高級時計ブランドとして、世界でその名を知られる「OMEGA（オメガ）」。オメガといえばスピードマスターやシーマスターが有名ですが、繊細でエレガントなデザインが魅力の「デ・ヴィル」をご存知でしょうか。発売してから50年以上が経過しているモデルですが、あまり語られることのない謎めいた印象をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、デ・ヴィルの歴代モデルを一挙ご紹介します。歴史や種類、特徴などについても詳しく解説するので、最後までご覧ください。
目次
オメガのデ・ヴィルとは？
デ・ヴィルとは、オメガが展開する時計コレクションのひとつです。国内では「デビル」とも呼ばれ親しまれているため、「悪魔がモチーフなのだろうか」と思われる方もいるのではないでしょうか。
実は「悪魔」を意味するデビルとは一切関係なく、フランス語で「都会」を意味する「de ville（デ・ヴィル）」が由来とされています。この由来を知れば、デ・ヴィルのスマートでエレガントなデザインがイメージしやすくなるでしょう。
デ・ヴィルの歴史
デ・ヴィルが初めて登場したのは、1960年のことです。しかし当時は単独のシリーズとしてではなく、シーマスターシリーズの「シーマスター デ・ヴィル」としてリリースされました。
当時はあくまでも「シーマスターの一種」という位置づけでしたが、シンプルで洗練されたデザインは多くのオメガファンを惹きつけ、その名も徐々に広く知られるようになりました。
その流れを受け、1967年にはシーマスターシリーズから独立することになります。その後もデ・ヴィルは、よりスマートで洗練されたデザインを強みとして、独自路線を追求していきます。このシリーズコンセプトは現代にまで受け継がれており、オメガの時計のなかでも美しい都会的なデザインを楽しめるシリーズとして人気です。
デ・ヴィルの種類
デ・ヴィルの現行モデル（※2024年7月時点）には、以下のような種類があります。
- レディマティック
- トレゾア
- プレステージ
- トゥールビヨン
「レディマティック」はもともと、1955年に発表された初の女性向け自動巻きモデルです。半世紀を経てシリーズを刷新し、女性向けの華やかな腕時計を多数展開しています。
「トレゾア」とは、フランス語で「宝物」を意味する言葉です。丸く大きなケースが印象的で、シンプルななかにも洗練された美しさを楽しめます。
「プレステージ」は、優雅で洗練されたデザインに高度な時計技術を融合したシリーズで、コーアクシャルムーブメント搭載モデルとしても知られています。
高級志向のトゥールビヨン搭載モデルは、高価な素材を存分に詰めこんだ華やかななモデルとして注目を集めています。上3モデルは定価50万円〜500万円のモデルが多い中、トゥールビヨン搭載モデルは3000万円を超えており、文字通り桁が違う価格帯となっています。
デ・ヴィルはレディースも豊富
デ・ヴィルは、女性向けのアイテムが多いシリーズとしても有名です。先ほども紹介したレディマティックが、まさにその象徴となっています。華やかなものやかわいらしいもの、上品で洗練された印象のものなど、イメージに合わせて選びやすいのも魅力ポイントです。
またデ・ヴィルで定番のトレゾアやプレステージにも、レディース向けのアイテムが豊富に取り揃えられています。求めるイメージに合わせて、好みのデザインや機能を選びやすい点も、デ・ヴィルならではの特徴といえるでしょう。
さらにデ・ヴィルは、海外の女性セレブにも愛用者が多いことでも有名です。コレクターとしてアイテムを収集する方も多く、中古市場においても高い人気を集めています。
デ・ヴィルの歴代モデルを紹介
時代とともに移り変わりを楽しめるのも、デ・ヴィルシリーズの魅力のひとつです。そんな歴代モデルの中でも、以下の4つはとくに代表的なモデルとして知られています。
シーマスター デ・ヴィル
1960年に、シーマスターシリーズのひとつとして誕生したのが「シーマスター デ・ヴィル」です。発売当初は「シーマスターの一種」という位置付けだったそうですが、薄くてスマートなケースやデザインを取り入れたモデルは、徐々にその知名度を広げていきました。
針やインデックスも非常にシャープな印象で、半世紀以上前のモデルにもかかわらず古臭さを感じさせないデザイン設計となっています。
デ・ヴィルがシーマスターから独立したのは1967年で、両方の名前を冠したアイテムが製造された期間は決して長くはありません。デザインはもちろん、その希少性の高さにおいても、多くのコレクターから注目されるアイテムです。
デ・ヴィル スクエア
「デ・ヴィル スクエア」シリーズは、オメガとしては珍しい四角形のケースが採用されたモデルです。直線的ながらも柔らかさのあるデザインが特徴的で、クラシックでより大人っぽい雰囲気を楽しめる一本となっています。
現行のデ・ヴィルはほぼラウンド型のケースを採用しているため、希少価値の高さもスクエア型の魅力です。人と被らないオメガを探している方にも、ぴったりのアイテムといえるでしょう。
デ・ヴィル レクタンギュラー
「デ・ヴィル レクタンギュラー」にも、スクエアシリーズと同じく四角形のケースが採用されています。違いとしては、スクエアシリーズが正方形に近い形状なのに対して、レクタンギュラーは長方形のケースを採用している点です。
黒またはシルバーの文字盤に、スリムなインデックスや針を配置し、シンプルで直線的なダイアルデザインに仕上げたものが一般的です。手もとでしっかりと存在感を発揮しながら、レトロでシックな雰囲気を演出してくれます。
デ・ヴィル プレステージ
「デ・ヴィル プレステージ」は、デ・ヴィルの定番モデルとして知られています。無駄を省いたシンプルな文字盤は、視認性に優れた設計となっています。さらにデイト表示機能やクロノグラフ搭載モデルもあり、デザイン性だけでなく機能性にも優れた一本です。
価格帯はコーアクシャル搭載モデルでも100万円前後と、オメガの中では比較的安価に買えるモデルが多く取り揃えられています。
エレガントで洗練されたデザインのデ・ヴィル
もともとはシーマスターシリーズの一種として、その歴史をスタートさせたデ・ヴィル。その名前のとおり、シティライフをより魅力的に彩ってくれるような、洗練された雰囲気が魅力です。
オメガの時計のなかでも、とくにデザイン性にこだわってお気に入りの1本を探したいと思ったら、ぜひ注目してみてください。
コレクターも多いデ・ヴィルは、中古市場においても活発に取引されています。現行モデルにピンとこない場合には、ぜひ過去のアイテムにも注目してみてくださいね。