをしていたとしても、保管や収納については知らないという方も多いかもしれません。正しい方法で保管することで長く使用することができますので、ぜひ覚えておきましょう。
先述したように、腕時計は湿気や磁気に気を付けなければならないとお伝えしましたが、保管場所に関しても普段使用している以上に気にかけなければいけません。湿気が発生しやすいお風呂場やキッチンを避ければ問題はなく、磁気に関しても電化製品から5cm以上離しておけば良いです。
ですが、一緒に保管するものにも注意は必要で、引き出しなどに入れる際はシンナーや接着剤、化粧品などの揮発性がある薬品と一緒にしないように気を付けること。貴金属系や天然素材を使用している文字盤については、化学反応を起こして変色や色落ちしてしまいます。
一度その状態に陥ってしまうと化学反応のため二度と元に戻すことはできないため、文字盤やケースの交換となってしまいますので、十分に用心しましょう。
もうひとつ気を付けておかなければいけないのは、保管する前の手入れ状況となります。本体部分やブレス、革ベルトの部分に汚れや水気があることで錆びの発生源となったり、菌の繁殖によって次回着用時の肌トラブルを招くこともあるんです。
保管をする前は必ず乾いたクロスで拭き、日陰で風通しの良い場所では半日以上は自然乾燥をしましょう。もしも保管機関が長い場合は、文字盤、バンド部分共に入念に手入れして保管するようにしましょう。
とはいえ、機械式腕時計に関しては、より細かなメンテナンスが求められます。そもそも、長期間使わずに放っておくことで内部の機械油が固まり劣化することで時計自体の精度や寿命に悪影響を与えてしまいます。そのため、機械式の場合は3ヵ月に1回はメンテナンスする気持ちでいるとよいでしょう。
より長持ちさせるには「オーバーホール」をすべき
日々のメンテナンスや保管方法を気にかけていたとしても、使用している以上部品の摩耗や劣化は避けることができません。その症状はどの時計にも言えることで、数千円で購入できるリーズナブルなものから数百万円もする高級時計だとしても同様です。
長く使用するためには、時計を分解して清掃を行う「オーバーホール」が欠かせません。
オーバーホールは車でいう車検のようなもの、時計の性能保ちつつ長く使用するには必ず必要となってきます。このオーバーホールを行うことで腕時計の寿命は各段に延ばすことが可能となり、機械式腕時計であれば40~50年ほど使用できるようになります。
そのため、快適に使い続けるためにも3~5年に1回はオーバーホールをした方が良いと言われています。
高級腕時計メーカーの「ロレックス」ですと、製造が終了した部品の保有期間を30年ほどなっています。そのため、オーバーホールを受け付け終了となるまで、できるだけ部品交換をしておく方が良いでしょう。「オメガ」ですとメンテナンスの度にスイスへ送ることになりますが、30年過ぎたとしてもオーバーホールの受け付けをしてもらえます。
どのメーカーにも言えることは、お金を惜しまずメンテナンスした場合は長く保つことが可能となります。なのでオーバーホール等の維持費を保つことができれば、それこそ“一生使うことができる時計”と言えるでしょう。
これが出たら腕時計の寿命サイン!?タイプ別の見極め方
どんなにいい時計であっても、機械である以上寿命はあります。腕時計の寿命はある日突然やってくるものではありますが、ある程度見極めることも可能。ここでは、寿命のサインともしも手放す際について知っておきたい事についてご紹介していきます。
こんなことが起こったら動かなくなるサイン
状況にもよりますが、これからご紹介することが起こると、その腕時計は寿命が近いといえるでしょう。その内容は大きく分けて2つとなります。
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それでは解説していきます。
電池がすぐに切れてしまう
電池が切れてしまうのであれば、電池交換すれば問題は解決します。ですが、交換の間隔が徐々に短くなっていきますと寿命が近いといえます。
この場合、劣化してしまった部品の交換を行うことで状況は解消しますが、年数を重ねたものは思った以上にいろんなところに摩耗が生じている可能性があるんです。修理を頼もうにも、新しい腕時計を買ったほうが安く済んでしまうなんてこともザラにあります。
電池の寿命が2年以下となるようであれば、新しい腕時計の購入を検討するべきでしょう
すぐに時間がズレる
短針や長針がズレてしまう場合も、寿命のサイン。この部分のズレに関しては、針の取り付け部分が緩んでいるなど時計内部に不具合が生じていることが考えられます。
内部部品の経年劣化もその一つだとは思いますが、歯車の部品そのものが不具合を起こしている可能性もあります。その場合はオーバーホールで原因究明を行うことをおすすめしますが、腕時計の年式によっては部品の取り置きがなくなってしまっている場合も。
時間のズレが頻繁に起きてしまうようであれば、買い替えを視野に入れておくべきでしょう。
寿命を迎える前に売りに出すことも
ご紹介した上記の症状は出ていなくても、時計を変えたいと考える方もいらっしゃるかと思います。その場合、ただ捨てるだけではもったいないです。買い取ってもらえるのであればそれに越したことはありません。ですが、売りに出せばすべての腕時計に値段がつくというわけではないんですよ。
買取に強い時計は、メーカ品として有名なものや人気の高いブランドの高級時計となります。ロレックスやオメガのようなブランドであれば、人気も安定しているため買取の可能性は非常に高いと言えます。ここで気を付けなければならないのが、故障や傷がないなどの状態の良さのほかに、購入時の箱や保証書、余りゴマが揃っているか。
そのため、条件が揃わないと思った以上の値段がつかない可能性もあります。その場合も考慮し、買取業者は腕時計の専任の鑑定士がいることをおすすめします。価格は業者によって基準が異なるため、複数の業者で査定を受けるとよいでしょう。
動かなくなっても売れる可能性はある
とはいえ、家にある時計はどれも寿命を迎えて動かなくなっているものもあるかもしれません。それでも腕時計によっては「ロレックス」や「オメガ」「カルティエ」などの世界的に名前が知れ渡っており、安定して需要がある時計メーカーであれば、修理できないくらいのジャンク品だったとしても買取が可能となっています。
ものによっては、修理部品確保のための部品取りだったり、趣味で時計を分解、修理する方の需要なども関係しています。
当社が運営する「BRAND REVALUE(ブランドリバリュー)」であれば、世界中のコレクターやバイヤーとのコネクションがあるため、独自の中古ブランドアイテムの販売ルートを構築しています。また、多くの買取実績を持つスタッフが多数在籍しています。そのため、他店で断られたような時計だったとしても、価値を見落とすことなく最大限高値での査定を実現しています。
メンテナンスをすれば腕時計は長持ちする!
ここまで、各腕時計の使用できる年数から寿命を延ばす方法、寿命の見極め方までを解説していきました。
腕時計の寿命は長くても10年前後しかありませんが、メンテナンスやオーバーホールをすることにより長く使用することができます。お気に入りの時計であればより長く使用していきたいもの。ですが、一生モノと呼ばれる高級時計モデルであっても、メンテナンスしなければ長く使用はできません。
そこで、この記事で紹介したメンテナンス方法を実践することで、愛用している腕時計の寿命を延ばすことができます!この記事をご参考いただき、日々の使用スタイルを振り返ってみてください。