最近、高級時計ブランドの中で「HUBLOT(ウブロ)」の人気が落ち着いてきたと感じませんか?ウブロは比較的新しいメーカーですが、一部のモデルを除いて価格が下がっている傾向があります。とはいえ、ウブロの独特のデザインや高い技術力は今も多くの人々を魅了しています。
では、なぜウブロは終わったといわれるのでしょうか?その理由や、それでもウブロが持つ魅力、資産価値などについて解説していきます。
ウブロが終わったといわれる背景
近年ウブロが終わったといわれる背景を3つのポイントから解説します。
デカ厚ブームが落ち着いた
デカ厚ブームとは、1998年の春のスイス新作時計展で伝説のパネライが復活したことによって起きた、時計業界の大ブームのことです。
そんなデカ厚ブームの真っ只中に突如現れたのがウブロです。ウブロの大人気シリーズであるビッグ・バンは2005年に登場し、腕時計業界に革新をもたらしました。ハリウッドスターやプロスポーツ選手などがこぞって身に付けたこととで、一気に高級時計メーカーの仲間入りを果たしました。
しばらくは右肩上がりの経営でしたが、2010年中盤ごろからその盛り上がりは落ち着きデカ厚ブームは終焉を迎えました。とはいえウブロの人気が完全になくなったわけではなく、デカ厚時計というひとつのスタイルを確立したことで定番化され、真のファンから支持され続けています。
壊れやすいというイメージ
ウブロの多くのモデルには、機械式ムーブメントが採用されており、その複雑な構造と精密な動作が特徴です。しかし、機械式時計はその高度な技術とは裏腹に壊れやすいイメージを持たれがちです。ウブロでは、300以上のパーツで構成された自社製ムーブメント「ウニコ」が多数のモデルで採用されています。ウニコは非常な複雑な構造となっているため、1箇所の不具合が全体の機能に影響を及ぼすこともあります。
このような繊細な機械式時計は、扱い方や保管方法が雑だと故障する可能性が高まります。ウブロに限らず、機械式時計を所有する際はメンテナンスを怠らず慎重に扱うことが重要です。
資産価値が低いと思われている
ウブロのリセール率は30〜50%程度であり、他の高級時計ブランドと同様の水準です。ウブロは1980年に創業された比較的新しいブランドですが、タグホイヤーやIWCなどの他の高級腕時計ブランドと同等の知名度があり、高い信頼性を誇ります。
ロレックスと比較するとリセール価値はそれほどではありませんが、ウブロは充分な資産価値を持つブランドの一つです。
ウブロの人気が根強い理由
ウブロのリセールバリューが低下しているという声があるいっぽうで、実際にはウブロの人気が衰えていないという声もあります。そのいくつかの理由を見ていきましょう。
新素材の採用、異素材を組み合わせた独自性のあるデザイン
ウブロは「アート・オブ・フュージョン(The Art of Fusion)」というブランドコンセプトに基づき、常識にとらわれない独自性の高いデザインを展開しています。1980年に発表されたクラシックモデルは、ゴールドとラバーの組み合わせという業界初の試みでした。この斬新なアイデアは、ウブロの象徴的デザインとして現在も継承され続けています。
さらに、ウブロが2011年に発表し特許を取得した「マジックゴールド」は世界唯一の合金です。この素材は耐久性が低い金に独自の工夫を加えることで、耐久性を高め、輝きを長期間保つことができます。以上のことから、ウブロは常に革新的な素材の開発にも力を入れていることが分かります。
高性能な自社製ムーブメント
ウブロは、1980年の創業後しばらくムーブメントメーカーの業界最大手である「ETA(エタ)」社のムーブメントを採用していました。しかし、2005年にビッグ・バンのヒットを受けて、自社製ムーブメント「UNICO(ウニコ)」の開発に着手しました。約4年の歳月をかけて完成させたウニコは、パワーリザーブ72時間やフライバック機構など、高い精度と機能性を誇るムーブメントとして業界から高い評価を受けます。
その後も、ウブロは自社開発ムーブメントの開発を続け、小型モデル用のウニコ2や、約10日間のパワーリザーブを備えたメカ-10などを生み出しました。ウブロの自社製ムーブメントは、老舗メーカーにも引けを取らない高い技術力を誇っています。
異業種とのパートナーシップ
ウブロは多くの異業種とパートナーシップを結んでおり、サッカーやモータースポーツ、ファッション、アートとジャンルは多岐に渡ります。その中でもとくに注目すべきは、サッカーとフェラーリとのパートナーシップです。2010年のFIFAワールドカップでオフィシャルタイムキーパーに就任し、さらに2011年にフェラーリとのパートナーシップを発表しました。
