
金相場は数ある金融資産の中でも、特に金融政策や金利など、市場の動向に敏感に反応しやすいと言われています。
そのため、今の金相場の高騰の原因となっているウクライナ情勢やアメリカのインフレなどの不安材料が解消に向かえば、一転して大幅な相場下落に転じる可能性は十分にあるでしょう。
ウクライナ情勢のような軍事的なリスクは、いずれ何らかの形で解消されます。すでに、ウクライナ情勢が落ち着くような情報が流れると、金相場が値下がりするという傾向が始まっており、ウクライナ情勢の解決は金相場の急落を招く可能性は大きいです。

また、アメリカもさまざまなインフレ対策を導入しており、2022年3月のゼロ金利政策解除を皮切りに、段階的な利上げを行い、インフレ抑制への強い姿勢を打ち出しています。
しかし、2022年11月2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明によると、今後の利上げペースは縮小される可能性が示唆されています。
これに金融市場が大きく反応し、ドル円レートは円高方向にシフトし、今後2023年末にかけてさらなる円高ドル安が進む可能性も大いに考えられます。
参考:NRI 野村総合研究所
アメリカのインフレが抑制され、相場が円安に傾けば、金相場も呼応して値下がりする可能性は高いです。
そのため、2023年だけの短期に絞って考えると、金相場は値下がりする材料のほうが多いというのが大方の予想です。