金は金融資産として非常に価値が高い金属です。金の価格は世界情勢によって変動しますが、最近は金相場の高騰が続いており、金の売りどきといわれています。
貴金属の中でも安定して高い価値を持つ金を、もっとも多く算出している国はいったいどこでしょうか。当記事では、金の産出量が多い国ベスト10を紹介します。
目次
金の産出量がもっとも多いのは中国
2022年にアメリカ地質調査所が発表した鉱物資源に関するデータによると、世界でもっとも金の産出量が多い国は中国です。 以下は、2021年度の金の産出量が多い国をランキングにしたものです。
【金の産出量の多い国】
順位 | 国名 | 産出量(トン) |
1位 | 中華人民共和国(中国) | 370 |
2位 | オーストラリア | 330 |
3位 | ロシア | 300 |
4位 | アメリカ合衆国(米国) | 180 |
5位 | カナダ | 170 |
6位 | ガーナ | 130 |
7位 | メキシコ、南アフリカ、ウズベキスタン | 100 |
10位 | インドネシア、ペルー | 90 |
出典:外務省
2021年度で金の産出量がもっとも多いのは中国です。中国、オーストラリア、ロシアは安定した金の産出量があり、この3カ国だけで世界の金の産出量のおよそ3割を占めています。 中国は積極的に金の採掘を進めており、2007年以降、金の産出量世界一の座を維持しています。
かつて、世界一の金の産出国といえば南アフリカ共和国が有名でした。南アフリカはこの100年ほど、金の産出量トップの座に君臨し続けていました。しかし、地表近くの金を採掘し尽くしてしまったことが原因で、南アフリカの産出量は急激に減少しています。
金の採掘量を維持するためには、埋蔵量の多さはもちろん、採掘困難な場所の金も採掘できる技術力の高さも重要です。
中国では新たな金鉱脈の発見が相次いでいるだけでなく、政府主導で金産業への技術投資も活発に行われています。もうしばらく中国の産出量トップは続きそうです。
金の埋蔵量がもっとも多いのはオーストラリア
金の埋蔵量とは、その国にどれくらいの金が眠っているかを表したものです。以下は、世界の金埋蔵量ランキングです。
【金の埋蔵量の多い国】
順位 | 国名 | 産出量(トン) |
1位 | オーストラリア | 11,000 |
2位 | ロシア | 6,800 |
3位 | 南アフリカ | 5,000 |
4位 | アメリカ合衆国(米国) | 3,000 |
5位 | インドネシア | 2,600 |
6位 | ブラジル | 2,400 |
7位 | カナダ | 2,200 |
8位 | 中国、ペルー | 2,000 |
10位 | ウズベキスタン | 1,800 |
世界でもっとも金の埋蔵量が多い国はオーストラリアです。産出量ではナンバーワンだった中国は、8位にランクインしています。オーストラリアとロシアは産出量も2位と3位にランクインしており、安定的に金を供給できる国といえるでしょう。
金の埋蔵量と産出量のバランスは、それぞれの国の金鉱脈の状況や、採掘技術の進歩が大いに関係しています。
かつて金の産出量で長年ナンバーワンに君臨していた南アフリカは、埋蔵量では未だに世界3位です。しかし、かんたんに採掘できる範囲の金を取り尽くしてしまったため、埋蔵量は多いが産出できないという状況に陥っています。
現在金の産出量が少ない国でも、埋蔵量が多ければ、採掘技術の進歩によって今後の産出量が増える可能性は十分にあります。
日本の金の産出量は?
日本は、かつてマルコ・ポーロの「東方見聞録」で黄金の国ジパングと呼ばれるほど、金の産出国としてのイメージが強い国でした。日本最大級の産出量を誇った佐渡鉱山では、1600年代から1989年に操業を休止するまで、78トンもの金を産出しました。
現在では、日本で金が産出されるのは、鹿児島県にある菱刈金山のみです。年間の産出量は約6トンですが、菱刈金山で採掘される金鉱石は、金の含有量が世界一高いという驚くべき特徴があります。
一般的に、世界の主要な鉱山で採掘される鉱石に含まれる金の量は、鉱石1トンあたりわずか5グラム程度です。
しかし、菱刈鉱山で採掘される鉱石は、1トンあたりおよそ20グラムもの金が含まれています。鉱山の品位低下を見越して温存してある鉱脈の中には、なんと1トンあたり1キロもの超高品位の鉱石があるそうです。
世界的に見てもこれほど高品質な金鉱石をもつ鉱山は少なく、あと数十年は安定して金を供給できるとされています。
日本の誇る「都市鉱山」とは
金の価値が世界的に高まる中で注目されているのが「都市鉱山」という概念です。
都市鉱山とは、廃棄された家電製品や精密機械に含まれる貴金属のことです。日本には、オーストラリアやロシアのような天然資源の金鉱脈はほとんどありませんが、都市鉱山として国内に約6,800トンもの金が眠っているとされています。
これは、2021年度の金の埋蔵量第2位のロシアに匹敵する量です。 東京オリンピックでは、日本の都市鉱山をアピールするため、リサイクルした貴金属によって5000個もの金、銀、銅のメダルを作りました。
もちろん、これは世界で初めての試みです。 都市鉱山の活用は世界的に注目が高まっており、金の買取やリサイクルの需要は年々活発になっています。 金が売りどきの今こそ、お手持ちの金製品の価値を調べてみてはいかがでしょうか。
金が世界情勢の不安に強い理由とは
金は「有事の金」と呼ばれており、戦争や経済後退、疫病など、世界情勢が混乱すると相場が上がる傾向があります。
金は、世界共通で価値のある資産です。通貨や株式は、発行する国や会社が困難に陥った時に価値が大幅に下落してしまいます。その点、金は現物として保有することができるため、万が一の時に資産を失うリスクを抑えることができます。これが、金が世界情勢の不安に強いとされる理由です。
また、企業や個人投資家だけでなく、国家も金を増やして経済不安に備えようという動きがあります。金の保有量ナンバーワンはアメリカですが、ロシアや中国は金の産出量の増強だけでなく、近年積極的に金を買い増す動きを強めています。これが金相場の上昇に一役買っているのは間違いありません。
2000年代に入り、金相場は上昇トレンドが続いています。2010年の金相場の平均価格は2,477円でしたが、2015年には4,564円、2020年には6,122まで値上がりしました。さらに金価格は歴史的な高騰を続け、2022年7月現在の金相場は9,000円に迫る勢いです。
記録的な円安も進んでおり、国内外で金の需要は伸び続けています。世界各国で、自国の金産出量を増やそうという動きは今後も続いていく見込みです。
こうした世界情勢から見れば、金は今が売りどきといえるでしょう。
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今回は金の産出国や産出量などについて解説しました。とくに、金の産出量は金相場に影響する要因のひとつですので、知っておいて損はありません。 金の購入や投資をお考えの方は、ぜひこちらの記事を参考してください。
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