OMEGA（オメガ）の歴史｜イメージ・特徴・人気の種類も紹介

オメガはスイス生まれの高級腕時計ブランドです。初めて月に到達した「スピードマスター」をはじめ、高精度で実用性の高い時計の数々を生み出しています。

この記事では、オメガというブランドの歴史や魅力などの基礎知識と、オメガの人気モデルを解説します。オメガの時計に興味がある方や、オメガの時計の価値を知りたい方はぜひ参考にしてください。

1 オメガはロレックス並に知名度の高いブランド

オメガは、高級時計ブランドの中ではロレックス並に知名度の高いブランドです。高級腕時計に詳しくなくても、ロレックスとオメガは聞いたことがあるという方は非常に多いです。

オメガにはスピードマスターやシーマスターなど、歴史に残る名機がたくさんあり、知名度だけでなく実用性も備わっています。そのため、オメガは初めて高級時計を買うビギナーだけでなく、時計好きからも愛されるブランドです。

1-2 オメガはオリンピック公式タイムキーパー

オメガは、1932年のロサンゼルスオリンピックで公式タイムキーパーを務めました。それ以降オメガは計時性能を常に進化させ、32大会もの公式タイムキーパーを務めています。

2017年にはIOCとの契約で、パートナーシップ100年目となる2032年まで公式タイムキーパーの継続が発表されました。これほどの長期契約を行うのはオメガが初めてで、スポーツの分野での信頼度の高さが伝わります。

1-2 さまざまなシーンで活躍するオメガ

オメガの時計は、歴史上の重要な場面や、映画の中など、さまざまなシーンで活躍してきました。特に有名なのは、1969年にアポロ11号が人類初の月面着陸を成功させた際、オメガのスピードマスターが使われていたという逸話です。

出典：OMEGA

また、世界的に愛されている映画「007」でジェームズ・ボンドが身につけているのは、オメガのシーマスターです。

1995年に公開された「007 ゴールデンアイ」以降、シーマスターはボンド愛用の腕時計として全作品に登場しています。劇中に登場した時計はボンド・ウォッチと呼ばれ、時計好きはもちろん、映画好きからも人気があります。

2 オメガの歴史

オメガは1848年に時計師のルイ・ブランがスイスで設立した工房がスタートです。その後、ルイ・ブランの息子たちが時計工房を引き継ぎ、現在の高級時計ブランドへと発展させていきました。

オメガのブランド名は、ギリシャ文字のΩが由来です。Ωという文字には究極という意味があります。1894年に開発した自社ムーブメントをオメガと命名したことから、社名もオメガに変更しました。

1932年にはオリンピックの公式タイムキーパーに認定され、スポーツ分野での計時技術の高さも評価されました。

出典：OMEGA

オメガの名前が決定的に世界に知れ渡ったのは、1965年にスピードマスターがNASAに認められたことがきっかけです。NASAは、宇宙計画で使用するための時計を探すため、いくつかの時計に厳しいテストを行いました。それらのさまざまなテストを経て、唯一合格したのがスピードマスターです。宇宙空間でも使用できる高性能な時計として、オメガは世界中に大きな衝撃を与えました。

NASAの認定を得たスピードマスターは、実際に宇宙空間でさまざまな活躍をみせました。現在でもNASAではスピードマスターが使用されており、オメガの実用性の高さを証明しています。

また、1999年には時計のムーブメントに欠かせない脱進機を進化させた「コーアクシャル脱進機」を発明しました。この発明は、250年以上大きな進化がなかった脱進機の常識を大きく変え、時計業界に衝撃を与えました。

さらに2015年には独自の認定規格である「マスタークロノメーター」を設けました。これによりオメガの時計はさらに精度を高め、現在も非常に高い基準での時計作りを続けています。

3 オメガの時計の凄さとは

オメガは高級腕時計ブランドとして有名ですが、時計業界の中では優れた技術力を持ったブランドとして高い評価を受けています。ここでは、オメガの時計の凄さについて解説します。

3-1 高精度ムーブメントを開発する高い技術

出典：OMEGA

オメガの時計にはコーアクシャル脱進機が搭載されています。脱進機とは時計のムーブメントの一部で、時間調整を行う機能を担います。

多くの高級腕時計にはスイスレバー式の脱進機が搭載されていますが、スイスレバー式の脱進機は300年以上前に開発されたものです。各時計メーカーが様々な工夫を行って精度を高めてきた結果、スイスレバー脱進機の精度はこれ以上の進化は難しいとされています。