その翌年には、フェラーリウォッチコレクションを発表し、コラボモデルである「ビッグ・バン フェラーリ マジックゴールド」を世界500本限定で販売しました。これにより、ウブロは世界中のスポーツファンに広く知られるようになりました。
著名人の着用やコラボ、アンバサダー起用
ウブロの腕時計は、スポーツ選手を中心に多くの著名人が愛用していることで有名です。
愛用している著名人
- プロ野球選手『田中将大』
- プロサッカー選手『長友佑都』
- 陸上選手『ウサイン・ボルト』
- プロサッカー選手『リオネル・メッシ』
- プロサッカー選手『ネイマール・ダ・シウバ・サントス・ジュニオール』 など
また、ウブロは様々な著名人とのコラボレーションモデルも展開しています。2012年にはウサイン・ボルトさんとのコラボモデル「キング・パワーウサイン・ボルト」が発売され、2015年には田中将大さんとのコラボモデル「アエロ・バン MT88」が発表されました。
さらに、2023年には俳優として初めてウブロのアンバサダーに起用された『山崎賢人』さんがいます。彼がアーティスト『村上隆』さんとのコラボモデル「MP-15」のローンチイベントで着用し、話題となりました。
値崩れしにくいウブロの人気モデル4選
ウブロはここ数年相場が落ちてきているとご説明しましたが、定番モデルは値崩れしにくく安定した価値を持ちます。
資産価値を求める方にもおすすめな値崩れしにくいウブロの人気モデル4つをご紹介していきます。
ビッグ・バン ウニコ 411.NM.1170.RX
ウブロ人気の火付け役となったビッグ・バンは、2005年の発表からさまざまなバリエーションが発表されている看板モデル。こちらは自社ムーブメントであるウニコを搭載した人気モデルです。ケースサイズは45mmもある大きな時計ではありますが、素材にチタンを使用していることから付け心地は非常に軽く、重さも136g程度しかありません。
チタンはステンレスに比べ重さが約1/2程度と非常に軽いので、長時間着用していてもストレスが少ないです。中古価格は高めですが、もし手放すとしても高値での売却が期待できます。
定価:- |
中古販売価格:140万円前後 |
買取相場:100〜120万円前後 |
スピリット オブ ビッグ・バン 601.NM.0173.LR
こちらは2014年に登場したスピリット オブ ビッグ・バンです。このスピリット オブ ビッグ・バンは、ビッグ・バンの性能をそのままに、樽のような形状のトノー型に仕上げられたコレクションです。定番モデルのビッグ・バンとは一味違ったデザインを求める方におすすめの一本です。
また、このモデルのムーブメントにはウブロとゼニスが共同開発したHUB470が搭載されています。ウブロの中でもエレガントなスピリット オブ ビッグ・バンは、真のファンから根強い人気があります。
定価:- |
中古販売価格:180万円前後 |
買取相場:130万円前後 |
キングパワー ウニコ セラミック キングゴールド スケルトン701.CO.0180.RX
出典: CHRONEXT
ビッグ・バンの進化系であるキングパワーは、2009年に登場したモデルで、ケースサイズが48mmと非常にインパクトのある時計です。その特徴は、ベゼルにキングゴールドと呼ばれる特殊な合金を採用している点です。経年変化による変色が起こりにくく、美しい状態を長く保つことができます。
701.CO.0180.RXは買取価格も比較的安定しており、長期的な投資におすすめなモデルです。
定価:- |
中古販売価格:180万円前後 |
買取相場:130万円前後 |
クラシック・フュージョン 542.NX.1171.RX
クラシック・フュージョンはウブロの初期モデルであるクラシックにセラミックやカーボン、チタンなど多様な素材を融合した進化モデル。販売金額も他のモデルに比べると手が出しやすい価格帯となっています。
ビッグ・バンやキングパワーに比べると派手さはありませんが、ケースサイズが42mmとウブロの中では比較的小ぶりなサイズです。文字盤もシンプルですしスーツの袖口にも収まるので、オンオフどちらでも使用できます。
定価:108万9,000円 |
中古販売価格:65万円前後 |
買取相場:50万円前後 |
損をしないウブロの買い方
4章ではウブロの資産価値を重視する方に向けて、損をしないウブロの買い方について解説します。
換金率を考えるなら中古時計が狙い目
