【金・ゴールド】金の原産地の第1位は中国！金相場と中国の関係とは？

以下の表は、アメリカ地質調査所が2022年に発表した2021年度の金の産出量ランキングです。

出典：外務省

1位の中国は世界最大の金の産出国として、2位のオーストラリアに約50トンもの差をつけています。

日本では年間わずか8トン程度の金しかとれないため、日本と中国の産出量の差は約46倍にもなります。

もともと金の産出国として長年1位に君臨していたのは南アフリカでした。しかし、南アフリカでは地表近くの金の大半を採掘してしまい、年々採掘量が減少したことから、2007年に中国に1位の座を譲りました。

中国は2000年代に入り、経済が大幅に発達しました。中国政府は積極的に金産業に投資を行い、国力向上を図っています。政府主導の積極的な技術投資によって効率のよい金の採掘が可能となったことが、中国の金産出量増加の最大の理由です。

また、中国は広大な国土に多くの金資源が眠っています。2014年には新彊ウイグル自治区におよそ100トンもの金鉱脈が発見され、今後も中国の産出量1位は安泰でしょう。

中国は、金の産出だけでなく、レアアースの生産にも力を入れています。レアアースとはレアメタルの一種で、セリウムやネオジムなど、17種類の希土類の総称です。

中国はレアアース事業を重要な国家戦略と位置づけており、現在世界のおよそ6割ものレアアースを生産しています。

金やレアメタルは工業用としても欠かせない資源です。金やレアメタルなどを安定的に確保し、世界に供給することで、中国は国力の強化を進めています。この傾向は年々強まっており、中国による鉱物資源の独占を危惧する声も上がっています。

都市鉱山とは、使用済み家電や携帯電話、金属スクラップからリサイクルできるレアメタルのことです。都市鉱山は世界的に注目されている存在で、日本も世界有数の都市鉱山国のひとつです。

中国では、天然資源の採掘だけでなく、都市鉱山のリサイクルにも意欲的です。年間の国家補助金は数億円以上で、政府の期待の大きさがうかがえます。

天然資源の金の産出量で1位の座を取り続けている中国が、今後さらなる国家の発展のために都市鉱山の活用に力を入れることは間違いないでしょう。

参考URL：「中国のレアアースの現状と政策」白書

金の買取相場は、世界で金の需要が高まるほど上昇します。2000年代以降、金相場は大幅な値上がりを続けており、今は金の売りどきといわれています。

金相場は戦争や天災など有事のときに上がりやすいといわれています。金は現物で持てる安定した資産で、急激な経済状況の変化に強いためです。

2000年代以降の金の値上がりには、中国が国家を挙げて積極的に金資源の確保を進めていることも大きく影響しています。特に中国は昔から金を大切にする国民性や文化があり、世界で最も金の価値を重視している国と言ってもいいでしょう。

中国の金投資が盛んになれば、それと連動して国際的な金の需要も高まり、金相場が上がります。金を高く売るためには、日本の経済だけでなく、中国の状況も知っておくといいでしょう。

金は貴重な天然資源ですが、最近ではリサイクル可能な都市鉱山も注目されています。中国は世界有数の経済大国という地位を活用し、積極的に金の産出や都市鉱山の開発に取り組んでいます。この先も、金相場に影響を与える中国の動向からは目が離せません。

金は現在世界的に需要が高く、売りどきと言われています。金貨やインゴット、ジュエリーなどの金製品をお持ちの方は、ぜひこの機会に一度価値を査定してもらうことをおすすめします。