そこで1999年にオメガが発表したのがコーアクシャル脱進機という、画期的なメカニズムです。

コーアクシャル脱進機自体は1974年に完成していましたが、非常に精密な構造のため、時計に組み込むための量産化や小型化に25年もの歳月がかかりました。

コーアクシャル脱進機の最大の特徴は、非常に精度が高く、部品の摩擦を軽減することができることです。一般的な機械式時計では、注油のため3〜5年に1回のオーバーホールが必要ですが、コーアクシャル脱進機はほぼ注油の必要がないため、オーバーホールが8年から10年に1回で済むとされています。

現在、オメガの時計には多くのモデルでコーアクシャル脱進機が採用されています。オメガならではの高い技術力は、ほかのブランドにはない魅力のひとつです。

3-2 極限まで高めた耐磁性能

出典：OMEGA

オメガの時計には「マスターコーアクシャル」という、コーアクシャルムーブメントよりさらに上位のムーブメントが存在します。

コーアクシャルとマスターコーアクシャルの違いは「耐磁性能」です。コーアクシャルの対磁性能は1000ガウスですが、マスターコーアクシャルの耐磁性能はなんと15000ガウスです。

現代社会にはスマートフォンやパソコンをはじめ、さまざまな電化製品から放たれる磁気が溢れています。高級腕時計にとって、磁気は大敵です。時計が磁気を帯びてしまうと、精度が落ちたり部品の内部破損が起こったりします。

耐磁性能の高い時計といえばロレックスのミルガウスが有名ですが、ミルガウスの耐磁性能はコーアクシャルと同じ1000ガウスです。コーアクシャルの耐磁性能だけでも十分に日常生活に耐えられるだけの耐磁性を備えていますが、マスターコーアクシャルはそれ以上の耐磁性能を手に入れました。

医療従事者やエンジニア、研究者などは、一般人よりも磁気が身近な環境で働いている方にとっては、耐磁性能の高さは時計選びの重要なポイントです。精度が高く、安定して使える腕時計が欲しい方にとっては、オメガの時計は魅力的でしょう。

3-3 高性能の証「マスタークロノメーター」

出典：OMEGA

オメガの時計には「マスタークロノメーター」というブランド独自の規格があります。

機械式時計はクオーツや電波式の時計と違い、精度を維持するのに非常に高い技術必要です。そのため、機械式時計の品質を証明するために、時計業界ではさまざまな試験が行われ、規格が認定されています。

オメガのマスタークロノメーターは、スイス連邦計量・認定局(METAS)と共同開発したテストで、事前にスイス公認クロノメーター規格に認定された時計にさらに厳しいテストを行います。時計業界にはさまざまな規格がありますが、オメガのマスタークロノメーターはもっとも厳格な基準に基づいて規格が認定されています。

オメガは今後全製品にマスタークロノメーター認定を行うことを目指しており、オメガの時計の正確性や実用性の高さは、これからもますます進化していくでしょう。

4 オメガの魅力は性能だけじゃない

オメガはマスタークロノメーター認定や独自のコーアクシャル脱進機など、性能面での評価が高いブランドです。しかし、オメガの魅力は性能だけではありません。ここでは、性能以外のオメガの魅力を紹介します。

4-1 コストパフォーマンスの高さ

オメガといえば、ロレックスと双璧をなすスイスの有名時計ブランドです。しかし、オメガはロレックスと比べて比較的リーズナブルな価格で高性能な時計が手に入ります。

ステンレスモデルであれば、超高性能のマスタークロノメーター認定モデルも60万円台から購入できるなど、コストパフォーマンスの高さは抜群です。

4-2 バリエーションの多さ

オメガには、シーマスターやスピードマスターといったスポーツモデルのほか、コンステレーションやデ・ヴィルといったドレスモデルも揃っています。各モデルのデザインバリエーションも多いため、自分好みの時計が見つかります。

また、女性向けモデルも充実しているほか、最近ではスウォッチとコラボレーションしたスピードマスターを発表するなど、若者向けのモデルにも意欲的です。

4-3 記念モデルが多い

出典：OMEGA

オメガはコラボレーションや復刻などの記念モデルが多く、人とかぶらない時計をお探しの方におすすめのブランドです。映画「007」とコラボレーションしたモデルや、東京オリンピック記念モデル、日本限定モデルなど、さまざまな記念モデルが揃っています。

こうしたモデルは生産数も少ないことから価値も上がりやすく、高価買取も期待できます。

4-4 欲しいモデルを手に入れやすい

オメガは各モデルの流通量が多く、欲しいモデルを比較的手に入れやすいブランドです。高級腕時計ブームが加熱する中、一部のブランドでは「欲しいモデルが手に入らない」という状況が続いています。