ウブロを数年後に売却しようと考えているなら、中古での購入がおすすめです。モデルによって異なりますが、まず間違いなく正規店よりも何十万円単位で安く時計を手にすることができます。
また時計はバッグや洋服のように消耗しづらく、状態のよいものなら磨き仕上げをすれば新品同様の状態にまで綺麗にすることも可能です。
偽物や保証期間には注意しよう
高級時計の中古品をフリマアプリやネットオークションで購入しようと考える方もいるでしょう。しかしフリマアプリなどでは保証が付かないうえに偽物であるケースもあるため、あまりおすすめはしません。
またリサイクルショップ等でもアフターサービスや保証が付かないところもあるため、購入する際は信頼できるブランド専門店を選ぶようにしましょう。
下記の記事ではウブロの偽物の見分け方についてご紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
珍しいモデルではなく定番モデルを購入する
ウブロでは「限定◯本」と販売本数が限られているモデルもたびたび話題となりますが、安定した価値を持つのはビッグ・バンやクラシック・フュージョンなどの定番モデルです。
その中でもステンレススチールのブレスよりもラバーベルトのモデルの方が人気があり、買取額も高めです。加えてガラス張りの裏蓋のシースルーバックのモデルも、高値が付きやすい傾向にあります。
ウブロを高値で売るコツ
いくら資産価値のある時計を手に入れることが出来たとしても、売却方法やタイミングを間違えてしまうと損をしてしまうこともあります。せっかく売却するなら少しでもお得に売りたいですよね。
ここからはウブロの最適な売り方についてご説明していきます。
円安の時に売却する
高級時計を高値で売却するタイミングは、為替が円安の時がおすすめです。なぜなら、ウブロなどのスイス製時計は、日本から新品を仕入れる際にスイスフランで支払いますが、その時に円安だと日本側が通常よりも高い価格で時計を仕入れなければなりません。その結果、新品の定価が上がり、中古市場でも需要が高まります。すると中古相場や買取相場も高騰し、高値で売却できる可能性が高まります。
逆に時計を購入する際は、円高の時がおすすめです。円高の場合、スイスからの仕入れ価格が安くなるため、販売価格も下がります。そのタイミングで時計を購入すれば、資産運用の観点からも有利になります。
オーバーホールをせずに売る
高級時計を資産として所有する場合、オーバーホールをする前に時計を手放すのが一般的です。ウブロの機械式時計の場合、3〜5年ごとのオーバーホールが推奨されており、費用はモデルや状態によって異なりますが、5万円〜15万円以上かかることがあります。オーバーホールをすることで綺麗な状態にすることができますが、買取額で上乗せされる費用よりオーバーホールでかかった金額の方が高くなることも珍しくありません。
将来的に長く使っていく場合はオーバーホールをした方がよいですが、売却を考えている場合は、そのままの状態で査定に出すのがおすすめです。
買取依頼はウブロに精通した買取専門店へ
最近ではフリマアプリを含めた個人間取引サービスが利用されることが増え、売買のハードルが低くなりました。これらのサービスは手数料が発生しますが、中間マージンが少ないため、うまくいけば高値で売ることができます。ただし、取引が高額になるほど取引の難易度も上がり、簡単に成立することはありません。出品してもなかなか売れない場合、購入者との価格交渉が発生することもあります。
さらに売れたとしても購入者から「やっぱり商品を返品したい」と不備がなくても何らかの理由を付けられトラブルに発展するケースも少なくありません。
そのようなトラブルを避けるために、買取専門店に売却を任せることも一つの方法です。公式ホームページや口コミなどをチェックして信頼できる買取店に買取を依頼しましょう。
ウブロの人気は今後も続く
今回はウブロが終わったといわれている背景や、人気の理由、値崩れしにくいモデルについて解説しました。現状ウブロの人気は落ち着いてきていますが、今後2000年代のデカ厚ブーム時のように人気が再熱して相場が上がる可能性は充分に考えられます。
ブームが再熱するとまた以前のように高値で売られてしまうので、投資として考えるのであれば、販売金額が安くなっている今買っておくのが正解です。
また資産価値にこだわらず、ウブロだからこそ作り出せる独創的なデザインを楽しむのもよいでしょう。本記事がウブロの購入や売却をお考えの方の参考になりましたら幸いです。