ダイヤモンドはその美しい輝きから、婚約指輪やネックレスなど多くのジュエリーに使用されており、世界中で人気を集めている宝石です。とはいえダイヤモンドの特徴や性質については、詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、ダイヤモンドの特徴と弱点について解説します。ダイヤモンドをすでにお持ちの方でも意外な発見があるかもしれません。ぜひ最後までご覧ください。
目次
ダイヤモンドの特徴3つ
まずダイヤモンドの大きな特徴を3つを解説します。
非常に高い硬度
ダイヤモンドは世界一の硬さを持つ宝石として知られ、他の鉱物と擦っても表面に傷が付きにくいのが特徴です。物質の硬さを表す指標である“モース硬度”は1〜10で表されますが、ダイヤモンドは最大ランクの10となっています。
【宝石ごとのモース硬度】
- ダイヤモンド:10
- ルビー、サファイア:9
- エメラルド:8
宝石で比べると分かりにくい場合は、身近なもので考えてみましょう。人の爪の硬度は約2.5、ガラスの硬度は約5とダイヤモンドよりも硬度が低いです。そのためダイヤモンドを爪やガラスで擦っても、傷が付くことはほぼありません。
もしガラスで擦ってダイヤモンドに傷が付いた場合は、天然のダイヤモンドではない可能性があります。ダイヤモンドが本物であるかを見分ける方法はいくつかありますが、ガラスで擦るのもひとつの方法です。
さらに詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
優れた屈折率
ダイヤモンドはキラキラとした美しい輝きも特徴ですが、これは屈折率の高さによるものです。屈折率とは宝石に差し込んだ光の折れ曲がりの程度のことで、この値が高いほど宝石の輝きが増します。
下記の数値を見ても分かる通り、ダイヤモンドの屈折率は2.41と宝石の中でもっとも高い値となっています。
【宝石ごとの屈折率】
- ダイヤモンド:2.41
- ガーネット:1.70~1.89
- ルビー、サファイア:1.76~1.77
熱伝導率の高さ
ダイヤモンドに息を吹きかけると一瞬表面が曇りますが、すぐに元に戻ります。これはダイヤモンドの熱伝導率が高いために起こる現象です。
ダイヤモンドは宝石にもかかわらず、熱を伝えやすい金属よりも熱伝導率は高く、その値は銅の約5倍にもなります。
なぜこれほどダイヤモンドの熱伝導率が高いのというと、熱を発生させる振動が伝わりやすいためです。熱は原子の振動によって発生し、強固な結合の原子はより熱を伝えやすくなります。ダイヤモンドは原子の結合が強固であるため速く振動し、熱が伝わりやすいのです。
実はダイヤモンドにはこんな弱点も!
美しい輝きと硬度を持つダイヤモンドですが、実は意外な弱点もあります。この章では、ダイヤモンドの弱点3つを解説します。
衝撃
ダイヤモンドは世界一の硬さを持つ宝石といわれていますが、落としたりぶつけたりして強い衝撃を与えてしまうと簡単に割れてしまいます。なぜダイヤモンドは硬いのにも関わらず衝撃に弱いのかというと、原子の配列に理由があります。
ダイヤモンドはおもに炭素原子から作られています。この炭素が規則正しく並び強固に結びついていることで、ダイヤモンドは硬く傷が付きにくくなっているのです。しかしダイヤモンドには、炭素同士の結びつきが弱い部分も存在しており、ここに衝撃が加わると簡単に割れてしまいます。
このような元素の結びつきの違いによって、特定の方向に割れやすい性質を「劈開(へきかい)」といいます。衝撃による割れやすさは弱点ではありますが、この性質があるおかげで硬いダイヤモンドでもさまざまな形に加工することができ、美しいジュエリー作りが可能となっているのです。
急激な温度変化
ダイヤモンドは一定の熱耐性があるため、日常生活での温度変化やカット工程などで発生する熱の影響はほとんど受けません。しかし急激な温度変化には弱く、ヒビが入ったり割れてしまったりすることがあります。
また、ダイヤモンドは炭素からできている宝石で、約600℃で黒鉛化し宝石としての価値を失います。そして約800℃以上でダイヤモンドの特徴である硬さが失われ、軟化し炭化が進行します。
通常の生活ではこのような高温にさらされることはありませんが、住宅火災のような極端な条件下ではダイヤモンドも損傷する可能性があるという点は覚えておきましょう。
油汚れが付きやすい
ダイヤモンドは油と馴染みやすい“親油性”という性質を持ちます。皮脂や化粧品などの油汚れがダイヤモンドに付着すると、表面に油分の被膜ができます。その結果、ダイヤモンドに光が入り込まず、輝きが鈍くなってしまうのです。
ダイヤモンドのジュエリーは、日々の着用で皮脂などの油が付着しています。軽い油汚れであれば、中性洗剤とぬるま湯で洗うときれいになります。しかし汚れを落とそうと力強く擦ると、ダイヤモンドが割れてしまう可能性があるため、注意しましょう。
落ちない頑固な汚れがある場合は、宝飾店などの専門店に依頼すると安心です。
価値を損なわないようにするために
ダイヤモンドはモース硬度が高いとはいえ、扱い方によっては傷が付いてしまう場合もあります。傷が付いてしまうとダイヤモンドの価値は下がってしまうため、丁寧に扱うようにしましょう。
ダイヤモンドのジュエリーの中でもとくに結婚指輪は、付けっぱなしにしている方も多いのではないでしょうか?しかし付けっぱなしにしていると、思わぬ衝撃によりダイヤモンドが割れてしまうことも考えられるため、料理や掃除などの家事、運動等を行う際は外しておくのが得策です。
またダイヤモンドは、保管方法にも注意が必要です。ダイヤモンドを他の宝石と一緒に収納していると擦れて傷ができてしまう場合があるため、ジュエリーケースや柔らかい小袋などに入れ分けて保管しておきましょう。
傷は再研磨で修復する方法もある
ダイヤモンドに付いた傷は小さいものであれば、業者に依頼し再研磨をすることで修復することができます。しかし研磨する前よりも小さくなってしまうため、完全に元に戻るわけではありません。
またダイヤモンドの大きさによっては、修復できない場合もあるため事前に確認しておきましょう。
ダイヤモンドの特徴を正しく理解しておこう
今回はダイヤモンドの特徴や弱点について解説しました。ダイヤモンドは意外にも簡単に割れてしまうため、扱いには気を付けましょう。
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