新作や限定モデル以外の定番であれば、直営店で購入するのはそれほど難しくないでしょう。

5 オメガの人気モデル

出典：OMEGA

ここでは、オメガの中でも人気の高いモデルを紹介します。オメガにはスポーツモデルもドレスモデルも揃っており、シーンに合わせた時計が選べます。豊富なバリエーションの中から、ぜひお気に入りの一本を見つけてください。

5-1 スピードマスター

出典：OMEGA

スピードマスターは、NASAの公式腕時計として採用され、世界で初めて月に行った時計です。オメガといえばスピードマスターといってもいいほど知名度も高く、オメガの代表作ともいえるモデルです。

スピードマスターは手巻き式のクロノグラフで、もともとレーシングのための時計として生まれました。優れた耐衝撃性と視認性の高さが評価され、1965年にNASAの公式装備品に採用されて月に行ったことから「ムーンウォッチ」の愛称でも親しまれています。

スピードマスターにはいくつかの派生モデルがあり、大きくわけると4種類あります。

• スピードマスター プロフェッショナル
• ダーク サイド オブ ザ ムーン
• スピードマスター レーシング
• スピードマスター38mm

スピードマスター プロフェッショナル

スピードマスター プロフェッショナルは、いわゆる「ムーンウォッチ」と呼ばれるモデルです。もともと市販品だったものがNASAの公式装備品として採用されたという逸話があり、高機能かつ高性能なプロフェッショナル向けのモデルです。

現行モデルのムーブメントは手巻きのCal.3861を採用し、15,000ガウスの耐磁性能と50時間のパワーリザーブを備えています。

ステンレスとブラックのシンプルなデザインは1950年代にすでに完成されており、現在もオメガのアイコン的存在として人気です。ステンレスのほか、ゴールドを使用したモデルやさまざまなカラーバリエーションもあり、定番の黒以外にも幅広い選択肢があります。

ダーク サイド オブ ザ ムーン
出典：OMEGA

ダーク サイド オブ ザ ムーンは、スピードマスター プロフェッショナルをベースに「月の裏側」をテーマにして作られたコレクションです。

ケースにセラミックを使用しているのが特徴で、ダイヤルから針まですべてブラックで構成された「ブラックブラック」や、夜光塗料のスーパールミノヴァを効果的にデザインした「ピッチブラック」など、個性的なモデルが揃っています。

月の裏側を表現するため、黒やグレーのモノトーンカラーで構成されたデザインが中心ですが、ホワイトセラミックを使用し、月の明るさを表現した「ホワイトサイド オブ ザ ムーン」というモデルもあります。

スピードマスター レーシング出典：OMEGA

スピードマスター レーシングは、2カウンタータイプの時計です。スピードマスターの2カウンターモデルはほかにムーンフェイズとクロノスコープがありますが、レーシングはその名の通りカーレーシングをイメージしたスポーティーなモデルです。

レーシングの最大の特徴は44mmと40mmの2種類のサイズです。44mmの大型ケースは、時計の存在感はもちろん、視認性もアップしています。40mmサイズは日本人の体型にも合わせやすく、使い勝手がよいサイズです。体型や好みに合わせてサイズを選べるため、スピードマスターの中でも人気のモデルです。

スピードマスター レーシングは過酷なレース環境にも耐えられる性能を実現するため、オメガ最高峰のムーブメントであるコーアクシャル マスター クロノメーター9900を搭載しています。

文字盤デザインも豊富で、他の人とかぶることが少ないのもポイントです。

スピードマスター38mm

スピードマスター38mmは、スピードマスター プロフェッショナルのデザインをベースに、よりコンパクトなサイズにしたモデルです。スピードマスター プロフェッショナルの42mmサイズは海外基準のサイズのため、小柄な人や女性には大きすぎるという難点がありました。

スピードマスター38mmは、38mmという絶妙なサイズ感で一気に人気モデルとなりました。男性らしいベーシックなデザインのほか、ラグジュアリー感のある宝石入りモデルなど、女性向けのデザインも豊富です。スピードマスターのデザインは好きだけど大きすぎるというお悩みに答える、ベストなサイズ感のモデルといえます。

5-2 シーマスター

出典：OMEGA

シーマスターは、スピードマスターと並ぶオメガの旗艦モデルです。シーマスターはダイバーズウォッチのパイオニアとしてブランド創業100周年となる1948年に登場しました。

シーマスターのバリエーションは大きく分けると3種類あります。

• アクアテラ
• ダイバー300M
• プラネットオーシャン

シーマスター アクアテラ

シーマスター アクアテラは2002年に誕生した150m防水のダイバーズウォッチです。海をイメージしており、ダイバーズウォッチながらエレガントなテイストが魅力です。

アクアテラの特徴はチークコンセプトと呼ばれるダイヤルの模様で、ウッドデッキのような横ストライプになっています。リゾート感のあるデザインは非常に評価が高く、ラグジュアリースポーツウォッチとして幅広い層から人気を集めました。

アクアテラはシンプルなデザインとは裏腹に、ダイバーズウォッチとしての機能も充実しています。コーアクシャル マスタークロノメーター認定のムーブメントを搭載しており、150mの防水性能と15,000ガウス以上の耐磁性能を持っています。

ダイバー300M

ダイバー300Mは、シーマスターシリーズの中でも定番のモデルです。300m防水やヘリウムエスケープバルブなど、ダイバーに必要なさまざまな機能を備えつつ、ビジネスシーンでも違和感なく使えるデザインが特徴です。映画「007」で使用されているのも、このシーマスター 300Mで、根強いファンのいるモデルです。

ダイバー300Mは1993年に誕生したモデルですが、2018年にフルモデルチェンジを果たしました。ケースサイズが42mmに大きくなり、文字盤デザインがスタイリッシュな波型模様になりました。また、ベゼルと文字盤がセラミック製のモデルがラインナップに追加され、デザインの幅も大きく広がりました。

プラネットオーシャン

プラネットオーシャンは、シーマスターの中でも最高峰のプロフェッショナルモデルです。2005年に誕生したプラネットオーシャンは、従来のシーマスターシリーズの防水性能を大きく更新し、600mの防水性能を実現しました。

2022年の新作として登場したプラネットオーシャン6000Mは、なんと6000mもの高い防水性能を持っています。プロユースのダイバーズウォッチを選ぶなら、プラネットオーシャンシリーズが最適です。

プラネットオーシャンはほかのシーマスターシリーズと同様、コーアクシャル マスタークロノメーター認定のムーブメントを搭載しています。ダイバーズウォッチとして優れた機能を持ちつつ、スッキリと洗練されたデザインなのも魅力です。

5-3 コンステレーション

出典：OMEGA

1952年に誕生したオメガのコンステレーションは、オメガのドレスモデルの中でも人気のコレクションです。当時開催されていた天文台コンクールにて優秀な精度を記録し、世界一正確な時計として評価されました。

天文台にちなんで、裏蓋には天文台のモチーフが刻まれています。また、コンステレーションは星座という意味があり、その名の通り文字盤の6時位置には星のマークが入っているのも特徴です。

コンステレーション

コンステレーションは発売から50年以上経ったシリーズですが、オメガの高精度時計というコンセプトは変わっておらず、現行の自動巻きモデルは、コーアクシャル マスタークロノメーター認定のムーブメントを搭載しています。低価格で機能性が高いクオーツモデルもラインナップされており、女性向けモデルも豊富など、選択肢の多さで幅広い層に愛されています。

グローブマスター

また、コンステレーションのサブシリーズであるグローブマスターは、2015年の登場以来、非常に人気の高いコレクションです。初期のコンステレーションのデザインを現代的にアレンジし、シンプルながら洗練されたテイストに仕上がっています。アニュアルカレンダーを搭載したモデルも登場し、オメガの技術の高さを示す新たな高精度腕時計として評判を呼びました。

5-4 デ・ヴィル

出典：OMEGA

デ・ヴィルは、シーマスターから派生したドレスウォッチのコレクションです。スピードマスターやシーマスターの力強さとは対極的に、デ・ヴィルは落ち着いた繊細な美しさが魅力です。精度の高さと、どんなシーンでも身につけられるシンプルな時計をお探しの方にはぴったりのモデルでしょう。

レディマティック

トレゾア

デ・ヴィルには、コーアクシャルクロノメーターを搭載したレディマティックや、華やかなデザインが揃うトレゾアなど、女性向けのモデルが揃っています。

プレステージ

デ・ヴィルはフランス語で都会という意味がありますが、その名の通り都会的でスタイリッシュな印象があります。レディース向けのラインナップが多いデ・ヴィルですが、プレステージなどメンズサイズのモデルも用意されており、ビジネスシーンやパーティーシーンにぴったりです。

6 オメガは歴史と知名度があるコスパのよいブランド

オメガは高級腕時計ブランドの中でも抜群の知名度を誇るブランドです。マスタークロノメーター認定など、独自基準で精度の高さを実現しながらも、比較的手に入りやすく低価格という、コストパフォーマンスのよさが評価されています。

実用性の高さで選ぶなら、オメガは非常におすすめのブランドといえます。中古市場での人気も高く、買取価格も年々アップしており、オメガは今が売りどきです。お手持ちのオメガの価値や評価が知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。